if - もしもクルスちゃんにおちんちんが生えたら

このお話は、本編とは全く関係ありません。
もしもの話です。
パラレルワールドです。セルフ二次創作です。

「はぁ……ふ…はぁ…っ」
部屋の中に艶やかな吐息が響く。
今、この室内には彼女しかいない。
「ん……ふぁ……はぁ………んんっ……」
声の主の名は、クルス・ブレイヴァント。勇者の家系に生まれた、教会の娘。
日々の態度は質素で品行方正。至って真面目な優等生。……その行動や言動に時折、軽度な奇行が加わる以外は。要は、少し変わった女の子、という解釈でいい。
その彼女が、今、この私室で。性的衝動を発散させるための行為……平たく言えば自慰をしていた。
「これ……すご……ふぅ…ん…んぁ……」
別に教会に生まれたからといって、彼女も人の子である。身体が疼き、その身が快楽を得ようと求めるのはなんら不思議ではない。
ただ、一つ。一点だけ決定的におかしい所があった。
「んひゅっ…はっ…ふぁあぁ…おちんちん……こするの……とまりませんよぅ……」
…彼女の股間には、男性器が生えていたのだ。
勿論、彼女は生まれ持っての女性である。性別に関して何かしらの障害があるという訳ではなく、正真正銘、れっきとした女の子だ。
ではなぜ、彼女の股間にはいきり立った肉棒が生えているのか。
事の始まりは数日前に遡る…。

「お嬢さん、ちょっといいか?」
「はい?なんでしょう?」
街中を歩いていたら、いきなり声をかけられた。相手は男。サングラスをかけている。
「お嬢さん、キャストだよな?実はちょっと困った事があってな。キャストの女性じゃないと頼めない事なんだ。」
傍から見たら、どう見ても怪しいといった評価しか出ないであろう風貌の男。持ち掛けてくる話もなんだか胡散臭そうではあるが。
「困ったこと、ですか?いったいどうしたんでしょうか?」
クルスは育ちがよく、人を疑うようなマネはしない純粋無垢すぎる心の持ち主であった。人を見かけで判断してはいけない、という両親の教育もそれに拍車をかけた。…それが仇となった。
「ちょっと訳ありでな…あんまり簡単に説明できる事情じゃないんだ。少し場所を移して話したい。もちろん、報酬は出す。ちょっとしたアルバイトだと思ってくれればいい。」
「んー……。わかりました!」
彼女の中には「若い内はいろんな経験をして苦労をすべき」という謎の持論がある。それもまた仇となり、いともたやすく怪しい男の誘いにのってしまったのだ。
「本当か!!いやー、助かるよ!じゃあ、案内するからついてきてくれ。」
「はい!」
……こうしてクルスは路地裏に招かれ……
…彼女の記憶はここで途切れた。

「うっは、上玉じゃねえか!付けてやる前に一発ヤっておかねえか?」
「ダメだ。いつ目覚めるかわからんからな。とっとと“実験”しねえとな。」
ここは、路地裏の空き家。その一室で怪しい男が二人話している。
「随分と育ちが良さそうだな。どうやって誘い込んだ。」
「いや…びっくりするくらい簡単についてきたぜ。不用心にも程があるって俺から言ってやりたいくらいだ。今もお茶に睡眠薬を混ぜて出したら簡単にコロッ、だ。」
「へぇー、今どきめずらしいねぇ。」
「ああ、全く。……よし、始めるぞ。」
「このお嬢さんも目が覚めたらこんなにも簡単に人生が変わってるなんて思わないだろうな。」
「そうだな。これで少しは学習してくれればいいけどな。」
「ところで、このちんこつけたらどうなるんだっけか。」
「ちんこをつけたらちんこが生えるに決まってるだろ。」
「そうじゃねえよ。付けることで身体の方にも色々変化が起きるとか、そんな話がなかったっけか。」
「ああ、その事か。まず…当然だが男としての機能が備わる。すぐには無理だが、女とヤれば子供ができるだろうよ。」
「ほう。」
「次に、性欲が増す。女としての性欲にプラスで男の性欲が上乗せされるようなもんだからな。二つ分の性欲が合わさってるんだから絶倫だろうな。」
「ほうほう。」
「そんで最後に、女に欲情するようになる。まあ、身体も男の物付けるんだから、次第に心も男の物がプラスされるって事だな。」
「かーっ、たまんねえな。もう俺興奮してきちまった。なあ、やっぱり一発…」
「ダメだ。」
「ちぇーっ。」
「作業が終わったらとっとと帰してやるぞ。…こいつにはいい実験台になってもらわないとな。」
「へいへーい。」
…………。
………。
……。

