【黒歴史シリーズ】2006年詩まとめ

ジグソーパズル(2006年11月)

そこは何もない白だった

そこから彩られる世界がある



皆が僕にピースをくれた

それを僕ははめていく

やがて完成するのは一つの絵



皆との思い出で作り出した

僕だけのジグソーパズル

葛藤(2006年11月)

僕の中には氷があって

それを僕は嫌ってる

それを嫌ってる僕を偽善者だと嘲笑(あざわら)う僕がいる



大事に思う傍らで

ひねくれ者は別のことを言う

それを嫌う僕を綺麗事を言うなと(あざけ)る僕がいる



自虐に走りそうな僕がいる

それを止める誰かがいた

僕は素直に受け入れないでいる



“受け入れなよ”

そっと背中を押す素直な僕がいた

姿を見せぬ君へ(2006年11月)

姿を見せぬ君は今何をしているのだろう

これから僕が君にできること



押しつけもしない

お節介もしない

全ては君次第でいい



僕は君の話を聞くだけ

全てを受け入れるだけ



鉄壁になってやろう

君の重みをこの身に移せるように

心の壁(2006年11月)

高い高い壁がある

壊れなさそうな頑丈な壁がある



ある一つのきっかけで

あっさり壊れてしまいそうな

そんな壁がある



壁を壊したいと願うけれど

中々に邪魔されて壊せないんだ

いつも壁の向こう側に行きたいと願うのに

いつも壁のこっち側で泣いている



壁を睨みつけてやるんだ

超えてやるんだ

すぐ壊れる壁なんか蹴散らしてしまえ!



心の中はいつも感情的

いつになったら壊れるのか

呆れてるくらいにうるさい心の中がまた叫ぶ



すぐ壊すから

すぐ向こう側に行くから

待っていて

生まれ育った僕の町(2006年11月)

生まれ育った僕の町のこの景色

君は見ているかい

離れゆくバスの窓からさ



“いつか戻ってくる”

叫んだその声



今でも果たされてないその約束を



今でも僕は覚えてる

生まれ育った僕の町を離れた今もずっと

静かな雨の朝(2006年11月)

静かな朝に雨が降る

眩しい朝の光に照らされて雨が光る

僕はその中を歩いていく

その中を走っていく



静かな朝だから何も聴こえない

ポツポツと雨が降る 静かな朝に生まれる音

僕はその中を歩いていく

その中を走っていく



静かな朝に傘をさす

ふと雨の音が変わる

僕はその中を歩いていく

その中を歩いていく

川(2006年11月)

ゆらゆら

さらさら

静かに静かに流れゆく川

そこで生きる魚も流れに乗り

時には逆らい川と生きる



川は時として壁となる

向こう側に行きたいとどんなに願っても

行けない壁となる



だから橋を架けよう



昨日から今日

今日から未来を繋ぐ橋を

体温(2006年11月)

何できるのかわからない

何したいのかわからない



確かなこと

僕に血が流れてること



確かなこと

僕に体温があること



僕がこれから何をすればいいのだろう



何も思いつかなくなって

がむしゃらに歩き出した



意味がなくて悔しいけど

“しないよりマシだ”って

ひたすらに前に歩いたんだ



僕を支えてた柱一本にヒビが入ったんだ

他の柱の存在を忘れて直しに行こうとして立ち止まる



僕は何故直そうとしたんだろう



この重い感情を

白い雪よ かき消してくれ

そう祈るしかなかった弱い僕

そういえば あの時は晴れだった

“雨が降ればよかったのに”と

ずぶ濡れで風邪引いてもよかったと思えたんだ



体温が体温と感じない

凍りついた心が体まで凍らせたんだ

ふと触れたぬくもり

そこから体温が伝わる

温かさが凍りを溶かしていく



ぬくもりにそっと呟いた

“大丈夫さ”

