短歌3

かみさまのおそばにいけるくすりならわるいはずないすくわれにいく。

手も足も、口も瞳も切り捨てて、ただ君想う箱になりたい。


捨てられた言葉の積もる底辺で、歌を編んでる。祈りの歌を。


ただ君のタオルケットになりたいの。不安な分だけくしゃくしゃにして。


伸ばした手、そのつど母に落とされて、百も二百も腕のない私。


いいね、して。ただそれだけの性行為。承認欲に抱かれてる虚無。


死ぬほどの傷じゃないから、大丈夫。えへへ。笑顔で。馬鹿だよ。なんで。


帰ろうって、帰りましょうって、帰るぞって、帰りたい日の君はいなくて。


生まれつき、子宮がひとつ、たりなくて。
おなかの奥の、ぼくの、孤独。


たおやかに花を殺したその指で、子供の髪を、梳いて、梳いて、梳


今日未明、涙を型に流し入れ、冷凍庫にて凍らせました。

凍らせた涙ですけど、濁ってます。不純な物が多いそうです。

純粋な涙じゃないって。不純だって。わたしの、気持ち。わたしの、叫び。

この怒り、この絶望が不純なら、生きてるって、なに?
これは、遺書、です。

涙氷が溶けて零れていくごとく命愚かに咲けよ解けよ

句読点、自傷のように、打ち込んで、血色の言葉、どうか、届いて。


『愛しい』を線路の上にばらまいて、電車を待ってる。死ぬのを待ってる。


手と手から伝わる温度。
冷たいね…?
わかってたけど。
わかってるけど。


恋と愛、両方だから『こあい』かな。こあい、こあいよ、泣いてる、こあい。


君のため、涙でほどく赤い糸。
ありがと。
ごめん。
大好きでした。


お砂糖を吐き戻してる。サラサラの、あなたの嘘を吐き戻してる。


しあわせを祈る言葉が、この家に火を放っていく。焼き尽くしてく。


病室で君の手だけが神様で、指を重ねて今日を見ていた。


ただ笑い、泣いて、わめいて、手をのばす──。
なんて愛しい、我儘な命。

無人島。何かひとつを持ってくなら、恋を持ってく。ただ君を想う。

代わりならいくらでもいると言うけれど、私の代わりに誰か死ねるの?


恋をして綺麗な天使になれたのに、「性」が羽ごと汚していくの。


太陽にストーキングをされてます。助けて警察。いつか殺される。


目も声も、手足もぜんぶなくしても、伝えていたい愛があります。


太陽と月が手をとり、心中を企てている午前二時半。


見えなくて不安になるならこの胸を裂いてもいいよ。心をあげる。


恋という砂漠の中で、オアシスを夢に見ながら水を求めてる。


知性とか理性がなくちゃダメですか。ただ気持ちいいお肉でいたい。

幼子の手を引き道を行くように、終わった恋を連れてお散歩。

チョコレート、甘く感じているうちは死なずにいよう。泣き濡れてても。


空気にはガラスの粒子が混じってて、胸に溜まるの。血を吹いてるの。


心臓にあなたの牙を突き立てて。離れるときは静かに死ぬから。


本気なら命を懸けて。「たかが恋」とか、わかんない。死ぬ気で恋して。


もしきみに恋の料理をされるなら、失敗されたい。焦がされていい。


「美味しい」の魔法をかけよう。ご飯にも、わたしにもね。コースでどうぞ☆


聞こえてる? この胸に耳をあててみて。いいって言うまで。恋になるまで。


「トマトをね、投げる祭りでするみたく。捨てるならほら、つぶすつもりで」

外国の、トマトを投げるお祭りってこういう感じ? ぐちゃぐちゃな今日。

もし今夜、世界のひとつをくれるなら月をください。抱いて泣くから。


傷ひとつ。自分でつけた傷ひとつ。更新されてく裂傷ひとつ。


この牙が爪が獣であったなら、自罰の果てにたやすく死ねた?


だめなのは、あなたじゃなくてわたしです。わたしはわたしとうまくやれない。


こっち見て。三途の川のほとりから叫んでるみたい。届いてこの声。


神様の不在の夜が続くなら、世界は恋で満ちるで しょうか。


歌声が「祈り」と呼ばれていた頃と同じ気持ちで月に歌う夜。


ぼくのこと頭痛の種だと言うけれど、花にもなる よ? 脳で愛して。


常識と良識なんて眠らせて。次に僕らが目を覚ますまで。


怨念が霊になるなら愛情も霊になるよね? ずっと愛してる。


抱き合った素肌で計る不誠実。恋には足りない君の体温。

手首からこぼれた血の道、何マイル? どこにつづくの。どこまでつづくの。


朝露が昨夜のだれかの涙なら、飲んでみようか君を想って。


生き物を殺して食べる僕たちの、血に流れてる愛は本物?


現実を快楽主義で見てみれば、手首を切ってる痛みもしあわせ。


どれだけのことを赦して、泣き、想い、重ねれば届く? 君の場所まで。


赤い糸。待てども君は来ないから、小指を断って先に行きます。


お姫様、眠ったままでいてください。起きてる君は恋が多くて。


口内で行方不明の言葉たち。舌にいるからキスで探して。


変わらない世界の中で、魂は変わっていけるの? 強さをください。


優しくて強い心を持ちなさい。気持ちはやがて運命になる。

目が二つあるから他の子を見るの? 右目をえぐるね、私だけ見て。

行儀よくなんて無理だよ好きだから。野蛮なぐらいぜんぶが欲しい。


換気扇の音を聴いてる深夜2時。断頭台の刃の回る音。


重力が心を潰し歪んでく。自罰な恋の想いの重さ。


患ってよ。苦しんでよ。熱出して。私は君の病気になりたい。


地を這って何にもなれず死ぬのなら、翼が欲しい。毒蛾のでいい。


水槽の君に青空を注いだら、君は生きるの?それとも死ぬの?


内臓で生きてるんだよ。どろどろと、ぐちゃぐちゃとして生きてるんだよ。


間違った恋の数だけ「正」の字を書き続けよう。正しくなるまで。


ただ君の心臓になって鼓動していたいのです(好きなのです)

一瞬と心中していく恋だけが永遠を解き明かす力。

「愛」なんて言うより先に「性」を言う、最初の頃の男女に戻ろう?


ほどかれて。きみにほろほろほどかれて、裸になってく。素直になってく。


なくていいの?  恋は美味しいおやつです。毎日あると嬉しいのです。


くちづけで花が咲いてく。心には色が増えてく。きみのくちづけで。


きみがもう誰かのものでも気にしない。小指の先から奪い返せる。


カーテンをしめてベッドにとじこめて貪っていたい。犯罪でいい。


獣だと思い知らされるぐらいに、性と欲とが止まらない逢瀬。


ただ早く触れたいだけ。ただ早く触れたいだけ。ただ愛しくて。


眠ってる間のきみは白百合に姿を変えてる。僕だけのもの。

振られたの。炭酸水のこの恋の、はじける気持ちは真水になるの?


巻き貝を耳に当てれば、「届いて」と誰かの別れの声が聞こえる。


むさぼって舌をからめるキスみたく言葉もからめてよ。ぜんぶ愛して。


木々はただ、静かに祈りをささげてる。神様と人に、祈りを。祈りを。


焼け落ちた幽霊屋敷を苗床に向日葵が咲く。天国への門。


「この先も愛されなさい。迷いなく、照れることなく、天使のように」


綺麗だと信じた言葉が消えていく。大人になるってつまらないこと。


雨の中、傘をかぶって泣いてます。あなたのそばで引きこもってます。


身の奥の薔薇をあなたに散らされて、花になれない。トゲしかないの。

ふわふわのふあんがふわりよってきて、ふあんふあんふわふわふあん。

きみの背に頬を寄せれば聞こえるの。わたしが過去になっていく音。


お暇なら、アイタイという星を見て。探してみてよ、いつもあるから。


かみさまは疑わないからさあ嘘を。かみさま殺す嘘をください。


花言葉ならぬ人言葉。あなたは「不信、裏切り」 わたしは「愚か」


ね、朝だよ。昨日の敵は今日も敵っ。負けてらんない、さあ顔を洗って!


