ある日

ある日僕はたわむれに
きれいな花を買ってきた
家のテーブルにその花を飾り
少し違う気分で夕食を食べた

ある日僕は悲しい気持ちになって
家で酒を飲んでいた
花を目の前にして
まずい酒を飲んでいた
花はきれいに咲いていた
僕を慰めるように
一番きれいに咲いていた

そうしてある失恋の日
僕は何もかも嫌になって
家で酒を飲んでいた
ちらと見ると、花は枯れていた
かつて僕を慰めていたことを思って
僕はその花を外に捨てに行った
するとどこからか声が聞こえた
「命の限り頑張って」と
僕は少し嬉しく
そのまま家に帰っていった
どこにも寄らずに
花のない家へと帰って行った

ある日

ある日

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-06-25

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