+wiccaVampire+
元々は違う小説サイトで載せていたものなんですが
ある理由でこちらのサイトに
載させていただくことになりました。
皆さんお分かりの方もいらっしゃるかもしれませんが
本作は乙女ゲーム
DIABOLIKLOVERSの二次創作小説です。
苦手な方はブラウザバック推奨です。
【1】+wiccaVampire+
貴「はぁ……はぁ………っはぁっ!…」
どれくらい走ったのだろう
夕陽は暮れて、あたりは暗くなっていた
貴「もう、追いかけてこないよね…」
まわりに足音がしないのを確認して
僕はゆっくり歩きはじめた
貴「にしても、ここは何処なんだろう」
僕の目に写るのは沢山の木。
どうやら、森に迷い込んだみたいだった
貴「夜か、…"奴ら"が最も盛んに活動する時間帯……」
そんなことをつぶやいてると雨が降りはじめた
ポツ…
貴「雨…、どうしよう。」
そうして、まわりを見渡すと薄く灯りのともった
大きな屋敷をみつけた。
貴「あれ、さっき見たときはなかったのに…」
少し不気味に思ったけど他に行くところがなくて
あの屋敷で雨宿りをさせてもらおうと考え、
屋敷に向かって走った。
【2】+wiccaVampire+
(ザーッ
屋敷を目指して走っている間に
雨が本降りになってしまった。
貴「屋敷に着いたのはいいけど、結局ぬれちゃった…」
そうつぶやき僕はその大きな屋敷を見上げた
貴「灯りは灯ってるけど、少し不気味だな…」
少し不安を抱きつつ、
ドアをノックして人を呼んだ。
貴「すみません、誰かいませんか!」
返事はない。
貴「すみません!、あの!!」
キィ…
ドアがあいた
貴「わっ…!」
??「ごめんなさい!…驚かせてしまいましたか!?」
でてきたのは女の子。
フワッとした白い髪に可愛い花の髪飾りをつけている。
貴「い、いえ。こちらこそすみませんでした。」
??「どうしましたか?」
貴「実は、この森で迷子になってしまって、
雨が降ってきたとこでこの屋敷を見つけたんです。
それで…あの、よかったらここで雨宿りしてもよろしいでしょうか?」
??「そうだったんですか!?あっ、どうぞ。中へ!」
貴「いえ、ここで大丈夫ですっ!」
??「そんなこと言わずに、服も濡れてるし! ほら!!」
うでを捕まれ、なかば無理やり屋敷の中に入った。
【3】+wiccaVampire+
その女の子は暖炉のある暖かい部屋に
僕を連れていってくれた。
ユイ「私は小森ユイ。いちよう16歳です」
いきなり自己紹介がはじまった。
貴「あ…じゃあ、僕より1つ年上なんですね」
ユイ「年下だったんだ!?年上なんだと思ってた!!」
あ、僕も自己紹介しなきゃ…!
貴「えと……ぼ、僕の名前は青ら……クシュ!」
話している間にクシャミをしてしまった
とっても失礼だ…僕。
ユイ「話してばっかりで寒いよね!」
ぁ、気をつかわしてしまったかな…
ユイ「待っててあったかいココア
入れてきてあげるから!」
貴「いえ、あのっ!?……………(バタンッ」
あ………いってしまった。
僕は、暖炉のそばにかけより部屋を見渡した。
綺麗で、整った部屋なんだけど…
人が住んでる感じがしないっていうか……
(ガタガタ
貴「外……風まで吹いてきたんだ。」
ふと、呟く言葉。
貴「今日中に家へ、帰れるかな…」
……いや、僕に帰れる家なんてないんだった。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「なんでまだ生きてんだよ!! 悪魔____」
じゃあ、殺してよ。
「殺させる価値もない悪魔!!」
っ!!
「お前には醜い悪魔の烙印をを刻んでやる」
い、嫌だっ。お母さん!お父さん!!助けてーーっ!
(ジュゥッ!!
ぁああっ!いや、ぅ……っあぅ!!ぅぁあああ…!
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ッ!……
(バタッ!!
貴「えっ、窓が勝手に空いた!?」
(パタパタッ
あれは…コウモリ?!
「"人間だ…"」
え、喋った?
「"忍び込んだのか、汚らわしい"」
「"早くライト様にご報告しなければ"」
ライト…様?
