斎藤さん

斎藤さん

生まれてこの方、パッとした人生を送っていない。特に人に迷惑をかけるようなこともなく、普通すぎるぐらいの人生を坦々と過ごしている。朝起きて、朝食とり、電車に揺られ、会社に着き、電車に乗り自宅に帰る。
僕はいつまで、こんな、ロボットみたいな生活なんだろぅ、嫌気がしたが、自分でこうしていることが、一番楽な、生き方と理解していた。だけど、月日を重ねる度に自分を変えたいと思う気持ちも強くなっていった。

2015年冬僕は人を殺した。

翌日のニュースでは、通り魔殺人の報道で溢れていた。ニュースを見る度、気持ちが高揚していることがわかった。

刑事さん

2015年12月24日都内某所にて、通り魔殺人事件が発生。被害者、30歳男性。斎藤佑樹。
「無差別殺人ってやつか、最近増えたよな。理由なき殺人」アカマルの煙を鼻と口から出しながら話す。通称アカマル。本名は佐久間武。
「ただ、この被害者なんですが、バックに包丁と覚せい剤を所持していたみたいですよ。まるで、今から人を殺しますよって感じの所持品ですね」軽いノリで話す。アカマルのパートナーの木村俊哉。通称、としちゃん何て呼ばれている。
「今時いるんかよ、そんな、ダークヒーローみたいな奴。しかもだぞ、犯罪する前に犯罪者を殺すなんて、出来る訳ないだろ。漫画じゃないんだぞ」アカマルの考え方が普通の考えだ。「ですよねぇ〜偶然でしょうね。」
「しっかし、防犯カメラの配置もよく理解してる。凶器も靴もどこでも手に入るような物ばかり、買ってから何年も保存し、使用する。計画的通り魔だな。」

斎藤さん

斎藤さん

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-27

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. 斎藤さん
  2. 刑事さん