ワールドシート

世界線を移動する前の、世界面

日本という、天皇と呼ばれる家系が治めていた国家の時代に、私はとてつもない興味に惹かれる。動乱の江戸でも、近代革命の大日本帝国でもなく、「日本」に。政治は主に外交に囚われ、外見をはじめ異国人との劣等感と必死に戦う姿が生み出した何の独創性もない曖昧な文化に。そう、すべてが曖昧なのだ。「日本」という曖昧な時代に生れ堕ち、曖昧な人生を送り、曖昧な物を食べ、曖昧に人と繋がり、これといって何も残さず曖昧に死んでゆく。宗教、娯楽、学問、労働、恋愛、大雑把に例を挙げるとするが、全てに曖昧な自由が複雑に絡んでいる事すら「日本人」は知ることもなく。
意味はあったのだろうか。