*星空文庫

あなたの夢は何ですか~What you want? What can you do?~

Kobe Mika 作

あなたの夢は何ですか~What you want? What can you do?~
  1. 高美のキャリアビジョン~飽き性な人は…?~
  2. あなたの望みは何ですか~What you want?~
  3. 自分の功績で名を馳せるには~幼少期の体験より~
  4. 結婚してから「出口のない暗いトンネル」に
  5. 高美は夫を離婚するまで利用していたのではない
  6. 高美の性格~飽き性で努力家、寂しがり屋で冷たい!?~
  7. 夫の性格~優しいがすぐキレる、典型的なモラルハラスメント男~
  8. 高美が離婚を決意した決定的な理由~夫婦不仲の子どもへの影響~
  9. キレる元夫

高美のキャリアビジョン~飽き性な人は…?~

 高美は、飽きっぽい性格である。

 なぜ、こんなに飽きっぽいのだろう、と高美は自分で自分が嫌になることがある。

 高校を卒業し、就職した会社も3年で辞めてしまう。

 それからは、自分のことを理解していたため、契約期間がある派遣の仕事をしていた。

 人が好きなためか、やはり人と深く関わることができる正社員の仕事に戻った。

 しかし、その頃付き合っていた彼との子どもを身籠ったことが発覚し、結婚に至る。

 飽きっぽいのは仕事だけではない。

 当然、彼は高美のことを愛していたため、妊娠発覚後、彼は高美に結婚を申し込んできてくれた。

 だが、彼への愛情なんてとっくに冷めていたのである。

 彼への“情”と彼の“地位”と彼とのセックスの相性だけで付き合っていたのだ。

 自分の将来像を考えるとき、まずは自分の性格がどんな性格であるかを認識することが大切である。

 例えば、高美の性格は、ある程度の自由を求め、飽きっぽい性格、そして、寂しがり屋、という非常に厄介な性格である。

 なので、仕事については、正社員ではない、経営者や雇用期間契約のある仕事が向いているといえる。

 正社員であっても、部署異動やキャリアアップができるような、ある程度の規模の大きさを持つ会社に勤める。

 もしくは、副業で遣り甲斐を見出すか趣味での刺激を求める…等々。

 私的な生活については、ある程度の自由を求めるため、亭主関白な人を夫にすることは避けるべきである。

 余談になるかもしれないが、彼の父親が亭主関白な場合、その彼も亭主関白になる可能性が高い。

 亭主関白な夫は自分には向けていないと感じる女性は、結婚前には、この辺りのチェックを見逃してはならないであろう。

あなたの望みは何ですか~What you want?~

 あなたの望みは何ですか。

 高美の望みは何だろうか。

 自分の望みを考えるとき、希望職種や希望業種などのように小さい枠組みで考えず、もう少し大きな枠組みで捉えた方が良い。

 そうでなければ、必ず矛盾やブレが生じる。

 自分の考え方や生き方に一貫性を持たせるということは理想である。

 しかし、そうは簡単にいかないのが、“人の人生”なのである。

 高美の望みは、

 1、自分の功績で名を馳せたい。

 2、何らかの形で人とリアルに関わっていたい(ネットでの人との関わりでなく)。

 3、自分の子どもを一人前にする(大人になっても精神的な力になり続けたい)。

 ざっと言うとこんな感じであろうか。

 この上記の自分の望みを理解していれば、自ずと10年先、5年先の自分や、日常での優先順位が把握できるであろう。

 では、これらの望みを叶えるために何をしていけば良いのか、ということである。

 それを考える上で大切なことは、自分の性格や能力に合う方法を見つける、とうことである。

自分の功績で名を馳せるには~幼少期の体験より~

 高美の望みの一つ目は、“自分の功績で名を馳せる”ことである。

 自分の望みを叶えるために大切なことは、自分の性格や能力に合った方法を選ぶことである。

 高美が自分の功績で名を馳せるには、何をすれば良いのか。

 自分が得意とすることや自分がやりたいことを考える。

 自分が得意とすることを考えるには、自分の経験上の成功体験を年齢問わず振り返ることである。

 幼少期、高美は、病弱のため家にいることが多かった。

 母親は、家で高美が楽しめるように色々工夫をしてくれた。

 当時のアイドルであったキャンディーズやピンクレディのほとんどのシングルを買ってくれた。

 仮面ライダーやウルトラマンなどのヒーローもののフィギュアも相当の数があった。

 テレビが好きな家族であったため、PGM代わりにテレビを常につけている家庭で、そのため、エンターテイメントにはとても興味をそそられた。

