淡花のお伽話

嘘の吐きすぎで喉がかわくよ
重たい頭を持ち上げて
東へ向かって薄れゆく
青をひとみに取り込んで
白詰草の花冠 
ひとつ編んでみせようか
鋭い爪で壊れちゃうかな
それでもいいよ、それでいいんだ
渡してくれよつくり直すから
踏みつけられたいたみの分だけ
幸せ運ぶ四つ葉も増えるよ

散歩道見つけた野いちご摘んで
同じ色した頭巾のあの子へ
手紙を添えて 届けるよ
ほんとはきみがだいすきだなんて
裂けてる口じゃあ言えないね
お薬みたいなハーブを嗅いだら
迷子の緑をたずさえて
針葉樹のてっぺん綱渡り
正直者になれないかわり
笑わせたくて道化師気取り

大事なものを食べちゃう前に
春のさそりを銀で描きます
心臓映るは瑠璃の天井
灰色の毛皮脱ぎたかったよ
いつかきみとね手繋ぎをして
間違っちゃった、って
泣きたかったよ

淡花のお伽話

この時期は植物がのびのびしていて嬉しくなります

淡花のお伽話

ひたすらにファンタジー。

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-06-01

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