つい強がった



折角取り戻した体温を

手放したくなかった



まだ頑張れる

立ち上がる



まだこの先なんてわからないけど

他の柱の存在を思い出す

ヒビが入った柱の代わりを探そうか

それとも直そうか

体温が元に戻る

まだこれからさ

いつもの僕に戻る

反則(2006年11月)

そんな言葉が頭をよぎる



それは反則だ

そう頭の中を強く反論する



そう言われたら

そんな顔で見られたら

どうしていいかわからなくなる

つい負けそうになる



そんな反則だって悪くないなと思う自分が一番反則だ

逢いたい(2006年12月)

“逢いたい”



言いたくて閉じこめてきた

相手のことを想えばこそ言えなくなっていた

それでなくても真っ直ぐに言えないのにと



胸を叩く

自分自身に



この想いは何処に行くのだろう



辛くて

逢いたくて

君が大切だから

逢いたくなくて



ため込んだ想い

溢れることを恐れてる



素直なのはいつも心の中

君と僕を縛る鎖がなければいつでも君に



伝えられる一言がある

高速ストレートで胸を突き破る言葉がある



その言葉は想いだった

我侭と想いの紙一重(2006年12月)

抑えきれぬ想い

理性を上回る感情の強さ

君に伝えることの意味が変わる



時に我侭になり

時に想いに変わる



君の状況を考えれば言っちゃいけない些細なコト

だけど言いたくなって感情が言うこと聞かない



言って君に苦労をかけたくないんだ

それが理性でもあり想い

言ってこの気持ちをぶつけたいんだ

それが感情でもあり想い



どっちを優先すればいいのか頭ではわかってるのに

歯止めなんか効きやしない



我侭言ってしまう子供じゃないって信じていたのに

ちゃんと聞き分けができる大人だと信じていたのに



まだまだなれないんだ

僕の頭が足りなくて

初めてのことが多すぎて

ついていけてないよ



だから時には言ってしまうけれど

駄目なら駄目と言ってほしいんだ

辛いのは最初だけ

聞き分けの効かない子供に諭す時間は寝てる間



もし聞いてくれたのなら

それから先 精一杯返すから

純粋な想いだけ込めて君に伝えるよ

君の名前(2006年12月)

君の名前

僕の名前



呼ばれるとくすぐったくて幸せで

胸に響いていく

群れと波(2006年12月)

立ち向かう

予想以上の強敵に



巨大な壁のように

僕の前に立ちふさがって



僕を(あざけ)るんだ



数日間だけの群れは波となって



僕はその波に立ち向かって

勝たずに負けずに

逃げ出した

形はないけど確かなもの(2006年12月)

形はない

そこには何もない



だけどわかるものがある

だけど掴めるものがある



不安になった時

その存在が揺らぐけど

不安が消えた時

更にしっかりとわかるんだ



無理矢理だけど

形にしてみよう

それはまーるい、まーるいもの

角ばったものではないもの

柔らかくて温かいんだろう



それはきっと

誰しも持っているものだから

人が人を想う時

そっと心に生まれるもの

手には触れられないけれど

目で見ることはできないんだけれど



だけどわかってる

だけど掴んでる

幸せの副作用(2006年12月)

ずっと何事もなかった僕の心に

一つ大きな幸せがあった



長く続けば続くほど

何事もない日々が遠く思えて

長く続けば続くほど

離れずらくなる



また訪れる幸せの為に眠りにつこう



幸せという温もりに囲まれ

希望の揺りかごに揺られよう

混迷(2006年12月)

今の風は



今の流れは



表に見える物を求めてる

裏側にいる物を認めようとはしない



結果を求める

経過ではなく結果を



足を踏み出さねば始まぬ



そう奮い立たせて足を踏み出す



同時に生まれるのは

不安と疑問



決まれば周りが騒ぎ立てる

決まらねば周りが煽り立てる



気づけば周りが敷いたレールの上を走っている



抜け出したいと強く心が叫ぶ

だが流浪人では生きては行けぬこの世の無情さよ



経過を経て結果を得る

それを遅いと認識するこの世の中で



混迷の世をもがきながら生きている

手のひら(2006年12月)

