江戸色

こんにちはと共に初めまして!柊芭月です!

えー、ここまで読んでくださっただけでも既に感謝してます。

話の内容は……

秘密にしておきます。

では、江戸の拙い噺をお楽しみください。

昔と現代が混じる国、江戸で人々がそれぞれに集うストーリー!

「今日はやけに騒がしいな。」
「そうだねー!何でも、江戸で話題のイケメン男子が来てるらしいよ!」
ここの茶屋では、そんな会話がされていた。実は2人とも未成年ながらも女浪士と銃士の身だ。クールで男に興味のない女、霧峰 皐月は、明るくて可愛い桜野 愛椰の元で身を潜めていた。

昔、3人兄弟の2人目だった皐月は、兄と弟に囲まれて暮らしていたが、女手一つで育ててくれた母が死んだ時に、3人別々になってしまったのだ。

「ちょっと外にイケメン見に行ってこようかな!」
愛椰が入り口を開けると、それこそ祭りかと言うほど人で溢れていた。
「一人で行くと危ないんじゃないか?私も付いて行こう。」
皐月も一緒についていった。しかし、この街に女性がこんなにいたのかと言う程、街は女性と活気で溢れかえっていた。
「しっかしすごいけど……見えないよ〜…」
すると皐月が思いついたかのように愛椰に話した。
「では、茶屋の屋根に登れば良いのではないか?そこなら私達だけの特等席だぞ?」
「そっか……!そういや、皐月珍しいね、こんなとこに出てくるなんて。」
普段、街が祭りの時などは滅多に外に出ないので珍しいと言われている。
すると、向こうから熱烈な歓声が聞こえたので2人ですぐに屋根に登ると、向こうから彼が歩いてきた。
「うわー…………あんなかっこいいんだ…」
愛椰がびっくりしている横で、皐月は絶句していた。
「彼奴っ……何故ここに……」
「どうしたの?顔色が変だよ?」
愛椰に言われて、気づいた皐月は普段見ないような怒りの顔だったという。
「い、いや……何でもない。私、ちょっと家入っとくぞ…」
「あ、う、うん……」
急に顔色を悪くし、そんなことを言ったので愛椰も多少心配ですが皐月の事なので人酔いでもしたのだと思い、そのままにしておくと、悲鳴に近い歓声がもう一個聞こえ、皆がそっちの方を向くと、1人、神々しく輝く女性がいました。その子は、今10代〜20代に人気の雑誌の大人気モデルの甘城 柑奈です。
「うわー!柑奈ちゃんだ!」
握手して!の声がこだまする中、茶屋の戸が開き、皐月が出てきました。それに愛椰が気づき、
「大丈夫?体調悪いの?」
と質問すると
「大丈夫」
その一言だけ返ってきました。その時、深刻そうな表情になっていた2人にイケメン少年が近づき、喋りかけてきました。
「やあ、君たち一体どうしたの?そんな深刻そうにして!」
彼が話しかけた瞬間、愛椰の顔はみるみる紅潮していき、皐月の表情はだんだん厳しくなっていきました。

「どうして…?すっごく楽しいよ?」
そこまで言うと彰は皐月に銃を向けた。
「戦いを棄権するってなら姉ちゃんを撃つ。戦いを続行ならこの銃は……空へ向く」
皐月は追い込まれた表情で屋根に乗る。そこで、地上からカチャっと音がする。見ると、愛椰が銃を構えていた。
「お、お前何を!?ーー」

彰はそっちを見る。
「馬鹿な真似はよせよ…じゃないと、お前が撃たれるよ?」
彰は愛椰に銃口を向け、そう発言する
すると、愛椰が更に鋭い目つきでこう言った。
「お前の方こそ、私の友人を撃てば、今度はお前が1秒もなく死ぬことになるぞ?それでもいいのであれば撃て」
しばらく彰は黙っていたが、そのうち言いだした。
「姉ちゃんにはいい友達がいるねぇ…でも、場合によっては姉ちゃんもその友達もここで命を終えることになるよ…残念だね」
そう言って彰は何も言わず銃を発砲した。

「愛椰!!」
皐月はそのまま場所へ行くと、愛椰がフラッと立ち上がる。
「私が…そんな簡単に…死ぬと思うなよ!!」
そう言って地面を見ると銃弾が二つ落ちており、彰はどんどん青ざめていく。
「ま、まさか…嘘だろ…」

そう、愛椰は彰とほぼ同じタイミングで同じライン上の銃弾を発砲したので、銃弾同士がぶつかり合い地面に落ちたということ。
「だから言ったでしょ?私と皐月は繋がってるんだってこと……」
そう言って愛椰と皐月は茶屋の店へはいって行った。

