自涜、

 

膝が震える。

終わらせなきゃ。終わらせなきゃ。

ペンを持つ指がどうしようもなく震えて。

少しずつ上ずっていくいつもの優しい声。

否。それは。

呂律が回らなくなった、獣の声色。

幼女は酷く怯える。その吐息に声に、垣間見える性欲の会話に。

幼女は小さな胸に想う。

私の入っていい場所じゃない。まだ揺蕩っていたかったの、潔白に。

幼女の小さな胸は無傷のまま、殺された気がした。

涙が出た。悔しくも悲しくも嬉しくも。違う。喜怒哀楽など何もない赤い目の水面。

いつも間に私はこんなに汚れてしまったの?
何故私は一人の人を愛すことができないの?

反。それは。

のめりこむな嫌われるぞ。
本気になるな遊びだぞ。
勘違いすなバカみたいだぞ。
浮つくな現実は違うぞ。

もう戻れないの。夢の国。シンデレラ。迎えは来なかったから。

冒された様な錯覚。優しく理解のある大人。

大人の世界。汚い。毛布を被る。そして捲れられる。早い。無理やり。

違うの。違うの。違うんだって。

判ってるのに。

自涜、

 

自涜、

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 成人向け
  • 強い性的表現
更新日
登録日
2012-04-30

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