時は現在に戻り。
あれから数日経ってから、クルスは目覚めた。起きた時、自分は自室に居た。頭もぼんやりして、どうして自分の部屋で寝ていたのか全く検討もつかない。
だが、確実に感じる違和感が一つ。股間部に、今まで感じた事の無い感覚があった。恐る恐る確認してみると…クルスの股間には、男性器が生えていた。いわゆる朝勃ちというヤツだろうか。それは、新しくそこに存在するようになったのを必死で自己主張するかのように怒張していたのだ。悲鳴を上げるとか、泣き叫ぶだとか、彼女がとった行動はそうでは無かった。ただただ放心していたのだ。目の前にある光景が、あまりにも信じられ無さ過ぎて。そして彼女は、そのままぼんやりとした頭のままで、自らソレに触れ。
「ん……んひゃあっ……ふぁぁぁっ…おちんちん…はぁっ…おちんちんすごいのぉ……」
…結果として、現在のこの状況に至る。
自慰行為自体は、何度か経験済みである。けれど、股間に生えたそれをしごくその感覚は、
「あっ…んあぁっ、やっ、はああぁあん、んゅうあぁぁっ……」
今までとはあまりに違いすぎて。
「おちんちん…おちんちんすごいっ、おちんちんすごいですぅっ………!!」
今までとは比べ物にならないくらい気持ちよくて。
「わたひっ、わたひもうっ…!!」
そんな誘惑に抗えるはずなんて無くて。
「わたし…!!おちんちんでイっちゃいますうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!」
彼女は、自らの肢体を、自らの白濁とした液体で穢したのであった。

「うぅぅぅ………」
シャワーを浴びながら、クルスは自己嫌悪に陥っていた。
「あんな…訳も分からないまま……私……うぅ」
彼女は、先程の自慰の末、射精した。それも、かなり沢山の量を。今まで味わったことの無い快感に達したのだが、それだけに反動は大きく。股間のソレと同じように、彼女の心もしおれていってしまった。
加えて、悩んでいた。この股間に生えてしまっているイチモツの事についてだ。。
「これ…さっきも引っ張ったりしましたけど…取れそうに無いですし…どうすれば…」
驚いてしまい、今になってようやく思い悩んでいるのだが…恐らく、というか間違い無く。あの時の男に付いていった後に何かされたのであろう。付いていってから、目覚めるまでの記憶が無いし、それに、目覚めたら側にはそれなりの金額のお金が側に置いてあった。あれが恐らく男の言っていた報酬だろう。確信が無いのでとりあえず置いたままだが。
「取ろうにもどうすれば……誰かに相談する訳にもいきませんし…。」
こんな事、誰かに頼る事なんて出来るハズも無い。なにせ自らの恥部に関わる問題なのだ。そこんじょそこらの知り合いに相談などできる訳が。
「……でも…バクちゃんなら……」
相談できるなら、彼女しかいないと思った。バク・トザ。クルスが親友だと言える存在。背が小さくて、意地っ張りで、素直じゃなくて、ちょっと変な子だが、間違いなく彼女の中で一、ニを争う存在の友人だ。
「バクちゃん…こんなのを見たらどう思うでしょうか……それとも……。」
と、そこまで考えた所で。
「………??……!?」
まただ。また。彼女の身体の一部に新しく仲間入りしたソレが。
「な、なんでぇ………別に、バクちゃんは……」
ムクムクと、彼女の目の前で。
「そんなんじゃ……ないのに……。」
すごい勢いで大きく成長を遂げたのであった。
「そんなんじゃ……んっ……」
無駄、というよりは逆効果にしかならないと分かっていても、触らずにはいられなかった。自分の心がいくつかに分かれてしまって、まるで本当はこう言いたいんだと目の前につきつけられてしまったような気がして。思わず手を伸ばして、無理やり鎮めようとしてしまっていた。けれど、それは。
「あ……そんな……だめ…ぇ………バク……ちゃぁん……!」
また、あの衝動を呼び覚ます引き金にしか、ならなかった。
……そして、彼女はお風呂場にて、本日二度目になる自己嫌悪に陥る事になるのであった。彼女が使用したオカズについては、本人のために、伏せさせていただく。