そっと頭の上に乗せられる手

ほっと息をつくあたたかさ

心にふわっと広がるよ

大きな手

小さな手

そろりとおっかなびっくり撫でられる

不思議と眠くなる

不思議と笑みがこぼれる



君を撫でてみる

「頭に刺なんてないのにさ」

そう笑って君は言うんだけれど

どうしても力が入らない



“それでいいよ”



ふわっとした感覚の中で心地よくて

もっと撫でてほしくて

思わずそう呟いた

君も同じ気持ちだったんだね

撫でる手は止まない



これからも君を撫でていようと思う

不思議と君の手で撫でられると

眠ってしまいそうなほど幸せだから

小さな夢(2006年12月)

夢を見る

それは小さな夢だった



現実を知ってるよ

そこまで子供じゃないから



小さな夢を見る

どうしたいかわからないくせに漠然とした夢を見る

心に響く存在(2006年12月)

君に言われた一言が

そっと胸を痛ませる



時にはすごく辛くて

時にはすごく痛くて

時には泣いて

それでもちゃんと癒えている

また笑い合えている



君に言われた一言が

そっと胸を痛ませる



ちくりとした痛みじゃないんだけど

締め付けられたような痛みなんだけど

決して嫌じゃない痛みなんだけど



君が僕にしたふとした行動が

そっと胸を痛ませる



それはすごく冷たいよと

それはすごく暗いよと

胸が悲鳴をあげている



それでもちゃんと戻っている

君がその後に優しさをくれたから



君が僕にしたふとした行動が

そっと胸を痛ませる



もっとずっとこうしていたいんだけど

離したくないんだけど

窒息してしまいそうなくらい辛いものなんだけど



痛くて幸せでなんと矛盾しているんだろう

痛いって嫌なイメージしかなかったのに

その痛みをもっと感じていたい

嫌な痛みじゃないから



“それはきっと幸せすぎて胸が抱えきれなかったんだ”

そう言って君を困らせた

聖なる鐘の音(2006年12月)

僕の望み

君が僕のことを少しでも想ってくれること

後は高望みしないから

聖なる鐘が鳴る頃に君の耳元でそっと



僕を愛してくれている君へ

僕が愛している君へ



幸あれ

頭と心の別世界(2006年12月)

涙が止まらない



寂しいわけじゃない

不幸なわけじゃない



溢れ出る想いの強さに涙が溢れる



思い止まって

後悔しないよと

頭では幸せをわかってる



慣れもしない幸せに戸惑い隠せずに

消えた温もりに追いすがって

心は揺れて泣く



幸せで人恋しくてわからなくて涙出る

日々の風の中で(2006年12月)

日々の風の中で僕は何を思うんだろう

日々の風の中で皆は何を思うんだろう



日々流れゆく時に全てを語ることなんてできないんだ

僕は身の回りのものを見ている



皆がいる

僕がいる



皆には皆の日々があって

僕には僕の日々があって



それは物語にするにはたいしたことない小さなこと

それは物語にするには書ききれない大きなこと



大切な人と日々を語り合い

ゆっくりとひたすらに休養を取ってみたり

僕は皆は日々の中心の主人公になっている



吹いている風に運ばれて昨日が終わる

吹いている風に運ばれて明日が来る



日々の風の中で僕は泣くんだろう

日々の風の中で皆は泣くんだろう



日々の風の中で僕は笑っている

日々の風の中で皆は笑っている



日々の風の中で僕は日々を生きている

日々の風の中で皆は日々を生きている



流れゆく風は僕らの日常を運んでいく

熱(2006年12月)

君と僕が触れる

僕と君が触れる

そこから伝わる何かがある

「君は冷たいね」

そう彼女は笑って僕の手を握った

「君の手はあたたかいね」

そう僕は君の手を握り返す

僕の手はだんだんあったかくなる



不思議だね

君は僕に熱をあげてるはずなのに

冷めてないのは



そう言うと彼女は僕に微笑んだ

僕の手も熱を持ち始めた

白銀の空模様(2006年12月)

光に照らされ

天から降る

映える光に僕が映る



両手を広げ

吹く風に

白い光を感じてる

銀色に光っていたよ



僕の想いの形

君は僕の想いの形を微笑んで眺めて

二人そっと手をつないだ

不可抗力(2006年12月)

周りでは甘い空気に包まれて

甘い匂いで一杯になる



甘いのは苦手なの



一杯食べて辛くなる



もういらないの



切に訴えても今日も食べなきゃ

目の前のケーキは私にとっては

敵の攻撃よ



誰が悪いのでもないの

そうね この雰囲気の所為かしら



甘いものが苦手なのもそう

不可抗力だとわかってても

私は貴方を恨みます



目の前のケーキは今も私のことを見つめてる

私が恨んでることも知らないで

僕と君の間を流れる川(2006年12月)

川と僕

川と君



向かい合わせ

大声で君の名前を叫んだ

君も僕の名前を叫んだ



間を流れる川

流れる方向は一緒だけど

向かう方向は違うんだ

一緒な人なんてそうそういるわけじゃないってわかってる

だけど君と僕が一緒の方向

この流れる川の方向に向かっていければいいと思ってる



君もそう思ってるだろうか

その答えを知っているのは



僕と君の間を流れるこの川だけ

僕と君の足だけ

僕の想い歌(2006年12月)

素直じゃない僕だけど

君の迷惑になると思って

満足に気持ちも伝えられやしない

だから爆発する



君に伝えたくなってどうしようもない夜がある

君に電話するけど

結局何も言えずにただ普通の会話して終了

だから君に頼んだ



僕の代わりにこの曲を聴いてほしい



この曲に想い入れはないんだけど

ただ僕の気持ちそのままだから

だからよかったら聴いて

これで少しでも僕が想ってることを君に伝えられるように

僕の夢(2006年12月)

明日が休みとなれば君のことで一杯になる

どこに行こうかと夢を見る

遠出

近場

それとも部屋で

君と二人



君が隣にいてほしい

週に一回

君と僕の感情急上昇



朝起きれば君が隣にいる幸せ感じたい

いつまでも君とこうしていたい

けれどその次の日の朝は一人



いつでも会いたい

夜には君で一杯になる

君と二人の夢を見る

【黒歴史シリーズ】2006年詩まとめ

【黒歴史シリーズ】2006年詩まとめ

思いついた時に書き続けていた詩や掌編など手元にあるデータ全てを年数別にまとめた黒歴史シリーズ【2006年詩まとめ】です。(完結) ※一部誤字脱字や行間などは直しているので、当時のものそのままではありません。

  • 自由詩
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-04-12

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. ジグソーパズル(2006年11月)
  2. 葛藤(2006年11月)
  3. 姿を見せぬ君へ(2006年11月)
  4. 心の壁(2006年11月)
  5. 生まれ育った僕の町(2006年11月)
  6. 静かな雨の朝(2006年11月)
  7. 川(2006年11月)
  8. 体温(2006年11月)
  9. 反則(2006年11月)
  10. 逢いたい(2006年12月)
  11. 我侭と想いの紙一重(2006年12月)
  12. 君の名前(2006年12月)
  13. 群れと波(2006年12月)
  14. 形はないけど確かなもの(2006年12月)
  15. 幸せの副作用(2006年12月)
  16. 混迷(2006年12月)
  17. 手のひら(2006年12月)
  18. 小さな夢(2006年12月)
  19. 心に響く存在(2006年12月)
  20. 聖なる鐘の音(2006年12月)
  21. 頭と心の別世界(2006年12月)
  22. 日々の風の中で(2006年12月)
  23. 熱(2006年12月)
  24. 白銀の空模様(2006年12月)
  25. 不可抗力(2006年12月)
  26. 僕と君の間を流れる川(2006年12月)
  27. 僕の想い歌(2006年12月)
  28. 僕の夢(2006年12月)