卒業式

卒業式当日――

思いを伝えたい・・・


卒業式当日――


暖かな日差しの中
私たちは今日中学校を卒業する

小学校の頃からの友だちや
クラスメートと一緒にいられるのは最後・・・

小学校入学の頃から
早いものでもう9年が経つ――

これからはひとりひとり違う道を歩んでゆく

高校になったらみんなバラバラ・・・



桜吹雪が美しい春

中学校入学の時
同じクラスで席が隣だったのは真人君(まなと)だった

小学校時代は話したこともあまりなく
それほど意識はしていなかった

「俺は西岡 真人 よろしく!!」

話しを持ちかけたのは彼だった

「私は塚越 美沙希 よろしくね♪
 真人君だから・・・まーくんって呼んでもいい?」

「いいよ!!俺はなんて呼んだらいい?」

「なんでもいいよ♪でも
 みさき がいいかな??」

「よし!!今日から友だちだぜ!?みさき」

「うん!!」



まーくんとはこんな感じで友だちになった

最初は新しい友達って思ってたけど
一緒に遊んだり、話したりしているうちに
「好き」という感情に変わってきた――

笑ってるあの笑顔が好き
スポーツしてる姿が好き
友だちとふざけあってるところが好き
私の中に色々な「好き」が芽生えた



あれからもう3年

自分の想いを伝えられずに卒業か・・・

けど運がいいことに
高校はまーくんと同じ学校だった♪

学力はまーくんの方が上
私もまーくんと同じ学校に行きたい!!
という気持ちで猛勉強し
なんとか同じ高校にいけるようになった

高校生になったら告白しようかな・・・
そう思いながら卒業式を終えた


周りではカップルが第2ボタンをもらったり
名札をもらったり――
その後の約束もしてるだろうなぁ・・・


そう言えばまーくんはどこだろう?


そう思ってあたりを見渡すと
後ろから

「わぁ!!驚いた??
 今日で中学校生活も終わりか?
 なんか寂しい気もするな・・・」

「いきなり後ろからまーくんの声がして
 びっくりしたよ・・・
 ね?寂しいね・・・」


何気なく彼の学ランの第2ボタンを見てみると
すでになくなっていた・・・

彼はかっこよくて女子からの人気もよかった
やっぱり彼女いるんだなぁ


「そーいえば同じ高校に行けるんだよな!?
 よかったぁ??」

「え??よかったってなんで??」


そう聞き返すと彼は黙って
ポケットからボタンを一つ取り出した――


そしてボタンが付いてないところに持ていき

「俺の第2ボタンみさきにあげる」

といい私にボタンをくれた

「なんで私になんかに!?
 彼女いるんでしょ??その子にあげなよ・・・」

そう言うと彼は

「俺に彼女はいないんだ
 だからみさき、俺と付き合ってくれ」

そう言って彼は私を抱きしめ
キスをしてくれた――

「ありがとう♪私もまーくんのこと好きだょ♪」

と私は返事をした

卒業式

卒業式

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2010-12-27

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