大嫌い大好き

過去

千代梨は、小学生の頃の自分を思い出していた。

「お前、いっつも暗いんだよ」
そう言って、仲間とともに千代梨をいじめるは当時のクラスメイトだ。
「担任にチクったら、どうなるかわかってるよな」
その様子を見ても誰も止めない。それどころか見て見ぬふりをしている。
小学生の頃、千代梨はいじめられった子だった。今では、思い出したくない過去…
ここまで来て千代梨は、胸がざわめいた理由を思い知った。
千代梨をいじめていたグループの中心には戸山和貴がいたことを、思い出したのだ。

再会

朝の教室
開いた窓からはまだ少し冷たい春風が入る
窓側の席で頬杖をついて外を眺めている彼女の名は宮原千代梨(みやはらちより)である。
「ちよ、おはよー!」
「おはよ」
そう言って教室に入ってきたのは宮野志衣(みやのしい)と矢口桃馬(やぐちとうま)だ。
「2人ともおはよー。」
この3人は中学からの同級生だ。
「ねえ、ちよ。今日転校生来るらしいよ」
「本当?どんな人かな」
しばらく3人で話していると教室のドアからスーツ姿の女性教師が入ってきた
「今日は、転校生を紹介します。どうぞ」
クラス全員の視線がドアに向いた
そこには、スラッとした長身の男子が立っていた。その人は教室の真ん中あたりに立つと頭を下げて自己紹介を始めた
「初めまして、戸山和貴(とやまかずき)です。よろしくお願いします」
「じゃあ席は、宮原さんの隣が空いてるわね」
そういって、先生が席を指差すと和貴は「はい」と言って千代梨の隣に座った
その後、先生が話し始めると和貴は小さな声で千代梨にこう言った
「小学校の時以来だな、宮原千代梨」
千代梨は、和貴の言葉に胸のざわめきを覚え、過去へと思いを巡らせる…

大嫌い大好き

大嫌い大好き

転校生は、昔自分をいじめた奴だった。 大嫌いなはずなのに、見た目も性格も変わった彼にキュンとしてしまう。 大嫌いなのに大好き…。 どうすればいいの?

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-04-25

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