世界の中心

世界の中心はどこであろうか


自分が世界の中心であることは知っていた。

人は私を基盤として動き、常に私を気にしている。


私の事を世界の中心だと思わない輩も少なからずいる。
そうゆう連中はいつも、いつの時代も身を滅ぼしてきた。


しかし私を大切にし気にかけてくれた連中の大半は立派な人間だった。

私をガラクタ扱いする者もいれば幾ら大金を積んでも買うことのできないもの、と考える者もいた。


だが「私」はいつだってそんな連中の事情に関係なく等しく分配されてきた。

どんなに私を必要としても、どんなに私をないがしろにしても、私は誰か1人を贔屓し偏ることは絶対にしなかった。



もしこの世界に真の支配者なんて者が現れるとすれば、そいつは私を手なづけた者だろう。


しかしここで断言できる。"未来永劫"私を手なづける者は現れない。


私は不公平が嫌いだからだ。
そして私が世界の中心であると自負しているからだ。

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明日も僕は時計を見る。

世界の中心

世界の中心

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-11-04

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