『蝶』

 通りがかりの蝶が
 霧雨の中を
 くるくる 回りながら羽ばたいて

 露でいっぱいの
 私のビニル傘の上を
 かすめて 去って行きました

 アスファルトに染みていく雨
 ひびが入っているので 痛み入る

 彩り……
 花をつけた さるすべりの葉から一滴
 雨粒がこぼれる

 あの宝石のような 翠色の蝶
 天国の名残のような寂しさ

かつてCessnaという名前で投稿したものです。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-11

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