貴「ライト様…とは、誰?」
僕はとっさにコウモリへ話しかけた
「"!…まさか、聞こえているのか…"」
「"我々の声が聞こえるなど、ただ者ではない"」
「"早急に処分しなければ…"」
貴「処分…!?」
【4】+wiccaVampire+
貴「いやっ!」
逃げようと考えたが…
恐怖で身体が動かない!!
「"逃がすな!"」
「"行けっ!"」
そういうと、コウモリは素早く近づいてきた。
________"襲われるッ"_______
そう覚悟した瞬間…
(ドゴッ
「"うぁっ!!"」
貴「あれ…、」
石がとんできたような…
???「使い魔ごときが人間襲ってんじゃねーよ!」
「"ですが、スバル様!"」
スバル……
スバル「うるせぇ、さっさと散りやがれっ!」
(ガンッ!!
貴「ひっ!………」
スバルという人が壁を殴ると
壁には大きな穴が空いた。
「"っ……おい、行くぞ!"」
「"でも…"」
「"とりあえず、ライト様にこれを伝えなければ"」
(パタパタッ
貴「ハァ……、助かった……。」
(パタンッ
力が抜けて床に座り込んでしまった、
スバル「大丈夫か、アンタ…」
スバルさんは僕に手を差し伸べてくれた。
先程のこともあり、少し怖かったけど…
僕は手をとることにした。
貴「あ、ありがとうございます。」
僕は手をとった………が、
貴「つめたっ…!」
その手はとても冷たかった。
スバル「………」
???「あれぇ~スバル君、珍しくナンパ?」
スバル「ライト…」
あれが…ライトさん?……
ん、いきなり現れた……、…
ライト「スバル君てば、大胆~! んふ♡」
【5】+wiccaVampire+
ライト「うちの使い魔がスバル君に
痛めつけられたみたいで
痛そうだったよ…どうしてくれるの?」
スバル「知るか。」
ライト「もう~」
嫌悪な雰囲気だ…
何か言わなきゃ……!
貴「あの、えっと……」
ライト「ぁあ~、君が使い魔の言ってた人間の子だね♡」
貴「は、はい?」
ライト「可愛い子と聞いて
急いでとんできた僕に間違いはなかったよ~」
そう言うとライトさんは僕に近づいた
ライト「君、ビッチちゃんとくらべようがないくらい
いい匂いがするね~ 」
匂い……?
ライト「スバル君が
ナンパしたくなる気持ちも分かるよ、んふ♡」
???「おい、ライト!
なに一人でさきこしてんだよ。」
また、いきなり……現れた?
赤い髪に緑の目……
???「貴方、すごくいい匂いがしてます。
ね…テディ?」
もう一人…?
紫色の髪に…くまの人形…?
ライト「あれあれ~、
アヤトくんとライトくんもきちゃったの~」
カナト「使い魔がうるさいんです。
僕の部屋まで聞こえてきて、とても不愉快でしたよ。」
アヤト「それより、お前…誰だ。
さっきからいい匂いふりまきやがって…」
アヤトさんが僕の手首を握る
貴「冷たいっ…」
アヤト「味見させろよ、チチデカ。」
貴「味見っ?!」
それに、チチデカって…!!
貴「やめてくださいっ!!」
アヤト「やめるかよ、バーカ。」
嫌っ!……_____。
???「アヤト!!」
アヤト「ちっ、レイジか…」
【6】+wiccaVampire+
レイジ「何度も言っているでしょう。
そういう事は自分の部屋にでしなさい、と」
自分の部屋ならいいの…?
アヤト「……フン。」
貴「あ、ありがとうございました。」
と、とりあえずお礼を言った。
レイジ「貴方は誰ですか、」
貴「あっ、森で迷子になってしまって。
雨も降り始めたのときに
このお屋敷をみつけたので
少し雨宿りを…」
レイジ「貴方、自分の力でここに来たのですか。」
え、いや。普通そうじゃないのかな…
貴「はい…そうです。」
レイジ「貴方……何者ですか、」
え?………
貴「何者って……」
レイジ「普通の人間ごときが自分の意志で
この屋敷に近づくなど不可能なんですよ。」
アヤト「チチナシは使い魔のタクシーに
乗って来たしな。」
チチナシ…?使い魔…?
ライト「その子、使い魔の言葉もわかるみたいだよ~」
使い魔って、あのコウモリのこと…?
ライト「そ·れ·に、
と〜ってもいい匂いがするんだよね~♡」
まさか、この人達…!
貴「い、いやっ!」
逃げなきゃ…
そう思って後ろへ下がった途端
(バンッ
貴「わ、……キャッ!!」
何かに当たってこけてしまった。
貴「ぃたた…」
よく見ると肘を擦りむいて血が出ている。
……血?