 昭和の古き良き時代のエンターテイメントである。

 学習に必要な学研の月刊誌も取ってくれていた。

 あまり裕福な家ではなかったが、精一杯勉強に不自由のないような環境も整えてくれていた。

 今思えば、本当に高美は母親に感謝しなければならない。

 外であまり遊べないため、家で暇にならないようにと、母親は常にそばで話を聴いてくれたりしてくれた。

 鉛筆や色ペンで、暇さえあれば絵を真似て書いたり、字の練習をしたりしていた。

 後になって母親から聞いた話であるが、常にペンと紙を側に置いてやることを欠かさなかったということである。

 暇そうにしていると、「何か買いてみ」と言われ、上手に書けると、「すごいなぁ」と褒められたことは、今でも記憶に残っている。

 この幼少期の体験や成功は、今になっても将来的な目標の原動力となり、欲求となっている。

 “自分の功績で名を馳せたい”という欲求は、幼少期の体験によるものである、と実感できる。

 そして、そのためにはどうすれば良いのか。

 ペンと紙を使って(書物)で名を馳せることが、高美には合っているのではないか、と考えることができるのである。

結婚してから「出口のない暗いトンネル」に

 結婚してから、高美は一言で言えば「出口のない暗いトンネルの中」に入ってしまった感覚であった。

 価値観の違う人との結婚はしない方がいいのは分かっていた。

 付き合ってきときは、別れを何度意識したかわからない。

 そんな高美を結婚へと導いたのは、長男を身籠もったことである。

 「あの…、妊娠しだけど、どうしよう」

 「おめでとう。結婚しよう」

 彼は、手を握って喜んでくれたのだ。

 実はその前日も彼とは大喧嘩をしていたため、もしかしたらシングルマザーにならなければならないかもしれない、という覚悟はできていた。

 高美は自分の母親にも相談し、結婚はしない方がいいのでは?というアドバイスも受けていたほどである。

 というのは、彼はこんな性格である。

 喧嘩の理由を一例に挙げてみる。

 その結婚のプロポーズ前日の喧嘩の理由は、高美の買い物に文句をつけてきたことである。

 「そんな高い洋服を買うの?」

 「まぁ、1万円くらいするけど、前から欲しくてやっとお給料入ったから買おうと思ったんやけど」

 「そんなんにお金使わなかったら俺と会ってるとき、もっと金出せるやろ」

 「………」

 「………」

 「もう帰る?」

 「何で?」

 「いやぁ、私、なかなか買うもの決められないときあるし、自分でじっくり見て買いたいし、引っ張り回したらまたキレて怒るやん」

 「そしたら、早く決めればいいやん。それに買い物は今日でないとあかんの?」

 「今日しなかったら、買いたいものがなくなる可能性があるし、ゆっくり休みの日に見たいから」

 「俺と一緒にいたくないの?」

 「今日は買い物がしたいから」

 「なら最初から言っとけよ!」

 「さっきから今日は買い物したいって言っているやん」

 「だから、買い物に付き合うから早く決めろって言っているやん」

 「いや、今日は一人で見るわ」

 「何でやねん!いい加減にしろ!」

 と、こんな具合でいつも喧嘩になるのだ。

 その日は日曜日であり、その前の日の土曜日はラブホテルにお泊まりした。

 土曜日はお昼から会っているし、もう十分二人の時間は過ごしたと高美は判断している。

 それに、まだ結婚もしないうちから、高美は自分のお給料の使い道を彼に決められたくないという思いがあった。

 いつも買い物でなかなか決められない高美にキレて怒るし、ならせっかくの日曜日だから、お互いの時間を大切にして別々に過ごせばいいのでは?というのが高美の考え方である。

 しかし、彼にこの理屈は通じないのである。

 付き合って三ヶ月もしないうちから、こんなような理由の喧嘩が絶えずあり、高美はほとほと疲れていた。

 高美の母親も、こんなくだらないことを理由に真夜中に電話していたり、高美が彼に別れたいと言うと家の前まで押しかけてきて怒鳴り散らしたりする彼を見て、「あんたには合わないわ」と溜息を漏らしていたのだ。

 彼と高美は、根本的な考え方も違う。

 彼は、奥さんになるべき人は働くべからず、という考え方である。働くのは自由であるが、家事が疎かにならない程度なら許可する、という考え方である。

 そして、家事は女性がしつつも、二人のお給料は、同じ割合で家計に入れる、という男性優位の考え方である。

 働き頭は家事を一切しなくて当たり前という考え方ではなく(これでも首を傾げる考え方であるが)、よくよく話を聞くと、女性が家事をすべきであり、男性は働くべきであり、特別な事情がない限り、これ以外の考え方はおかしい、という考え方であったのだ。

