手紙

手紙

書いては消して

何個も何個も

机の上に一枚の便箋がある。
その横には消しゴムと鉛筆。
椅子には1人の少年が座っていて、頭を抱えている。
ふと、何かを思いついたかのような表情を浮かべ、鉛筆を手に取った。
不器用な文字が便箋を少しずつ埋めていく。

途中まできた。
そこでまた、鉛筆は止まる。
次に手が伸びたのは消しゴム。
1文字、また1文字と文字が消えていく。
消しカスが便箋を少しずつ埋めていく。

気がつくとそんなことを10回もやっていた。
便箋はところどころが黒ずんでいる。
少年は一つため息をついて、便箋をくしゃくしゃに丸めて投げた。
23個目の丸まった便箋が、ゴミ箱を少しずつ埋めていく。

手紙

消しては書いて

手紙

「なにを書けばいいんだろう…」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-02-27

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