cheerful person.6
テスト③
｢・・・・・・というわけで、今日だけでいいから、秋風を泊めてやってくれない？｣
両親に事情を話し、秋風の宿泊許可を取らせて貰う。まあ、結果は予想通りだが。
｢よし！！母さん、華ちゃんのために、今日の晩御飯がんばるからね！！｣
｢おい・・・士愉、タイミング見計らって薬局行ってこいよ。いいか、バレちゃだめだ、こっそりだぞ。｣
もう、ドンと来い状態であった。親父、アンタには絶対に秋風を近づかせねぇよ。
｢・・・まあ、よろしく。｣
｢あ、そうそう士愉。｣
俺が部屋に戻ろうとすると、母親に呼び止められた。なんだろうと思い、振り向くと
｢今、客間は物の巣窟になってるから。悪いけど、華ちゃんはアンタの部屋で寝かせて上げて。｣
・・・・へぁ？
｢ぶっははははｗｗｗｗｗ理性と本能の狭間で苦しめｗ我が息子よｗｗあひゃひゃひゃひゃひゃｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ｣
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｢悪いけど、こういう条件なんだ。｣
俺は部屋に戻り、許可が下りたことと、寝る場所は、この場所しかないことを秋風に伝える。
年頃の女の子に、これはキツイ条件だろうと思っていたのだが
｢いや、お世話になるのは私だし、むしろこんな図々しいお願いを聞いてくれただけでも、充分ありがたいよ。｣
やはりこの子、そこらの高校生よりも人間が出来てらっしゃる。
｢じゃあ、改めて・・・よろしくね、シユ君。｣
ニコッと笑って、そんなことを言ってきた。そして、今更ながら気付いた。俺、こんな可愛い女の子を泊めるんだということに。
｢ま、まあ・・・こちらこそな。｣
少しドギマギしながらも、彼女の言葉に返事をした。
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秋風と適当な話をしていると、いつの間に夕食の時間になっていた。
｢さ、遠慮せず食べてね！華ちゃん。｣
｢すいません、わざわざ・・・。｣
なんだか、夕食のメンバーが１人増えるだけで、なんだか新鮮だな～と考えていると、
｢さ、飲むぞー！！｣
１人、変わらない人がいた。いつも通り、ひゃひゃひゃーというその人柄を表すような妙な笑いを零していた。
｢お父さん、華ちゃんもいるんだから、大人しくするのよ。｣
｢ダイジョブ、ダイジョブ、大人しくちびちび酒飲んでるから。｣
ただでさえ大丈夫じゃない人に、アルコールまで入ると分かった時点でもう不安しかないが。
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｢何だよｗ士愉照れてんのかオマエｗｗｗあひゃひゃひゃひゃｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ｣
ほら、ヒッデーことになった。隣でご飯食べてる秋風なんかもう呆然としちゃってるよ。
｢に、賑やかな人だよね。シユ君のお父さんって。｣
ひと思いに騒がしいと言ってくれ。もしくは馬鹿か。
｢聞いてくれよｗｗ華ちゃんｗｗｗ士愉のやつがよｗｗｗｗ最近華ちゃんってかわいいなーしか言わないんだぜｗｗあひゃひゃひゃひゃｗｗｗｗｗ｣
言ってねーよ。これは秋風も対応に困るだろうと、隣を見てみると
｢へ！？え、ぁ・・・・その・・・・。｣
・・・・え？ちょっと秋風さん、ナニ本気にしてんの。何で顔真っ赤にしてんの。いや、かわいいけど。あ、言っちゃった。
｢秋風、嘘だ、嘘だからな。あのオッサンの。｣
｢え、あ！！そうだよね！！冗談だよね、アハハ・・・。｣
あのオッサン、客人にまで見境なしだな。まあ、そろそろこれも終わるだろう。
｢お父さん、華ちゃんも困ってるでしょ。｣
そう言って母さんは、人間の形をした台風（バカ親父）の腕を掴んだかと思うと、親父は空中で一回転して床に落ちて行った。
立川家にとっては常識だが、初見の秋風はさすがにびっくりしたらしい。
｢え！？？何アレ！！？｣
｢ウチの母さん、合気道５段なんだ。｣
そう、５段と言えば、達人中の達人が到達できる域である。あの父親がいて、この家が普通でいられるのは、あの母親のお陰なのだ。
｢さ、静かになったし、食べようぜ。｣
｢ウ、ウン・・・。｣
こうして、いつも通りやかましい父親を鎮めて、黙々と箸を進める３人であった。
