振り向くな

噂話のおはなしです。ついでに、主人公は中3です。

日本にある、とある町の噂話。
そういうものに敏感な人はすぐに喰いつくが、結局いつかは忘れてしまうような、そんな噂。
僕は、それを学校で友達から聞かされた。
「知ってるか?最近、アレが出るんだとよ。」
唐突にそんなことを言ってきた。
「なんだよ。アレって・・・。」
「幽霊だよ。ゆ・う・れ・い。」
わざわざ一文字ずつ強調されて言われても、僕はハァ、と曖昧な返事しかできなかった。
「なんだよ。ノリわりーなー。」
「お前な、そんなの下手な怪談でももう言わないよ。」
呆れたように言ったが、こいつはまだ話し足りないらしい。
「いや、それが結構こわいんだって。なんでもさ、いじめにあって自殺した中学生の霊がさ、見つけた人を片っ端から自分と同じ末路を辿らせるんだと。」
この噂が流れてから、その生徒が自殺したっていう廃ビルで自殺が増えてるんだぜー、と自慢げに言っているのを横目で見ながら
「まあ、なんでもいいけどさ。オマエ、今日は部活で顧問来るんじゃなかったっけ?」
こう言ってやると、ヤッベ、と言って教室から出ていった。
僕は部活に入っていないので、すぐに家に帰ることにした。


「廃ビルねぇ・・・」
時刻は17:00。町は夕日で色づいているなか、僕は話にでてきた廃ビルを見上げていた。
この廃ビルは、話の通り、最近になって自殺する人が増えている。ニュースでも何回か報道された。
そんな問題のビルを見上げていると、おかしなものを見た。
「ん?」
いま、窓ガラスから何か見えた。ここからビルまでは20メートル程離れているので、くわしくは分からなかったが、何故だかそれが人に見えてしまった。
「・・・まさかな。」
自分で否定しながらも、興味は少しでてきてしまった。
「少しだけ・・・少しだけ見てくるだけだから。」
そう自分に言い聞かせて、ビルのほうへ向かっていく。
何故このとき気づ付かなかったのだろう。
こちらから見えたということは、向こうからも見えるということに。








    ミィ~ツケタ。






ビルに入る。
「うわ・・・汚なっ。」
もうずっと放置されているからだろう。中に入った途端、よくわからない臭いがした。
こんな所に人なんか来るのか?という疑問が浮かんできたが、それでも進むことにした。
外はまだ夕方のはずだが、ビルの中はここだけが隔離されたように暗かった。
一階には・・・誰もいない。まあ、3,4階のところでその人影らしきものが見えたんだから、ここにはいないだろうと思っていたが。
二階に続く階段をのぼり、先へ進むことにした。


二階に上がると、臭いが少しきつくなったように感じた。
その臭いに思わず顔をしかめた。そして薄くなった目で前を見ると

ナニカが立って、笑っていた。

「っっっっっっっっっ!!!!???」
声をあげようと思ったが、驚きで声がでなくなってしまったらしい。ならば今すぐ逃げようと思った。だが、
「?」
何もいなかった。ただ空間が広がっているだけで、何も、誰もいなかった。
「・・・気のせいだったのかな?」
幽霊はいつでも消えたり現れたりできると聞いたことがあるが、さっき僕は臭いで目を細めてしまった。
きちんと見ていないのであれば、充分気のせいという可能性もある。
「あー。びっくりした。」
そう言って二階を探索する。特になにも収獲はなかった。
引き続き、三階へあがろうとした。そして、

「ドコへイクノ?」

今度は、明確に、確実に伝わった。
自分と同じくらいの年齢の女子くらいの高い声。しかし、絶対にヤバいと断言できるような声だった。
・・・振り向くな。
・・・振り向くな!
・・・振り向くな!!
・・・振り向くな!!!
・・・振り向くな!!!!
しかし、体は自然とそれの向きに向いてしまった。
頭の半分が腐り落ちた、血と肉まみれのセーラー服を着た少女をはっきりと見た。

「うああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

走る。遠くへ逃げようと走る。三階にのぼり、四階を通りすぎ、五階も通り抜けた。
そして、屋上へ来た。否、来てしまった。
屋上からやることなんて、決まっている。
あいつは・・・僕を落とす気だ。
そんなのは嫌だ。まだ死にたくない。
死にたくない!!死にたくない!!!死にたくない!!!!死にたくな・・・
その夜、件(くだん)の廃ビルで自殺者がでたらしい。年は15歳くらいで、死亡推定時刻は17:30程度だったという。

振り向くな

途中で眠くなって、変な終わりになってしまいました(笑)

振り向くな

  • 小説
  • 掌編
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-12-19

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