そういえばおとといからエレキッド達の姿も見えない
そういえばおとといからエレキッド達の姿も見えない
ここは、ポケモン村。いつものどかにポケモンたちが暮らしている。
「どうしたエレキブル。。。頭が」
しかし今日は、この村のポケモンたちが騒めいている。
何か事件でも起こったのだろうか・・・。
ピカチュウたちが川の畔にかけよると、
この村の村長であるエレキブル翁が白目をむいて立っているではないか。
もうろうとしながらエレキブルはこう言い放った。
「やっやや。やられた~><」
ピカチュウたちは覚えたての技、電気ショックでエレキブルの蘇生にとりかかった。
エレキブルの老体にはあまりにも痛々しいほどのおびただしい数の傷跡が残っていたのだ。
命にかかわる状態だと判断したピカチュウたちのひたいには焦燥感ただよう汗が流れ落ちる。
電気ショックにより意識がとりもどされ始めたエレキブルは、震えた両の手で
一匹の子ピカチュウの体を必死に掴みながら一言
「ふぇぇ 疲れたよぉ。。。」
そう呟き、深い眠りについてしまった。
ピカチュウたちは永遠の別れを惜しみながら、翌日ポケモン村の墓石がひとつ増えたのであった。
~そういえばおとといからエレキッド達の姿も見えない~
ボクの名前は"漆黒の炎"フレイム
このポケモン村で生まれてこの方10年のブーバーだ。
今日は、前村長のエレキブル翁が亡くなってから1回忌。
村のポケモンたちがヨマワール坊さんのもとに集合して、故人を忍んでいた。
ヨマワール坊さんの唱える子守歌のような退屈なお経がひととおり終わったところで
現村長のブーバーンが壇上に登り、亡くなったエレキブル前村長に悔やみの言葉を贈る。
なにを隠そう、このボクのパパであるブーバーンは前々から次期村長候補として
謳われていた実力派村長なのだ。
「今年もいいプラズマシャワーの使い手は見つかりませんでした」
パパの厭らしくそして冷たく放ったその一言は、
その場にいた村民たちの脳裏に暗雲をかけるのに十分だった。
とっさに感づいて水手裏剣を構えた村一番の兵であるゲッコウガ兵長。
しかしパパは瞬時に背後に回りロッククライムでゲッコウガを気絶させる。
「今からこの村は我々ブーバーン一族の支配下に置く
伝説の石メガストーンを探しに行く
貴様らは我らの未来の礎となるのだ。」
―――嗚呼。カミサマ。
自分の運命を呪ったのはこの時が初めてだったが
この先、ポケモン村。いや、全ポケモン界にあんな大激震が起こるとは
この時は考えもしなかった。
そういえばおとといからエレキッド達の姿も見えない