軽くしすぎた言葉

とくになし。

過剰なまでに口にし過ぎたんだ。

余計な言葉かもしれない。
誰かは内罰的だと苛立ちをあらわにしたこともあったように思う。
でもふと気がつくと口をついて出てきてしまうんだ。

あなたはこの言葉が嫌いだったように思う。
口に出したり、メールの文面にそれを記したことはなかったように記憶している。
でもその言葉を僕が言うと、とても不服そうにささやかなため息をつくのだった。

言い過ぎたからだと思う。
それは分かっているんだ。
だから、肝心な時に、その言葉があまりにも軽く聞こえてしまうんだ。


余計な言葉かもしれない。
そこまで言わなくてもいいのに、とあなたは困ったようにはにかんでいた。
でもその気持ちは確かにそこにあったから口に出していたんだ。

あなたはこの言葉が苦手だったように思う。
言われ慣れていなかったのか、いつもすこし怪訝な顔をして、本当に思ってるの、と目で問いかけた。
でもその言葉を言うと、あなたは幸せそうに微笑んでくれたのだ。

言い過ぎてしまったかもしれない。
なんとなく気づいていた。
だから、肝心な時にその言葉があまりにも軽く響いてしまうのだ。


ごめんね。

ありがとう。

ごめんね。

ありがとう。



ごめんね。
ありがとう。

軽くしすぎた言葉

とくになし。

軽くしすぎた言葉

大切なあなたへ。不器用な私から。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-30

CC BY
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