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「女浪士が刀と銃でイケメンを斬っただとよ…」

「ほう…だから何だ」

「こいつ、お前の妹じゃないか?」

「知らんな」

「相変わらず不愛想な…」

「妹がいるなんていつ話した?話した覚えもない」

「そうか?」

「まあいい…別に妹がいようがいまいがどうだっていい」

「お前、戦ってみたいんじゃないか?」

「バカを言うな。俺がこんな低級浪士と戦う訳ない」

「それもそうだな」

「やあ、こんにちは」
愛椰が話しかけられて、ビビって、変な声しかでませんでした。
「う、あ、そのっ…こっ…こんにちはっ……」

その次は皐月が話しかけられます。すると、皐月は自らイケメンに話しかけました。
「おい、お前、名はなんという」
その一言だけ、気になるものの、皐月のようにどストレートに聞く奴は多分いない。その場は水を打ったように静まり返り、途端に妙な雰囲気になると、
「な、なんで今そんな事聞くの?今は今を楽しもうぜ?」
「ちょっと、皐月、無愛想にも程があるって!多少、作ってでも愛想あった方がいいよ」
イケメンに加え、愛椰もその事を言いだしました。

「人に名前を聞くなら、自分の名前を先名乗れよ」
さっきとは違う剣幕で話しかけてきたイケメンに、周りが騒つくと、皐月は一言だけ、発した。
「お前、霧峰 彰か」
「い、嫌だな……なんで分かったの…?」
先ほどの威勢良さとは打って変わって、マズそうな表情を浮かべ、明らかに冷や汗をかいている。
「当たり前だろ…私はお前の…」

「姉なんだから」

急にこの場が喧騒レベルを増し、愛椰までも混乱している。
「ちょ、そ、それってどういう事!?あんた一人っ子じゃなかったの?」
「実際には3人兄弟だし、愛椰に一人っ子って言った覚えはない」
愛椰は多少、拗ねたように目を逸らす。
「そ、そうだよね……ごめん」
すると、彰が一言言った。
「本当に僕の姉ちゃん?」
「何故疑う。疑わずとも分かってるでしょ」

腕を組み、チャイナ服のような黒い着物を風に棚引かせ答えると、首にヒヤリと変な感触を感じて、彰の方に目線だけズラすと、彰が皐月の方に剣を向けていた。
「……お前何の真似だ」
先程の彰よりすごい剣幕で、睨むと飄々とした表情で答えた。
「嫌だな…分かるでしょ?僕姉ちゃんと戦いたいんだ」
すると、予想外だったらしく瞳孔を見開き、皐月が急に大きな声で怒った。
「馬鹿かお前!こんな街中でやったら皆さんの迷惑になるだろ!?」

言っていることはまさに正論なのに、彰は愉快犯のような表情を浮かべ剣を引き続き首に当て続けている。
「どっちがいいの?斬首されるか、ここで戦うか」
すると愛椰が肩を叩く。
「大丈夫、皆に言うから!心置きなくやって頂戴」
「……光栄だ」
その一言だけ残すと愛椰とハイタッチし、お互い向かい合う。
「よろしくな」
背中合わせに向き合い、個人の敵に集中した。
「おい彰、お前急にどうしてこんなことを言った?昔からたくさん戦ってるだろ」
「久しぶりに戦いたいんだ。僕の姉ちゃんはどれだけ強くなったのか」
2人で睨み合い、同時に空に飛んだ。皆は空を見上げ2人の戦いを見守る。といっても、2人とも一筋縄ではいかない剣裁き。見てて清々しいほどの兄弟戦だった。

だが、皐月は番狂わせの女浪士と呼ばれ、一時、ある人物に次ぐ百人斬りの名手となった。その弟だから絶対強い。
「おい彰、何故この街にいるっ!」
そう言うと薙刀ほどの長さの刀を振った。だが、流石、皐月の弟ながらに彼女の攻撃を止めることができている。
「愚問だね…僕は別にここに居たくている訳じゃないよ。姉ちゃんと戦うためだけに来た」
そう言いながら皐月の剣を跳ね返した。次に袂から短刀を取り出すと短刀を軽快に振り回す。その攻撃には皐月も怯えず、胸元からクナイを取り出し、短刀に当てるよう狙った。その攻撃は予想だにしていなかったらしく、手元にクナイがあたり、短刀が落ちたらしく、彰は「あっ」と言った。

