待ち合わせ

待ち合わせ


空が崩れてく
空が
君の目に色を落としてく
君が崩れてく
君が
空に君を落としてく
待ちぼうけをくらった僕は
夕日に溶け出し始めた
どんなに待っても君が来ないから
僕は闇の中に呑まれてしまった。


君の好きだった赤色が、今日も僕の頭上に広がっている。
そしてあの日と何も変わらずに、薄い雲が流れていく。

君の存在は、薄れるどころか、色鉛筆を重ねたみたいに濃くなって、
僕の脳と心臓を染め上げる。

僕の体の中いっぱいに君の色が溢れる前に、どうか忘れられますように。

君との思い出と、この気持ちを、全部忘れられますように。

待ち合わせ

待ち合わせ

同じ空を見ていた僕と君。 それなのに、君が勝手にどこかへ行ってしまったから、 僕は君に囚われたまま、前にも後ろにも進めなくなってしまった。

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-10-23

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted