学校で・・・

それは3年前のこと――


小学校を卒業する時だった

私がずっと好きだった遊(ゆう)君が
卒業したら引っ越してしまうと言う話を聞いて
まだ自分の気持ちを伝えていないことに
気が付いた


そして勇気を出して告白してみた


「ありがとう 実は俺も好きだったんだ・・・
 いつか絶対に返ってくるよ」


そう彼は言って行ってしまった

今でもその言葉ははっきりと覚えており
心の中にある――



今中学3年である私は受験に向けて
日々努力していた

しかしその努力のせいだろうか
寝不足で体力がない・・・

昼休み食事を済ませて校庭の木陰で
ひとりで休んでいた

うとうとしていたらそのまま寝てしまった

気付いたのは午後の授業開始2分前

日々の疲労がどっと出たのだろう
そんな気持ちだったので午後の授業はサボった


ひとりで色々考えていた

遊のことや受験のこと――
そー言えばあれから3年か
やっぱり忘れてしまったよね・・・

そう思いつつ再び意識が遠くなる――


かすかに人が近づいてくるのが分かった



「ただいま 香織今帰ったよ」


それはあの頃とは体も大きくなり
一段とかっこよくなってる


それはまぎれもなく遊だった――

学校で・・・

学校で・・・

  • 小説
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  • 全年齢対象
更新日
登録日
2010-12-24

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