 高美は、まさに現代女性の象徴である、女性は社会に進出していくべき、という考え方であり、家事と仕事の夫婦での割合は、完全分担制であるという考え方である。

 例えば、妻も働いて給料の一部を家計に入れるということであれば、夫もその分の家事を負担するべきである、という思いがある。

 妻が家事をこなしながら仕事をするのであれば、妻は給料をどう使おうが自由であると思っている。

 夫の稼ぎが多ければ、それに見合うお小遣いを夫は取るべきだとも考えているし、夫が多くの金額を家計に入れるのであれば、それに見合う家事も必要だと考えている。

 どちらが正しいのかは分からない。

 ただ言えることは、家事分担がどうのこうのという問題だけではなく、根本的に彼と高美は、結婚に対する考え方や男女のあるべき姿のイメージ像が違い、二人の結婚には無理があったということである。

 そして、高美はそれにプロポーズ前日に、明らかに分かっていて、プロポーズを承諾したところに問題があった、ということである。

 しかし、その問題にも、高美は気付いていながら、結婚するしかなかったし、結婚はして良かったと思っている。

 なぜなら、あの時、高美には子どもを堕ろすことなんて全く頭になかったし、シングルマザーでは、子どもと過ごす十分な時間の確保ができない。

 それに、最近シングルマザーデビューを果たしたが、今ほどの裕福な生活は期待できないとも思うからである。

 

高美は夫を離婚するまで利用していたのではない

 高美は長男の妊娠を機に結婚したが、決して夫を利用しようとしたわけではない。

 たまに、知り合いに高美が結婚へのなりそめを正直に話すと、中には

「結局のところ、旦那さんを利用するために結婚したの?」

と問われ、そんな風に感じる人もいるんだな、と高美は驚くことがある。

 でも、違うのだ。

 これは、きちんと言葉で説明しておかなければならない。

 高美はまず、長男の妊娠を知り、夫に伝えプローポーズされて以来、第一に考えるのは子どものことであった。

 子どものために、高美自身がどのように行動していけば良いか、ということである。

 高美は、付き合って三ヶ月でこの人とは合わないと感じており、プロポーズ前夜には結婚しても成功しないだろうと確信していた。

 でも、夫が結婚するなら高美しかいないと考えていることは分かっていたし、そこまで愛されるなら、もしかするとうまくいくかもしれないという思いもあったのである。

 それに、夫婦での家事と仕事の割合の問題や男性のモラルハラスメント的な問題はよくあることだと思っていた。

 結婚して子どもが産まれると、お互いに嫌でも歩み寄るようになるだろうという、生易しい考え方をしていた。

 まず、長男のことを考え、結婚し私はこの子を育てなければならない、という思いに駆られたのである。

 これは、女のサガであるとしか言いようがない。

 少なくとも女性であれば理解できると思われる。

 保育園に入園させるにしても、生後六ヶ月は一緒に過ごしてあげなければならないし、高美は一才になるまでは、そばについていたいと考えていた。

 夫と結婚して夫婦仲が円満にいけば、子どもは幼稚園に通わせるのが高美の理想であった。

 子どもが幼稚園に入園するくらいまでは、母子ともに過ごすことが子どもの心身健康のために相応しいことだと考えていた。

 その時代はまだまだ、結婚したり妊娠したりすれば仕事を辞める女性が多く、高美自体もおそらく古い考え方であったのであろう。

 結婚前に妊娠してしまい、それを女性だけが責任を取るというのは、不公平な話であるし、子どものことを考えた場合、両親が力を合わせて子育てするに越したことはない。

 高美はそのような考えから、やれるところまでこの人とともに頑張ってみよう、ダメならきちんと心とお金の準備をして別れようと心に決め、彼を夫にしたのである。

 これを心にした日から、今までに高美は自分の行動を後悔したことはない。

 強いて挙げる後悔と言えば、結婚前に妊娠してしまったことである。

 しかし、今の夫でなければこの子たちが生まれなかったのだ、と思うと何も後悔することはなく、未来への希望へと自身の焦点は向くのである。


 

