先輩とジュリエット

先輩とジュリエット

はじめまして(*ˊᵕˋ*)
これは投稿するのは初めての作品です^
恋愛モノで短編ですが友達の実際の体験も入れつつなので
共感してくれる人がいるといいなあと思ってます⑅◡̈*
よくわからない部分もあるかもしれませんが
よかったら暇な時に読んでみてください。

「恋なんか してなかった」
「うん」
私は窓の外 校庭で練習を続ける運動部の男の子たちを目下につぶやいた。だんだん空が赤くなってきてもうすぐ下校時間になっちゃうけど 私はやりかけの宿題をほったらかしにひたすら先輩を見てた。先輩なんて言っても私の言う先輩はたったひとりで 涙が出そうになるのをぐっとこらえた。向かいに座っている坂井知愛の空返事はちっとも気にならなかった。ただ先輩の四方八方に跳ねた後ろ髪が目に焼きつくだけで。
先輩。私は嘘つきです。だから先輩も私のことなんとも思ってないんでしょ。わたしが悪い子だから。ごめんなさい。先輩のこと 本当は好きで。でも 先輩には彼女がいて。だけど私は諦めきれなくて 告白した。先輩の大迷惑だってわかってた。彼女がいることも 噂だ噂だって前向きに進んできたつもりだったけど心の奥底では本当だってわかってた。優しくて明るい先輩に彼女がいないなんてそれこそおかしい。私のわがままを先輩が叶えてくれるなんて思ってない。そもそも先輩は私のこと 知らないでしょう。名前も顔も性格も私は先輩のことをよく知ってるけど先輩は私のこと何も知らない。私の中では1番の存在だけど先輩の中に私の存在は無い。先輩 今年卒業しちゃうから。そう言ったら先輩はありがと って言ってそれでなんだっけ。ごめん だったかな。先輩との会話。今日の出来事なのに悲しくて悲しくて昨日 一昨日 もっと昔のことのような気がする。私の初恋は終わった。そういうことだろう。現実は辛い。甘い空想は今じゃバカみたいだ。昨日手紙を用意して その時も無理だとしか思ってないフリして本当は心のどこかでは期待してたかもしれない。でも 頑張って恋してきたんだもん きっと 叶うんじゃないかな。そういうのほんと馬鹿みたいだ。恋なんてして何か良いことあった?先輩をひたすら見つめる 片思い。楽しかった?苦しかった?今でもまだ好きなんだ。楽しくても苦しくてもただ 好きなんだ。仕方ないでしょ 好きなんだもん。先輩のことが好きな人はいっぱいいた。私と同学年の子もいたし他校で塾が一緒の子なんかが騒いでるのも見たことある。実際 知愛だってそうなのだ。グミを噛みながら終わった宿題をそのままにして椅子の上で体育座りしながら新しく買ってもらったらしいiPhoneをいじってる。今も好きなのかはわからない。だけど知愛の幼馴染のお兄ちゃんが先輩だったらしい。だからちょっとだけうらやましいって思ったことを覚えてる。その時きゃーきゃー言ってた知愛もだんだん先輩の話をしなくなり先輩の話を寄せ付けないかのような表情で私の親友として応援してくれるようになった。
「ねぇ 知愛」
「んー?」
思わず呼んでしまったけど言ってしまおうかまた迷ってしまった。iPhoneばっか見てた知愛も私の方に目線をずらし首をかしげた。
「なに?」
「ほら えっとさ 先輩のこと」
もういちど先輩の方を向いた。二階の教室だから頭しか見えないけど。
「うん 梨花 さっきから先輩の話してるんでしょ?わかってるって 聞いてるもん」
「そうじゃなくて」
知愛は言いながらiPhoneの画面に目線を戻した。無愛想に思えるかもしれないけど チアはただの優しい女の子で話はちゃんと聞いてくれてるのもよく分かるし親密に相談に乗ってくれる。一途で優しいし家庭的で面倒見が良い。私はすこし間を置いて口を開く。
「知愛と 先輩のことだよ」
