月の抜け殻

『月の抜け殻』

 ひんやりと丸い
 月がポロリと
 落ちてきた

 それでも夜は鳴り止まず
 街はいつまでも眠らない

 小さな月は手のひらの上
 身じろぎもせず

 酒場から歓びの声がする
 金貨のシャワーが鮮やかに
 空へと吹き上がる

 軽い月の亡骸を
 手のひらに

 旅人は静かに歩きだす
 今宵は一緒にいようと
 優しく月を撫でながら

月の抜け殻

かつてCessnaという名前で投稿したものです。

月の抜け殻

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-03-11

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