高美の性格~飽き性で努力家、寂しがり屋で冷たい!?~

 高美の性格は、一言で悪く言うと、飽き性で見栄っ張りである。良く言えば、チャレンジ精神があり負けず嫌いの努力家である。

 昔から友達は多く、浅く広くの付き合いをする傾向にあるが、寂しがり屋でこの人と決めた人には自己開示をするため、深い付き合いをする友人も数人いる。

 しかし、あまりに心にズカズカと土足で上がり込んでくる人を好まないため、深い友人との付き合いにも限りがある。

 他の人の深い友人付き合いを聞いたりし、その密着した付き合いに自分とはギャップを感じてしまうことが度々ある。

 しかし、その深い密着した付き合いを羨ましく思う反面、自分には到底それを真似はできないと理解している。

 ウザったくなるのである。

 小中学校では、親友に裏切られたり、4人グループからはみ出しにされたりしたこともあるが、その頃には、その耐性がある程度備わっており、それほどまでのダメージがなく事なきを得た。

 広い友達付き合いがあったため、一部の友達と疎遠になっても、いくらでも他の友達がいたのである。

 高美のそんなこんなも、母親の教育が影響している。

 高美の母親は、神経質であまり融通が利かないため、仕事と家事をほぼ完ぺきに熟したいと思っていた。

 高美が話を聴いて欲しいと思っていても、高美の母親は自分が聴く気にならなければ、高美のことをおかまいなしに邪魔者扱いにしてきたし、かといって、自分に時間の余裕があれば、とことん高美の悩み事の相談に乗ってくれるときもあった。

 高美が自分の思い通りにならなければ、おばに高美の悪口を言っていたり、かといって、高美の優秀なところは誉めまくってくれたり、明らかに感情優先の母親であった。

 高美は若い頃は、そんな母親を嫌いなこともあったが、大人になるにつれ、“人間”そのものを理解するようになり、母親の感情も理解できるようになった。

 そのため、高美には友人に裏切られたりしても、陰で悪口を言われても、一時的には深く悩んだりすることもあるが、よくあることだと思えたり、相手の立場になったりして、それを割り切って考えていけるような耐性が自然と身についていたのだ。

 言葉を言い換えると、あっさりしている性格、さらに言葉を換えると、冷たい性格でもある。

 もちろん、高美の母親が高美にしてきたことは、高美も母親にもそうしてしまうし、意識的にそのようにしていこうと思っていたりもする。

 それが、一見、世間的に冷たい性格だと思われても、高美は何の罪悪感もないのだ。

 なぜなら、それが高美の母親の教えであるのだから。

夫の性格~優しいがすぐキレる、典型的なモラルハラスメント男~

 高美の夫の性格は、普段は優しいがキレると手のつけようがなくなる。

 完全に今で言う“肉食系”の男性であり、少々性癖がある。

 どんな性癖かは、この小説の質を悪化させてしまうので伏せておくことにする。

 外面が良く、仕事に対しての向上心もある。

 その仕事に対しての向上心も、自分の専門的な技能を高めるというより、会社での役職の昇格を目指すような向上心であり、考え方が昔の“THE JAPAN”である。

 なかなか女性を心底愛さないが、一度愛すと見境がつかないほどになってしまう。

 高美は、夫がストーカーの気質があると、今でも思っている。

 一度、キレると手のつけようがなくなるといったことからも、高美は夫に対して、感情のコントロールができない人なのだ、と理解するようになっていた。

 女性は結婚したら働くことより家事・育児をしなければならない、男性は女性が働けない分、稼がないといけない、という“THE SHOWA”の考え方をしている。

 よく言えば、“頼れる男性”と言いたいところであるが、すぐにキレる気の小さいところがある点、付き合っている女性にも飲食代等を対等に出させる点などがあり、“女々しい男性”と言った方が適しているであろう。

 どうしても、今で言う“モラル・ハラスメント男”、いわゆる“男尊女卑”と言わざるを得ない性格をしているのである。

 しかし、高美は離婚までの20年間、夫の良い部分を見ようと努力はしてきたのである。

 高美は夫のことを、優しさがあり、きちんと仕事をする人である、という部分は人にも誉めて言うことが多かったのである。

 一見、高美は気の強い性格に見え、夫は気優しい性格に見える。

 その点も、高美の夫は典型的な“モラハラ男”の性質を持っている、と言えるところである。

高美が離婚を決意した決定的な理由~夫婦不仲の子どもへの影響~

 高美は結婚をしてからも、決して離婚だけを目標に努力してきたわけではない。

 この夫と一生をともにすることももちろん視野に入れていたのである。

 しかし、結婚前から喧嘩を繰り返し、キレて暴力を振るう人であることは分かっていたのだから、結婚してから上手くいくはずもないのである。

 高美は、結婚生活がダメになったらダメになったで仕方がないことだと割り切っていたし、いつでも離婚できるように準備だけはしておかなければならないと思いながら結婚生活を送っていた。

