アビリティーパーソンズ

太陰暦1000年
この世にはあらゆる特殊能力をもった人々がいる。
この物語りの主人公も特殊能力者の一人である。

第一話旅立ち

太陰暦1000年
この世にあらゆる能力者が生活をしている。
ここにもある能力者が暮らしている・・・


何だか焦げ臭い・・・鼻にツンとくる臭いで目覚めた
「何だこれ・・・どうなってんだ・・・」
周りを見ると全て焼けていた。火事だと思い外に出ると空気中に煙が蔓延していた。
辺りに煙の焦げ臭い匂いが鼻を貫いてくる。
「火事・・・なのか?こんなことって・・・」
周りの建物も全て煤になり、原形を留めていなかった。
「とりあえず生存者を探さないと。でもこんなことって・・・」
恋人の桜が住む家へ向かう事にした。


俺は山東猛 18歳。
フレイムハンドラーという炎を操る能力者だ。
炎を操るため、体に炎の耐性があるため焼けずに済んだのだ。
ここは極東郡山間村。田舎だが皆人情にあふれ凄いいい人達だ。
それがこんなことになるなんて・・・


生存者を捜しながら恋人の家を目指すが一向に生存者は見つからない。
死体が幾つも転がっている。油が燃えた匂いが辺りを包んでいる。
涙を堪え希望はあると信じて前へ進むと村の出入口が見えた。
村の境がくっきりと分かる。
村の内側が完全に焼けていて外側は無事だ。
炎を操る者なら分かるが、これだけ境がはっきり分かることはない。
操る者がいないかぎり・・・
人の手による者だと分かりうなだれていると
「猛!何があったんだ!」
振り向くと道重茂実、この村の村長が声をかけてきた。
「村長!無事だったんですね!良かった・・・」
生存者が居てホッとするがすぐに茂実が
「何があったんだ?これはどういうことなんだ?」
茂実は明らかに動揺している。この人が放火したのではないと確信し説明をした。


「そんな・・・じゃあ何者かが能力を使って・・・くそ!」
茂実の顔が怒りでみるみる赤くなっていく。
茂実は前日の夜から隣村の行事に参加していたため難を逃れたという。
「わしがいれば・・・」
と何度も言ってる。
「村長のせいなんかではありません!村長がいたとしても恐らくおきたとおもいます。だからご自分を責めないでください!」
村長が泣き崩れるがまだやることがある。
「村長。まだ生存者がいるかもしれません急ぎましょう!」
まず桜の無事を確かめたい・・・
北へ10分程進んだところで桜の家に着いた。
生きていてくれ・・・そう思いながら敷居を跨ぐと直ぐにあの油を焼いた匂いがした。
恐らく玄関があったであろう場所に一人俯せで倒れていた。
「そんな・・・嘘だ~!!!」
泣き崩れた俺に茂実が
「まだ桜ちゃんと決まったわけではないだろう?」
いや、桜だ。俺には分かる。
「腕に付けてる金時計は俺がプレゼントしたんです・・・」
誰がこんなことを・・・
「埋めてやります・・・」そう言って外へ出た瞬間に
「呪震撼!!!」どこからか聞こえた。
「うぁー!!!」体中が締め付けられ呼吸が苦しい・・・
あれは呪文だ!そう気づき茂実に
「そ・村長・・・直ぐに軍を・・・呼んできてください・・・ここは・・・まかせて・・・」
とぎれとぎれになりながら言うと
茂実は確かに頷いて裏から走って行った。
反撃をしなければ殺される!
「フレイムスペルガー!!!」炎の呪いで見えない敵を攻撃すると
「呪岩!!」正面から呪いの衣を纏った岩が飛んでくる。
それをかわし外へ出ると
「ガンフレイム!!」両手を前に突き出し炎の球を連続して出し敵が隠れている場所に次々投げていると
「呪御!!」全て防御されたが敵の姿が見えた。
その者は知っている人間だった。
「若山さん・・・あんたがやったのか・・・」若山は村長秘書だ。
「お前がこの村の能力者か。消させてもらう!」するといきなり
「呪龍岩結攻!!!」
で、でかい・・・
大きな龍が出てきた。
「消えてなくなれ!」
何で攻撃されなきゃいけないんだよ!
ただ、スペルを唱えてる時間がない!
ギリギリの所でかわしたが、左肩に呪傷を負ってしまった。
左肩が動かない・・・
若山と睨み合いながら次の出方を伺っていると
「呪龍岩結攻!!!」
またかよ!しかし今度は大丈夫だ。
「バベルガフレイムオメガ!!!」
炎の龍と岩の龍がぶつかり合う・・・
ドォーン!!!
でかい音がなり辺りに砂埃が舞う。
砂埃がおさまり直ぐに
「ガンフレイム!!!」
相手がどうなっているかは分からないが桜を、この村の皆を殺した奴だ。
しばらくして術をやめると若山が倒れていた。
「さぁ答えろ!何故こんなことをした!!!何故桜を!何故皆を!!!答えろ!!!」
若山の胸倉を掴み問いただすと、うなり声を出しながら
「PUCDという・・・組織から・・・金を・・・・貰った・・・この村の・・能力者を・・・殺せと・・・・」
「PUCD?何だそれは?何故能力者を?そいつらはどこにいる!」
「知らない・・・・ただ・・・中央郡に行った時に・・・・金を・・・・貰った・・・」
なんだそれ・・・それだけのために村を・・・・
「くそ!ふざけんな!」
殴り掛かろうとした時に
「やめたまえ!もう終わりだ!」
振り向くと軍服姿の人が何人もいた。
その中から茂実が出てくると
「無事か?怪我は無いか?」
と駆け付けてきた。
そういえば肩の呪傷が消えてる。
「大丈夫です。若山がやったみたいです。」
そういうと
「なんだと?そんなまさか・・・すまない・・・わしの監督不行き届きだ。」
「はい!そこまで!そいつを連行する。」
そういって軍人が若山を車に乗せた。
「私は真西透。国連軍大佐だ。君、なかなか良い術者じゃないか?どうだ、軍に来ないか?」
そういって握手してきた。
「今は何も考えたくありません。すみません・・・」
「まぁ、仕方ない。私はしばらく中央南司令部に居るから気が向いたら来てくれ。では犯人逮捕協力感謝する。」
そういって敬礼した。
「わしも隣村でしばらく過ごす。お前さんはどうするんだ?」
茂実が聞いてきた。もうなにをするか決めてある。
「俺は中央郡に行きます。村長さんお元気で。」
そういって生まれ育ち、桜と過ごしたこの村を出た。
PUCDという謎の組織を潰すために。

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出生村が一夜で焼き尽くされてしまう。 この物語りの主人公、山東猛は村を焼き尽くし、恋人を殺した本当の首謀者に復讐するために旅を始める。 全ての人々に読んでいただきたいと思います。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-02-26

CC BY-ND
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