不変

不変

万物の物すべては変わって行き、不変なものはこの世には無い。 そうない筈だ・・・。

空を見上げると、今日も綺麗な青い空


 夜勤の私は帰りはいつも午前中か仕事が押したときなどは午後に帰宅することが多かった。

家から会社までは自転車で約10分ほど、「あ~眠い」と呟きながら、空を見上げると真夏によく見える大きな入道雲と澄んだ青色が私の目に映った。

私は短大を卒業して、二十歳で会社に入社し、社会人になった。最初のところは上手く会社に馴染めずに、10カ月で辞めてしまい、今の会社で2社目になる。

その会社も入社してから3年が過ぎた。

 現在24歳の私は自転車を漕ぎながら、なんとなく昔のことを思い出していた、あれは中学2年生ぐらいのときだった。

勉強や部活であたふたしていた私は何やら疲弊するような気持ちで毎日を過ごしていた。ただ、あるとき空を見上げると今日みたいな大きな入道雲と澄んだ青色が目に映って、「俺がこんなに疲弊してても、何も空は変わらないんだな~」と思ってすごく気が楽になった。

それは、高校生になっても、短大生になっても、そして社会人の今になってもこの気持ちだけは昔と変わらない。

すごく些細なことだけども 「変わらないものはない」 というこの世の原理原則を打ち破ってやったような気がして、私は少し嬉しかった。

不変

不変

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-08-30

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