片羽の悪魔。

厨二感溢れる作品になっています。
こういうのが書きたかった....!!!!ふおおおお!

「始まり」

バタバタと大人が俺らを探している。
俺らは森の見つけにくいところに隠れて、息を潜めていた。

「しゅうや、俺、やっぱり怖くなってきたよ....」

きっと見つかってしまったら、俺らはまたあの地獄みたいな場所に囚われるんだ。
毎日、毎日、注射をされて、ぐるぐると廻ってるような気持ち悪くなるような感覚におちて。声を出したら、ぶたれて、まるで家畜みたいな扱いをされて。

「しょうた、大丈夫。俺らはやれるし、俺なんかめっちゃつよいんだぞ!」

そう言って、にかっと笑うしゅうやに励まされて、俺らは森に飲み込まれていった。




********

「クッソ、しょうた、逃げるぞッ!!!!あれ、投げろッ!!!!」

たくさんの大人が俺らをぎらぎらした瞳で、捉えて離さない。俺は秘密で持ってきた、煙がでる、不思議な玉を地面に打ち付け、煙で俺らを見えなくさせた。

「ねぇ、しゅうや!!!!もう、あの玉、なくなっちゃったよ!!!!」

逃げるときはたくさんあった玉も使いきって。走りながら、次の対策を練ろうとしていると、ぞくりと背筋が粟立つ。そんな感覚がした。振り向こうとしても、振り向けない、怖くて。それをしゅうやも感じたのか一気に走るスピードをあげた。

「....あーあ、しょうたくん、しゅうやくん、お家から逃げちゃうなんて、おじさん、がっかりだなぁ」

聞き慣れた、俺らを縛り付ける声。しゅうやはダンッといきなり地面を蹴ってから、大きな鎌を自分の影から取り出して、ソイツに向かって降り下ろそうとして何かに弾かれ飛ばされてしまう。

「しゅうや!!!!」

慌てて駆け寄ろうとした時、しょうやは俺に笑ってから森の出口を指差した。

「しょうた、行け。お前はここで、人生を無駄にするようなやつじゃないだろ?」

気付けば、しゅうやの右肩から真っ赤な羽が生えていて。
だけど、俺はしゅうやを連れていこうとする。すると、しゅうやは怒ったような顔をしてから、叫んだ。

「俺は、俺は、いつか追い付くから、先にいけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!ばか、しょうたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

そう言ってから、しゅうやは、また地を蹴っていた。
こうなるとしゅうやは、もう俺の言うことを聞かないから。俺は、決心して、森の出口へと走っていく。途中からしゅうやの悲鳴が聞こえたりして、振り返りたくなったけれど、俺はもう決めたから。振り返るなんて思考を振り切り、森の出口へ向かった。
明るい光に取り込まれて、目を細める。目の前には、俺らが憧れていた、犯罪撲滅部隊の基地が。

ここなら、俺がしゅうやに恩返しを出来るから。助けられるから。片羽を天使にもぎ取られた、俺にもきっと。俺はボロボロになった服のまま、基地の扉をあけた。
突然の来客者に驚く、かっこいい制服を着た人たちに大きな声で告げる


「大切な人を助けたくて、来ました!!!!」

片羽の悪魔。

片羽の悪魔。

「僕が、強かったら、君を、守れたの、かな....」 ふわふわと安定しない意識のなかで、少年はそっと傍らで泣いている少女の頬に触れる。 少女はその手を自分の手で包み込み、少年に向かって不自然な笑みを浮かべる。 「もう、いいんだよ。***。君が居なくとも、私はひとりでやれるから。だから今は、ゆっくり、おやすみ....」 そういい終えたのと同時に、少年の手から力が抜けた____。 「いやだ、いやだよ、俺と一緒に逃げようよ、ねぇ、****!」 「お前はここで、人生を無駄にするようなやつじゃないだろ?いいから逃げろ。俺は一応、片羽の悪魔の血を引いてんだから」 そういって、****は俺の背中を押した。俺は一瞬よろけてから、森のなかに入っていく。そこで、俺が目にするのは____。 二つの物語が幾年の刻を越え、合わさっていく____。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-05-20

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