壊せないもの
リクエスト*逆巻スバル夢
裏につきご注意ください
1
『す、スバルくん…っ』
「…ん、…っ甘…」
『痛い…ッ』
イライラしたスバルに声をかければ、部屋に連れ込まれやや強引に血を吸われた。
少しの恐怖と痛みでゆめが涙を流すと、スバルはハッとして牙を引き抜く。
「…悪りぃ」
『ううん、びっくりしただけ……スバルくんに吸われるのは嫌じゃないから、謝らないで?』
ゆめが優しくスバルの頭を撫でると、スバルは少し頬を赤くし、それを隠すようにゆめの胸に顔を埋めた。
彼は何かと暴力的で、すぐに物に当たりストレスを発散する。
ただ、人に手を出すことは決してない。
本当はとても優しい人なんだということを、ゆめは知っていた。
「…なんでお前は怖がらねぇんだよ」
『何で、って…そりゃ怒ると怖いけど、スバルくん本当は優しいし、それに…ッひゃ!?』
子供をあやすように頭を撫でていると、急に胸を少し乱暴に掴まれる。
服の上からではなく、直に。
『ど、どうしたの…?』
「…ゆめ」
『ん…何?』
「俺に吸われて興奮してたのか?…硬くなってる」
『Σっきゃ』
大人しくなったかと思ったのが間違いだった。
スバルは胸の先をきつく摘み、ニヤリと口角を上げる。
『す、スバルくん…?』
「あ?んだよ、みなまで言わせる気か?
…お前の血吸って興奮してんだよ、責任とれ」
『そんな強引…ッ!?』
言うが早いか、スバルはするりと太腿に指を這わせいやらしく撫でさする。
「強引なのも嫌いじゃねえだろ?何も痛くしようってわけじゃねえんだ。
ちょっとは大人しくしてろ」
『う、ん…っ』
「…やっぱりゆめも興奮してたんじゃねえか」
濡れた下着の隙間から指が敏感なところを撫で、ゆめは身体を強張らせた。
血を吸われると、いつもこうなってしまう。
彼が興奮しているのを感じると、自分も同じようになってしまう。
それを再度自覚し、ゆめは手で顔を覆った。
「何で隠してんだよ…みせろ」
『やだ…恥ずかしい』
「俺が見せろって言ってんだ。…それともゆめは、俺に痛くされてえのか?」
『い、痛いのはやだ…』
言われるままに顔を隠していた手を外すと、スバルは嬉しそうに笑い唇を寄せた。
『ん…っ、…んんッ…!』
「っ、ふは、唇から吸うのも、悪くねぇだろ?」
『ふ、ぅ…っ』
何度も何度も、角度を変え深さを変え唇を重ねていると、だんだんと抵抗心は溶けて行った。
それどころか、唇から血を吸われるという普段は感じ得ない感覚に、ゆめもひどく興奮していく
「…すっげ、どんどん溢れて来てる」
『だ、って…スバルくんが、欲しくなって…』
「ははっ、今日はやけに素直だな。…そんなに俺が欲しいのか?」
『うん…』
小さく頷くと、スバルは弄っていた指を愉しそうに舐め、
指の代わりに自身をあてがった。
「そんなに欲しいならくれてやる…その代わり、ちゃんと受け止めろよ?」
『ひ、あぁ…っ』
「ン…っ、なんだ、嬉しそうだな」
『うれしい、よ…?スバルくんの事、好きだもん』
「ッ…そう言うこと軽々しく言うな」
ゆめが本心を口にすると、照れた様子のスバルがふいっと顔をそらす。
そしてゆっくりと、動き始めた。
『ぁ…っ、ふ、ぅ…っん』
「エロい声出してんじゃねぇよ…淫乱」
『だっ、て…きもち、いのっ』
「そうかよ…ッ、あんま、締めすぎんな」
苦しそうに眉根を寄せ、少しずつ動きを早めてゆくスバルに合わせ、ゆめの快感も徐々に高まっていく。
『スバル、くんっ、スバル…ッあ、ひぅ…ッ』
「っ、あ、…クソッ、ゆめの、血のせいで俺まで…っこんな…」
『わ、たし、も…っおかしく、なりそ…』
「う、るせぇっ、余計なこと言わなくても…ッふ、ちゃんと、して、やるよ…ッ」
言葉は乱暴だが、その動きは決して壊そうという動きではない。
寧ろ、ゆめの身体の事を思い優しく抱きしめられる。
ぴったりと体が密着し、お互いの息遣いがやけに官能的に感じられた
『スバルくん、優し…っ』
「余計なこと、言うなってッ」
『ごめ、ん…ッあ、も、やぁッ』
「っ、いいぜ、俺も…一緒に、イって、…く、ッ」
『あ、ぁッ…Σ〜〜〜ッ』
大きく身体を仰け反らせ、声にならない声を上げ、スバルから放たれた物を受け止めながら、
ゆめは幸福感を感じ意識を手放した。
**
『ん…』
「起きたか」
『スバル、くん…?』
「無理に起きんな、これでも飲んどけ」
目が覚めると、少し優しい顔をしたスバルがぽんぽん頭を撫で、
少し赤い顔でホットミルクを差し出した。
『…ん、ありがと』
「…また、気失わせちまったな」
『?』
ばつがわるそうな顔をするスバルに首を傾げると、
珍しく素直に口を開いた。
「…優しくしようとしてんだ、これでも」
『うん…?』
「あぁクソ、どんだけお前は鈍感なんだよ!」
怒鳴りはするものの、ものに当たることもせず、
顔が赤いせいで全く怖くない。
溜息を一つ吐くと、大人しくベッドに腰掛けた。
「…次は優しくする」
『スバルくんはいつも優しいよ』
「……変な女だな」
頭を撫でる手も、目も、皮膚を突き破る牙すら、優しく完美に感じられるのは
ゆめがスバルに溺れているからなのだろうか。
「…ゆめ」
『なぁに?』
「お前は壊したくない」
『…うん、ありがとう』
それとも、スバルも、ゆめにどうしようもなく溺れているんだろうか。
End
壊せないもの