僕と君と想い寄せと空と

お久しぶりです。
琥都でございます!!


突然なんですが…私がバカで
調子にのりたくさんの作品を書いてしまってました。。。


で、忙しくどうしてもたくさんの作品を
同時に進めることが出来なくなってしまったため
悩んだ末、3作品ほど削除してしまいました。

本当に自分勝手ですいませんでした…


じゃあ、なんでこの作品は作ったんだ!!
って言われればあれなんですが…頭の中にいっぱいこの作品が
広がっていってですね。。。



また懲りずに書いてしまいました。



すいませんでした…。



この作品も是非見て頂ければ嬉しいです。


璃羽は消していないのでそちらもよければよろしくお願いします。


琥都。

セピア色の髪の少女

少女が5時の水色の空の下を走っていた。


走る度にセピア色の髪が靡く。
冷たい空気が少女の横を縦にすり抜ける。
『ポツ、ポツ…』と足音がその空気に響く。



少女の名前は田中 乃湖(ノコ)。
乃湖が走っている理由は部活のランニングのためだった。
服装は緑のジャージ上下、藍色のハイソックス、指定のランニングシューズといった感じ。
乃湖はこの格好があまり好きではなかった。



『ポツ、ポツ…』乃湖の足音が空に響き、彼方に溶けていく。
走ってきた道を右に曲がる。
コンクリートが途切れて、赤レンガの道が続いていく。
乃湖の顔がだんだんと赤らむ、寒さのためだろう。


3分程過ぎてから、乃湖は校門に着いた。
冷え切った手を摩りながら昇降口へ向かう。
校舎内に入り、階段を上る。
緑の大きなドアを開けると、中に入って行った。

想い寄せ

ピンポン球の『カツン、カツン』という音が鳴り止まない。


一気に、乃湖に人の目線が向く。
乃湖はそのまま奥へ入っていく。

―――1人の少年が、乃湖の元へ駆け寄る。
「おぅい、乃湖。」
背が乃湖より3センチ程高い黒髪の少年だ。
「おぅ。」
この少年は実は乃湖の想い寄せだ。
こうして話している時(あいだ)にも、乃湖の小さな胸は跳ね上がって仕方なかった。
「お前、今日他の女子きてねぇよ。」
「嘘??」
「嘘のこといわねぇよ。」
「あーあぁ。」
「んなことで落ち込んでたら、人が死んだらどういうリアクションするんだよ。」
「うるせぇなぁ。あんたはいっぱい友達がいるじゃんか。今!!ここに!!」
「あぁーはいはい。黙りなさい。」
「…へっ。」
「へってなんだよバカ。」
「バカじゃねーよ、アホです。」
「変わんねーし。」

こんな些細過ぎる会話さえ、少女の心を躍らせた。
どうすればいいのか分からないまま。 このまま時間が止まればいいと思ったまま。



少年と別れると、少女がその時を待っていたかのように乃湖の元へ来る。


「の~こちゃん♪」

スキップしたような軽やかな声。

「こんにちわ」
「一緒にラリーしよ??」
「はいっ。」

卓球台に向かい、小さなぼんやりとした光を放ったように見えるオレンジのピンポン球の手に取り、
少し上に投げてラケットで擦る。

『コン。』

低く、弧を描いてピンポン球は何度も何度も往復していく。

それは乃湖にはすこし眩しく、綺麗に見えた。
どっかの少女の初恋の心の様に。

帰り道

乃湖は自転車を漕いでいた。

ただただ同じ風景が続いているように見えた。
街灯の白く、ぼんやりとしている光と一斉に変わった赤信号の色が無数に輝いている。
でも、乃湖は夜空に浮かんでいる星の優しい輝きには叶わないと思った。

白い乃湖の肌は寒さに反応して、頬や鼻の先が赤く色づいている。

「寒っ。」

そう乃湖は呟いた。
すると…

「よぉ。」

アイツだった。
乃湖のトコロで自転車のスピードを緩め、こっちを見る。
また心臓が踊り始めた。

「お前さ。」
「…なんだよ。」
「寒くねぇの??そんな格好で。」
「まぁな。寒いといえば寒い。」

通ろうとした信号が赤に変わり、2人は止まる。

「おい。」
「なにさ。」
「これ。」

手渡されたのは、カイロだった。

「やる。」
「…どうも。」
「そんな寒そうな格好されてたら、俺も寒くなるし。」
「はぁ??アンタは暖かそうにマフラーと手袋してんじゃん。貸せや。」
「やだ。カイロやったし。」
「上から目線?!!」
「べーだ。」

そう言うと、ヤツは舌を出してくしゃっと笑った。

「…思った。」
「何??」
「このカイロどうやって持てばいい??」
「…ホントだ。」
「なんじゃそりゃwww」
「うるせぇな!!いいじゃねーか、やってやったんだから。」
「はいはい、感謝しますww」

会話の一言、一言の暖かさとカイロの人工的な暖かさが
ゆっくりと乃湖の心に入っていく。
大好キダ。
ヤッパリ貴方ガ
大好キダ。

離れたくないけれど。
そう想いながら、乃湖は
青信号になって自転車を漕いでいったヤツを少し見てから
勇気を出して言った。

「バイバイ。」

小さい声だったけれどアイツは

「ばいばい。」

と言ってくれた。

乃湖は少し微笑むと、アイツが行った方向とは別の方向に自転車を走らせた。

僕と君と想い寄せと空と

日常的だけど不思議な感じがする小説を
考えました。

気に入って頂ければ嬉しいです。


基本の設定は自分のいろんな環境を参考にしてます^^


琥都。

僕と君と想い寄せと空と

僕は恋をした。 空に 音に そして 君に。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-01-19

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. セピア色の髪の少女
  2. 想い寄せ
  3. 帰り道