「はああぁぁぁぁ……」
ベッドの上でうごめく布団の塊からとてもおおきなため息が一つ。言うまでもなくその正体はクルスである。
結局あの後、彼女は一度浴びたシャワーをもう一度浴び直す羽目になったのだ。
彼女の股間に付いたソレは、今はおとなしくしているが、まだまだ元気いっぱいといった感じがする。いつ何が引き金になってまた暴走し始めるか分からない。クルスは極力何も考えないで過ごした方が、これ以上自らの心を乱す事にならないと思い、布団にくるまっておとなしくしている。
「無心…無心です……何も考えちゃダメです…明鏡止水…そうこれは明鏡止水…私は今滝に打たれている……」
別に生えてしまった男性器をどうこうしようという事は考えられなかった。今はとにかく時間が経過し、ソレが暴れ始めない事を祈る事しかできなかったのだ。
…が、しかし。
「……クルスちゃん?いる?」
「うひゃぁやややややや!?そ、その声…もしかして…!?」
その願いは早くも絶たれる事になる。
ドアの外からノックと共に声がかかってきたのだ。その声の主は、
「いきなりでごめんね。ここ数日見かけなかったし…連絡も取れないから心配で来てみたんだけど…。」
「ば、ばばばばば、バクちゃんですかっ!?」
そう。つい先程、クルスがシャワーの二回目を浴びる事になった原因を間接的に作った人物。
彼女の親友である女の子の、バク・トザ。その本人がこの部屋の前までやって来ている。
「えっと…鍵空いてる?入るよ?」
「え、えあ!!あっ、は、はい!!散らかってますけど!どどど、どうぞ!!」
クルスはしどろもどろになりながら、つい反射的に入室を許可してしまった。
「おじゃまします。」
おかしい。頭の中が真っ白になっている。クルスはなぜかバクを前にして、訳も分からず軽くパニックになってしまっている。それと、先程のシャワーを浴びている時に犯してしまった過ちの事もあり、勝手に罪悪感も湧き上がってきている。どうした事だろう。彼女の、バクの。顔が、何故か、見れない。
「…あれ、もしかして、風邪!?」
「へ、は、ひゃ、やはひ!?」
布団にくるまっている様子のクルスを見て、バクは案じて問いかける。
対してクルスは、その突然の問いに対して思考が回らずに声が裏返ってしまった。
「ちょっと…よく見せて…!」
「いいいや!あの!その!全然!全然大丈夫元気元気シャッキリキンですから!!」
慌てた様子のバクがベッドでうずくまるクルスに近づき。そして。
「わ…顔真っ赤じゃないか!」
「!!!!!」
クルスの顔を、正面から覗き込んだ。二人の目が一瞬合う。
クルスの紅潮していた顔はより一層赤みを増し、やがて次第にクルスの目だけが泳ぎ始める。
何故か顔を向け合う事が耐えられなくなったクルスは顔をそむけようとするが。
「ちょっと失礼。」
「え………っ!?!?!」
バクがクルスの熱を測るため、自分の額をクルスの額へとくっつけてきたのだ。バクは片手で前髪を上げ、自分の額に付いている角を当ててしまわないように気をつけながら、優しくクルスの額に触れて来た。
「うわ…!すごい熱じゃないか!」
「や、やや……いあ、いあ…あの……!!」
クルスの熱は間違いなく風邪が原因では無いのだが、現在進行形でグングンと上昇してしまっている。その原因がバク自身である事に彼女は気づいていないだろう。
(か、か、顔…っ!!バクちゃんのっ、顔っ…近い、です…!!!あ、え、やっ、ほのかに、いい匂いが……っ!!)
突然の予想外のスキンシップにクルスの思考回路はショート寸前であり、言語能力がまるで失われてしまっている状態だ。心臓は跳ね上がり、バクバクと音が聞こえるくらい鼓動を響かせており、体温はますます熱くなって行き、そして、またしても。彼女の股間のソレが。
(え、ちょ、ちょ……そ、そんな…違うのに…違うのにぃ…!)
ムクムクと、大きくなっていったのである。
「こんなに酷い風邪を引いてたなんて…食欲はある?何かご飯は食べた?」
「い、いえ、ぁ、あの、ちが、ちが、くてです、ね…!」
ぎこちない動きをしながら必死に言葉を紡ぐクルス。布団の中でうごうごとうごめいているのは、その股間のナニがそそり立ってしまっているのを隠すためである。
「…といってもそんなに酷い風邪じゃ、まともにご飯も用意できる訳無いか…少し台所、借りるね。」
「え、ぇ!?」
「クルスちゃんはゆっくり休んでて。困ったときはお互い様…でしょ?その…友だち…なんだし…」
慌てるクルスをよそに、バクは照れくさそうにクルスの介抱を申し出たが。
「ぇ……」
なぜか、その言葉を聞いた瞬間。クルスの思考は急速に冷却されていき…胸がチクリと痛んだ。気がした…。


(2015年11月11日 2:49最終更新 続きます。)

if - もしもクルスちゃんにおちんちんが生えたら

if - もしもクルスちゃんにおちんちんが生えたら

  • 小説
  • 短編
  • 成人向け
  • 強い性的表現
更新日
登録日
2015-08-31

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work