はじめての恋は甘いの?すっぱいの? 色づいていく林檎の心臓。


「おはよう」と、葡萄の肺で呼吸するきみの吐息で朝がはじまる。


ぐじゅぐじゅとしたたる桃の秘めごとに、どろりとただ溺れていく果肉


合図かな。ケーキは箱ごと潰れたし、この恋はもう終わりでいいよね。

「好きだから」なんて言い訳しないけど、わかってほしい、好きなんだからっ!

宝石にならないんだし無価値でしょ。量をこなすの、ただ泣かせてよ。


もう少し知らないふりでいさせてね。きみの気持ちを開封しない。


ともに掘り、水をそそいで種をまき、芽がでなくても 「夫婦ですから」


やすらぎと癒しがいるなら入りなさい。布団教団「ぬくもりの朝」


気がつけば悲しいさんがそばにいて、「友達だよ」って、「忘れないで…」って。


悲しみも痛みも私が受けるから、私の涙にあなたは浮いて。


殺しても殺してもまた生き返る。なんてしぶとい!死んでよ「私」!


調律はあなたの指と唇で。甘い夜を奏でていく喉。


眠りたい私のための睡眠薬。眠りたくない私が泣くの。

その声に救われてたよ、ずっとね。 (伝えないけど)(ねえ、ありがとう)

最低で最悪な日もきみがいた。いてくれたんだ、行く道の先に。


やさしさがきみの肌からあふれてる。やっと気づいた。おそくてごめん。


笑おうよ。必要なのはその笑顔。やりなおせるよ。ここで。笑顔から。


寝ているの?睫毛の上のキューピット。まばたきするから、さあ働いて。


言い訳をずっとしててよ喋ってよ(終わらないで…)お別れがくる。


精液の重さがすべてを──神様も悪魔も沈めて溺れていく夜


月光を追いかけていく少年の、背中に生える標識とビル。


あの月をきみが舐めているのなら、減っていくのも許せる気がする。


血液がチョコでできてる可愛い子。ドロドロなのに甘くて困る。

短歌3

短歌3

読んでいて、誰もがそれを短歌だと気づかないほど自然な歌を。(──短歌)

  • 随筆・エッセイ
  • 短編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-04-03

Public Domain
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  1. かみさまのおそばにいけるくすりならわるいはずないすくわれにいく。
  2. 句読点、自傷のように、打ち込んで、血色の言葉、どうか、届いて。
  3. 無人島。何かひとつを持ってくなら、恋を持ってく。ただ君を想う。
  4. 幼子の手を引き道を行くように、終わった恋を連れてお散歩。
  5. もし今夜、世界のひとつをくれるなら月をください。抱いて泣くから。
  6. 手首からこぼれた血の道、何マイル? どこにつづくの。どこまでつづくの。
  7. 目が二つあるから他の子を見るの? 右目をえぐるね、私だけ見て。
  8. 一瞬と心中していく恋だけが永遠を解き明かす力。
  9. 振られたの。炭酸水のこの恋の、はじける気持ちは真水になるの?
  10. ふわふわのふあんがふわりよってきて、ふあんふあんふわふわふあん。
  11. 「好きだから」なんて言い訳しないけど、わかってほしい、好きなんだからっ!
  12. その声に救われてたよ、ずっとね。 (伝えないけど)(ねえ、ありがとう)