「一本貰った」

そう一言言うと短刀を掴み取り、彰に脅しをかけた……つもりだった。
彰は次の瞬間、更に袂から銃を出し、皐月のすぐ側で発砲した。
「姉ちゃん、もうその程度じゃないよ俺」
そう一言言うと銃を皐月に向かって放つ。街の全員がどよめき出した。
「おい、あいつやり過ぎだろ!」
「発砲までするって、恨みあんのか!?」
愛椰も皐月に言う。
「皐月!もうやめなって!」
街にパァーンと響き、その後真っ青な空に行き先もわからず消えていった。が、住民の1人が銃弾が落ちていることに気づき、
「おい!ここに銃弾が落ちてるぞ!」
そう言って皆が空を見ると、ギリギリのところで皐月が短刀で銃弾を交わしたことがわかった。
「彰、馬鹿なことはもうやめて、うちに帰れ」

皐月と愛椰がイケメンを倒した事はたちまち世間に広まった。そんな中、2人は近所でも有名な神社に行く。そこには愛椰の友人がいたからだ。巫女をやっている桂木 悠といい、昔はとんでもなく根暗で、今とは正反対の性格だったらしい。
「あ、愛椰ちゃーん!皐月さーん!」
いつも愛想よく接してくれ本当に優しい。
「おう、久しぶりだな」
「はい、久しぶりですね…でも、お二人の噂はとっくに耳に入ってますよ!」

作者注:時代設定は江戸と現代が入り乱れています

やはり、テレビなどで見てる人も多いらしく、神社に向かう道中でもサインを求められた。
「なんか……スターになったみたい」
愛椰が照れつつ喋ると、
「本当だ!私も何か凄いハズいんだ……」
そう言いながら悠が悲しげな顔をする。
「う、うん……私、お茶持ってくるよ」
悠は2人に背を向けた。

「蒼都は……現場にいたのかな……」

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ーー幼少期

「じゃあ、この問題を……悠、答えてみろ」
この時、悠は学習塾に行っており、塾一の才女だった。
「えーと、2です」
「正解。流石だな」
頭が良く、友達に優しくしたおかげで、良い友達ばかりできたし、
. . . . .
余計な性格も手に入れてしまった。
その性格は時には人を喜ばせる。だが、基本、その性格は事実を知った時、大変な衝撃を得る。
そう、それは嘘をつく。虚言癖ーー
虚言癖があるおかげで友達が作れたのもある。だから、虚言も全て事実として出回っている。最初はそこまで深刻な嘘じゃなかった。その嘘が段々事実のように伝えられた。何故そこまで広がったのかは分からないがそこから私の虚言癖はエスカレートしていた。
その中で2人、虚言癖前にできた友人の甘城 柑奈と六条 蒼都はいつも楽しく接してくれていた。

そこに、一人のおとなしそうな少年、神田京祐が来た。第一印象は優しくて真面目そうという感じだった。だが、勉強がとてもできる少年で、以前の学習塾では毎回定期テスト1位だったという。1人、京祐がスーパーヒーローだった。でも、今日から来た学習塾には、天才が自分以外にもう1人、悠がいたから自分の活躍が光らないと思っているという。だが、悠はそんな事は露知らず、京祐にドンドン話しかけていた。蒼都も、柑奈も一緒に。

「神田君ってさ、前の塾では成績どれ位?」
柑奈が聞いた。
「うーん……でもここの水準高いんでしょ?どうなの実際」
京祐の質問に蒼都が答えた。
「ここにいるぜ!桂木っていう、いつも定期テスト1位の奴」
因みに塾の34人中蒼都はいつも2位、柑奈は17位前後である。

「ちょっ……や、やめてよっ!!恥ずかしいじゃん!」
そう言って、悠は蒼都の背中を叩いた。
「あっ!叩いた。暴力反対ー!」
「そういう時だけそのセリフ使うのやめて!?」
二人はとても仲良く遊ぶが、悠は自然と勘づくようになる。

ーー自分は京祐君から嫌われてる……?

今まで頑張ってきた。人に嫌われないよう、たまに小さい嘘もつくが、8割は本当の話。そこでは、友達となると毎回、決まり文句として『悠ちゃんって頭良いよね〜!』というセリフが入っていた。

そんな決まりきったセリフに悠はうんざりしていた。でも、京祐も多少うんざりしていた。

そんな時、京祐の隣になった。その時、彼の表面上性格を知る事になる。
隣になって、本を読むと、微かに聞こえる。それは確かに聞こえた。
「天才の隣になるの嫌だ」
一言言うとにこやかにこっちを向いた。

江戸色

ここまで読んでくださりありがとうございました!

如何だったでしょうか?

文才0の私をこれからも末永く宜しくお願い致します。

江戸色

  • 小説
  • 短編
  • 時代・歴史
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-04-21

Copyrighted
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