『海』

 すごく悲しいことが ある気がする
 だけど思い出せない

 すごく嬉しくて
 そんな時にだけ、ちょっとばかり思い出せる

 それは
 遠くから伝わる波のように
 遥か彼方から響いてくる

 たぶん、本当はずっと
 僕のそばにいるのだろう
 だけどすぐに、聞こえなくなってしまう

 僕は隣の人と手を繋いだ
 ぬくい手だった
 この温かさが
 また、あの波を呼ぶのだけれど……

かつてCessnaという名前で投稿したものです。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-11

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