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｢あ、そうだ。華ちゃん、お風呂入ってきたら？｣
食器の片付けを手伝っていると、シユ君のお母さんから嬉しい申し出があった。しかし
｢すいません・・・着替えがないんです。｣
そう言うと、あ、そっか・・・と言って何やら考えはじめるお母さん。そして
｢士愉に服貸して貰ったらどう？｣
と、サラッとすごいことを言ってきた。
｢いや、本人に悪いですよ・・・。｣
｢大丈夫、あの子ならなんだかんだ言って貸してくれるわよ。｣
さすが母親。言い切ってしまった。
｢じゃあ、その・・・本人さえ良ければ、お風呂、お借りします・・・。｣
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俺は、さすがに同級生の女の子と同じ部屋で寝るのはまずいと思い、自分の寝床探しをしている。
さっき、客間を試しに開けてみたら、すごい臭いがした。さすがに、１０年以上放置した部屋はヤバかった。
やはり廊下かなーと考えていると
｢あ、シユくーん。｣
秋風がやってきた。見た感じ、何か頼みごとだろうか。
｢あのさ、シユ君のお母さんにさ、お風呂に入っていいって言われたんだけど・・・｣
｢ウン、・・・ん？｣
そういえば、今日の秋風は簡単なものしか持っていないはずだが・・・あっ
｢もしかして、服貸せってこと？｣
｢そうそう。で、どうかな？｣
別に俺はどうってことないが・・・
｢秋風はいいのか？俺の服なんか着て。｣
｢？、私は別に大丈夫だよ。｣
どうやら、本気で大丈夫らしい。それならば、話は早い。
｢それじゃあ、適当な服貸してあげるから、今日はそれを着てて。｣
｢ウン！！ありがと、シユ君！！｣
とりあえず、服を取りに部屋へ戻る。結局良い寝床は見つからなかったが、まあその時はその時でなんとかしよう。
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とりあえず、自分の部屋に戻ることにした。
しばらくは、なにをするでなくボーっとしていたが、ふと、ある疑問が浮かんできた。
｢秋風・・・下着どうするんだろう・・・？｣
と、いうことである。別にやましい気持ちがあるわけではない。いや、あるかもしれないが、やっぱり普通に気になる。
付けるのかな？洗濯するのかな？元の服と一緒に保管かな？あ、ハエだ。どうするんだろう？
なんか不純のような当然の疑問のような考えを頭で巡らせていると、秋風がやってきた。
｢おう、秋風、上がったの・・・・か・・・？｣
おかしい、俺が渡した服は上下一式の筈なのに、どうして秋風は上着だけワンピースみたいに着ているのだろう？
｢あの・・・秋風さん・・・下は？｣
｢穿こうと思ったけど、すぐに落ちて来ちゃうから。｣
はあ、と適当に言葉を返したとき、さっきまで考えていたことを思い出してしまった。
さすがに｢下着付けてる？｣なんて真正面から言う度胸はないので、本人には聞かないが、上着から見える綺麗な脚を見ていると、
なんだか変な気分になってしまう。
｢じ、じゃあ俺も、風呂入ってくるな！！｣
ここは、戦略的撤退を実行することにした。
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シユ君が、お風呂に入るため部屋から出ていく。
私は今、シユ君に貸してもらった服を着ている。着るものを提供してくれたのは、とてもありがたかった。しかし
｢やっぱりこれ・・・恥ずかしいよ・・・。｣
それもその筈。今着ているのは、男性用の、私には大きめのＴシャツのみなのだ。
元々着ていた服や下着は、シユ君のお母さんが｢男たちの目につかないように洗濯して乾かしておくから。｣らしい。
しかし、シユ君が貸してくれたズボンは、サイズが合わなすぎて穿けなかった。そうしたら、ある問題点が浮上してしまった。
｢こんなの・・・下から見たら丸見えじゃんか。｣
こんな状態では、今晩お世話になるシユ君とまともに会話できるかどうかも怪しい。
しかも、部屋は同じなのだ。なにかしらの事故が起きないとも限らない。
｢うぅ・・。どうしよう・・・？｣
時刻はまだ、午後８時になったところ。弟が家に来るまで、まだまだ時間がある。
シユ君がお風呂から戻ってくるまでに、何とかして気を紛らわそうとがんばる私だった。
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最近、セッション数が増えて来ました。
ありがとうございます。