貴「っ!?」
まわりを見渡すと
スバルさん、ライトさん、
アヤトさん、カナトさん、レイジさんが
あの、血に飢えた恐ろしい目で傷口を見ている。
貴「ヴァンパイア……ッ」
???「おい、あんた。さっきからうるさい…」
足元を見るとイヤホンをした男の人が
横たわって寝ていた。
???「人のこと蹴っておいて、謝罪の一つもなし?」
貴「ぇ、……あっ…すみません。」
スバル「シュウが床で寝てるのが悪いんだろ、」
シュウ「………。」
【7】+wiccaVampire+
貴「……っ。」
このすきに逃げられたら、
(キィ
ユイ「あれ、皆さん!?」
貴「ユイさんっ!」
唯一信頼できるユイさんに近づき
僕はユイさんの手をとった。
貴「暖かい手…。でも、なんで…!ヴァンパイアが!?」
ユイ「!?なんで、そのことを!」
カナト「ユイさんがこの人を
屋敷の中に入れたんですか…?」
カナトさんの目はとても怖くて
見られていると凍りそうなくらい冷たかった。
ユイ「うん、服も濡れてたし…」
貴「いえ!、僕が勝手に屋敷の中にっ!!」
レイジ「とにかく、私達の正体を知ったからには
無事には帰らせませんしね」
ユイ「そんなっ…」
いや、いっそ都合がいいかもしれない…
もともと、僕に帰る場所なんてないわけだし。
ここで、殺されれば___。
貴「殺しても構いませんよ。」
ユイ「…!?」
貴「僕には帰る場所がない。
街にいたってのけ者扱い、僕が死んだら…
きっと街のみんなも喜びます。」
これで、死ねる…
ライト「あらら…可愛そーに。
でもここで殺すのももったいないよね~」
カナト「そうですね。」
アヤト「殺さずに餌にしようぜ。
なぁ、レイジいいだろ!」
餌…!?
シュウ「どーでもいい。早く終わらせてくれ、」
レイジ「ハァ…とりあえず、
貴方のことを話してください。」
話すって名前とか、年齢とか…かな?
【8】+wiccaVampire+
貴「僕は青藍レイ。16歳です。」
アヤト「チチナシより1つ下かよ。
そのわりには胸がデk…」
ユイ「アヤトくんっ…///!!」
え、チチナシってユイさんのこと!?
レイジ「気にせず、続けてください。」
貴「は。はいっ」
貴「さっき言った通り、
この屋敷を見つけたのは…たまたまで
雨宿りをさせてもらおうと玄関で人を呼びました。」
貴「そうしたら、ユイさんが中に入れてくれたんです。」
スバル「結局お前が入れたんじゃねーか、」
ユイ「ご、ごめんなさい…」
あ、言っちゃった……!?
ライト「それで、君が死ねば
街のみんなが喜ぶってどういう意味?」
……。
貴「話せば長くなりますが…」
カナト「僕たちは話せと言ってるんです
…人間のくせに僕にくちごたえするなっ!!」
別に…くちごたえしたわけじゃないのに…
貴「えと、私の家。…青藍家は教会のつかいで
僕も生まれながら教会で過ごしました。」
貴「ですが、このとおり…
何故か僕は他の人とは違う血の
持ち主で。 小さい頃から 狼.虫.
そして貴方達、
ヴァンパイアによく狙われていたんです。」
貴「なんども、襲われかけましたが、
そのたびに教会が守ってくれました。」
貴「ですが…そんな生活は長く続かず
ある日ヴァンパイアが狼を連れて
教会を襲いにきたんです。」
貴「僕をかばった両親は
ヴァンパイアに殺されました。僕の目の前で…」
ユイ「そんなっ…!」
貴「僕は無事でしたが、そのまま、協会は破滅」
貴「そして、それからは
教会を破滅に導いた悪魔として
街の人々から虐められる日々です。」
ライト「あらあら~可哀想な子。」
貴「今日も狼に追われて森をさまよっていました。」
シュウ「あんた。血を吸れたこと…あるのか……?」
貴「そんなことありません!!」
ライト「つ·ま·り、
初めてはまだってことかぁ~。んふ♡」
レイジ「普通の人間なんですね……」
まだ疑ってるのかな…
レイジ「まぁ、別にいいでしょう。
それより、皆さん早く支度をしなさい!
もうすぐリムジンが迎えに来ますよ」
リムジン…?
+wiccaVampire+