少女
『少女』
長い廊下の、その果てに
彼女は何を見たのだろう
誰もいない教室の
静けさや
使われない部屋の
空白が
きっと彼女にそうさせた
校庭には人がいたという
少し階段を下りれば、職員室もあった
だけど彼女には誰もいなかった
彼女の世界には廊下と教室しかなくて
とても長い、彼女にだけわかる
莫大な時間が
目の前に横たわっていた
明日があるなんて言うのは
死ぬほど残酷なことだった
長い廊下の、その果てに
彼女は何を見た?
彼女は、その答えを拒絶したのだ
そうして屋上へと続く戸を開けた
残酷な刻をほんの少しだけでも
早めたくて
少女
かつてCessnaという名前で投稿したものです。