恋人よ

恋人よ、君が美しく見えるのも
君の哀しさゆえだ
君の美しい哀しさゆえだ
夏になったら
僕に会いに行くと君は言ったね
けれどもう六月なのに
君はまだ来ない
きっと君は僕のことなんか
すっかり忘れてしまっていて
他の恋人と楽しく過ごしているのだろう
それでも僕は君を待って
七月までは生きていくつもりだ
そうしてその後は
僕も君のことをすっかり諦めよう

僕はもう一度会えるだろうか?
優しい君に
哀しい君に
優しかったかつての君に

恋人よ

恋人よ

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-03

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