 だからと言って、全く暗い結婚生活であるかと言えば、そうではない。

 高美は子どものために、暗い家庭にならないよう努力してきた。

 高美が育った家庭は、決して裕福ではなかったが、笑いのある明るい家庭であった。

 結婚の申込みをするために、初めて高美の家族を見た夫は、

「笑いのある家族…。すごい…!!」

と心から驚いていたのである。

 そんな自分が育った家族をモデルとしていたため、結婚してからも、高美は笑うことを忘れずに生活していた。

 しかし、そんな高美が家庭生活の中でどんどん笑いを失っていく状況になっていったのだ。

 それは、長男の家庭内での暴行である。

 長男は高校2年生になったころから、自分の思い通りにならないことがあると、キレることが目立つようになった。

 それまでは、大人しくいじられキャラであり、親の言うこともよく聞いていた。

 高校2年生から長男は外泊を繰り返すようになり、挙句の果ては家にも連絡せず2泊して何事もなかったかのように帰宅する、ということがあった。

 高美がそのことを叱ると、キレて怒るようにもなり、自宅で暴れ、ものを蹴ったり投げ飛ばしたりすることも多くなった。

 どんどん長男の自宅での暴行がエスカレートする状況となっていった。

 その長男の暴行姿は、夫がキレたときの姿に瓜二つであった。

 唯一の夫と長男の違いと言えば、高美に暴力を振るうか振るわないかの違いである。

 しかし、長男もほんの数回、母親である高美に手を出したことがあったのだ。

 長男は長男で苦しんでいた時期でもあった。

 来年は大学受験であるどいう時期に、このままでは3年生になれない、と担任の先生から通達を受けるほど、成績が思わしくなかったのだ。

 それに家では、夫婦は半別居状態。

 高美は、子どもの成長につれ、自立を本格的に目指すようになっていたのと同時に、次男が入っていた野球チームでの親の揉め事がすごい時期でもあり、ほとほと疲れていた。

 次男は長男と違い、色々なところで友達と問題を起こすタイプであったので、そのことでも精神的に参っていた状態でもあった。

 それに加え、夫の暴力・暴言はエスカレートしていた。

 結婚5年目から無理矢理、夫の家族と同居させられ、同居1年後に姑が他界したため、舅と義弟の晩御飯も高美が作らなければならなくなった。

 元々、晩御飯に口うるさい夫が、晩御飯のことで口論にまで発展して高美に暴力を振るうようにもなっていた。

 それに加え、舅までもが高美に晩御飯のことで暴言を吐くようになっていた。

 高美は、そんな状況を長男に愚痴るようななってしまっていた。

 こんな状況であるから、長男にとっては受験のストレスに加え、家庭環境によるストレスもかなりあったものと思われる。

 この頃、長男はよく、夢でうなされていた。

 高美が長男にどんな夢を見ていたのかを聞くと、長男は

「お母さんを殺す夢」

と言ったときがあったのた。

 高美はすぐさま、インターネットの夢占いを検索した。

 続く 

キレる元夫

 パワーハラスメントをする男性に問題があるのは確かであるが、される側にも問題があるとはよく言われることである。

 高美の性格が完璧な訳では勿論ないし、高美も突っ込みどころの多い性格ではある。

 しかし、キレて高美を投げ飛ばしたり、押し倒したり、「死ね、殺すぞ」等という暴言を吐くのでは別次元の問題である。

 高美は、元夫に結婚前から異常さを感じてはいたが、自分にも悪いところがあるから仕方がないと思っていた。

 しかし、とある占星術の先生に、子どもも夫と同じように私に暴言や脅し的行為をするようになったことを伝えると、今すぐに家を出るように言われたのである。

 そのままでは誰も幸せにならない。あなたが不幸を感じていれば、お子さんはもっと不幸を感じるようになる。

 お子さんは誰も信じられない人間になってしまう、と…。

 それは、前々から自分で気づいていたことであった。

 しかし、また元夫と終わりのない理不尽な話し合いを重ねなければならない、等と感じると、自分の元夫に対する気づきをごまかし生活していたのである。

『あなたの夢は何ですか~What you want? What can you do?~』

『あなたの夢は何ですか~What you want? What can you do?~』 Kobe Mika 作

女性のためのキャリア教育本。ある女性をモデルにした小説から、女性の生涯キャリについて学びます。 思いついたストーリーから章ごとに更新中です。

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2015-12-28
Copyrighted

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。