失望

東京が冷たいのではない
私が冷たいのだ
それに初めて気がついたとき
背筋がぞっとしたことを良く覚えている
それは眼を背けてきた事実であった
田舎にいた時にはできたことが
都会に出たからと言って
できなくなるということは
結局 そういうことなのだろう
私は 私に絶望した
他人の眼とか
流れとか空気とか
いろんなものに染まって
何が大切かを見失うような
そんな弱い私に
私は絶望した

失望

失望

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-02-11

CC BY-NC-ND
原著作者の表示・非営利・改変禁止の条件で、作品の利用を許可します。

CC BY-NC-ND