足掻き

あしかき、です。
私は上手に泳げないのです。

さち

幸せである

幸せはなんて酷いのだろう
私は嫌いだ、大嫌いだ

お前なんて大嫌いだ

起こるはずもないこと


なにしろ私は意思が弱い
すぐ希望に満ち溢れてしまう
常日頃そうであればいいのに
肝心なところで私は上を向いてしまう
前ではなく上である、タチが悪い

ただ夜空を月を眺めているだけなのか

結局のところ放棄である、一時的な
しかしそこには希望がちらついているのである

美しく残酷な

鏡とレンズと。私と虚像と。


嘘。

それは私を覆っている
私を苦しめるものでもあり、私を創りあげているものでもある

素直に生きようって言っているじゃない
私は私を受け入れられない
いつも理想の自分を語ってしまう
現実は理想とは程遠い、ものである

ビニール


灰色に染まっている
白に見える、気がしてるだけ

きっと透明な、それは

白のような灰色から落ちてくる
それは、目に見えている

それは、きっと、偽物の透明

足掻き

足掻き

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-03

Copyrighted
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  1. さち
  2. 起こるはずもないこと
  3. 鏡とレンズと。私と虚像と。
  4. ビニール