知愛はしきりにタイピングしてた人差し指を止めて私の方に顔を向けた。微かに動揺が見える。声が裏返りそうになっていた。
「先輩と 私?」
私はコクンと頷く。知愛はiPhoneを机に置いてはあ とため息をついた。
「先輩は 大樹の お兄ちゃん だってば」
大樹は例の知愛の幼馴染 石原大樹のことだ。
「それで 石原君と知愛は幼馴染って?」
「そうだってば」
イライラしてるみたいだけどただ焦ってるだけ。ここで焦るとは思わなかったから少しびっくりした。石原君と何かあったのかな。
「でも 昔は先輩のこと好きだった?」
「…今は違う人」
「石原君?石原大樹くんでしょ」
「なんでそうなるのよ」
即答で いつもどおりだけど かすかに顔をふせてるのが気になる。
「じゃあ 誰?教えてくれないの?私は教えてあげたのに?そんなのずるいよー」
「梨花が勝手に私に教えてきたんでしょ」
チアはなんとかこの話題を遠ざけるようにまた iPhoneをいじり始める。
「ねえ お願い。応援するから」
手を合わせてそう言うと チアはんー と唸る。
「チアー 帰ろうぜ」
突然 前のドアから声がして 見上げる。噂をすれば 石原君だ。チアは「はーい」と返事を返してバックに宿題をまとめる。いつも通りの光景。いつからか チアは石原君と一緒に帰るようになった。家が近いのもあると思うけど 私から見てチアはともかく石原君はチアが好きだと思う。チアは上着を着て 私にベーっと舌を出した。たぶん さっきの答え。好きなのはやっぱり石原君なんだね。自分はさっき失恋したばかりだけど やっぱり応援したくなる。応援してる。
「じゃあね 梨花」
「うん」
チアに手を振ってふたりが 仲よさげに廊下に消えるのをそっと見守る。先輩とそうなれたらって何度思っただろう。
「恋なんか してなかった」
何回言っても自分の心は洗脳できない。私は先輩に恋してた。今なら ちゃんとそう思える。それだけど やっぱり認めたくない。認めてしまったら先輩に申し訳ない。だって 今は先輩に彼女がいることを認めるのが優先だと思うから。
「私 先輩に恋してたのかな」
もう一度先輩を見る。これで もう恋は終わらせるから。だからもう一度だけ見たい。最後の一瞬だけでも 恋をしてたい。先輩の方を向く。さっきまで頭しか見えてなかったのに 今度は先輩がパッと私を見上げた。びっくりして 途端に鼓動が早くなる。先輩は小さく笑う。
「先輩 好きでした」
この小さな呟きは先輩の耳までは届かなかっただろう。その時 私は笑っていたのか泣いていたのかわからない。だけど 鼓動はやがて元どおりのスピードになり 先輩はまた前を向いた。全てをリセットすることはできないけど もう一度先輩のように好きな人が出来る気がする。

the END

先輩とジュリエット

どうでしたか?
あんまり自信はないんですけど…(´ . .̫ . `)
細かいところまで決めるのが好きなので名前紹介だけしておきますね
遠森梨花 とおもり りか
坂井知愛 さかい ちあ
石原大樹 いしはら だいき
石原大翔 いしはら だいと = 先輩
鷹宮真優 たかみや まゆ =先輩の彼女

ですね( ◍•㉦•◍ )
わかりにくいところがあってすいませんでした
ここまで読んでくれてありがとうございました(✿´ ꒳ ` )♡

先輩とジュリエット

「恋なんてしてなかった」 先輩に振られた梨花。 ずっと苦しくて辛くて でも楽しかった初恋が今終わった。 叶うはずなかったって分かってたのに辛くて悲しくて。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-27

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted