君は僕のお嫁さん

初の恋愛系を書いてみました。

最後のシーンに注目して読んでください。

僕はあの時彼女と約束した。

「まさとくん、しょうらい あたしのだんなさんになってね」

「ゆきちゃん、しょうらい ぼくのお嫁さんになってね」

僕は普通の高校生だった。 何も変わらない普通の高校生。 彼女もそうだった僕の将来のお嫁さんの井上由紀も。

僕達二人は幼稚園からの幼なじみだった。幼稚園入学前に彼女達一家はとド田舎に引っ越してきた。

家は隣の家で僕と同級生という事もあって親同士仲良しだった。でも、僕は彼女と遊んだり話したりはしなかった。

そうして 僕達は幼稚園に入園した。

僕は幼稚園に行くのが嫌だった。 友達もできずにブランコの上に座っている僕に最初に話しかけてくれたのは彼女だった。

彼女は元気で明るくて友達もたくさんいた。 僕とは大違いだ。

その日から僕は友達が一人できた。 そしてその日から毎日のように飯事をしたり、鬼ごっこや時にはヒローごっこして遊んだ。

そのうちに、自然と友達もできていった。 彼女は僕の女神様だ。

でも、お互い友達と遊ぶようになり、彼女とは遊ばなくなった。

そんな ある日彼女は隣の町に引っ越していった。

彼女は僕に別れも言わずにいってしまった。

家に帰ると母さんが僕に封筒を渡してきた。

中身を見ると一枚の手紙が入っていた。 その中にはこう書かれていた。

「まさとくんへ わたしはひっこししちゃうけどげんきでね」

見事なほど幼児が書くようなひどい字だった だけど 自然と涙が出てきた 僕はとても由紀に言いたいことがあったのに言えなかったから。


そして 月日は流れて中学生になる前の春休み 急に父の仕事の関係で隣町に引っ越すことになった。

その時は心配だった。

でも、そんな不安は消え去った。

なぜなら 引っ越した家の隣の家がなんと幼稚園の時引っ越していったあの井上由紀の家だった。

たぶん、親が隣町に引っ越すことになった瞬間に決めていたのだと思う。

そして、新転地で初日 彼女はやはり来た。 性格は昔と変わっていなかった。

体型はとても変わっていた。身長は見事に僕より上、痩せ型で髪はセミロング 顔は超がいくつも付きそうなほどの美人 おまけにバストは成長段階というところだろうか。

僕は、一目惚れって奴を体験した。

そして 中学に入学した初日から、僕の隣の席彼女はまさに学校のプリンセスとなった。

彼女の周りにはいつもたくさんの友達がいた。

ちなみに、僕は前の席の安達良祐と友達になった。彼は女友達も多くクラス2位の数の友達を持っているといってもいいだろう。

しかし、1位はもちろん彼女だ。彼の性格は女の前では見事な白馬の王子様だが、男子の前ではエロの帝王である。

彼女は席も隣っていう事でよく話しかけてくれた。そのせいかよく僕と由紀が付き合っているという噂が立ち男子共がよくいちゃもんをつけてきた。

そんなある日、由紀と一緒に下校しているとある男子が来て由紀に告白をした。由紀の返事はNO! なんだか安心した。

そんな事もあってか帰り道幼稚園の話で盛り上がった。そこで 引越しする前に言おうとしていた言葉があったことを由紀に話してしまった。

その後は質問責めに遭い 見事撃沈 その言葉を言ってしまった。

「実は、お前が引っ越す前に言おうしていたけど言えなかっただけど・・・・」

「何よ、言えなかった事って」

「あの時さあ。 僕は君に・・・君に・・・」

「何?」

「お嫁さんになってって・・・」

「ハッキリ喋りなさいよ!!」

「だから、僕のお嫁さんになってっていおうとしたの!!」

見事に時間が止まった。

そして、しばらくして彼女が、

「真人君、それ私が引っ越すだいぶん前に私に言った気がするんだけど」

頭が真っ白になった。

そして ふと思い出した。

そうだ あの日僕は由紀と約束した。

その時の事などすっかり忘れていた。

すると彼女が呟いた。

「真人君って彼女いる?」

少し戸惑いながら答えた。

「別にいないけど・・・」

すると後ろいた彼女が回り込んで僕の顔を覗き込んで言った。

「約束は守ってよね・・・」

彼女のホッペが急に赤くなった。

もちろん、僕は体が熱くなった。

それ以降は話さずに家に帰った。

4月25日彼女ができた。

翌朝 玄関を出ようとすると門の前で由紀が立っていた。

昨日の事は夢のように思えたが急に彼女が言った。

「今日から真人君は私の彼氏だからね・・・」

あさからの心臓がバクバクでその日は彼女と話ができなかった。

1週間後にはクラスだけではなく学校全体、親にまでこの事が知れわったってしまった。

そんな 激動の中1が終わり僕らは中2になった。

彼女とは見事にクラスが違った。

クラスの前の席はこれは奇跡と言っていいほど 安達良祐であった。

彼は見事に変わっておらずエロの帝王は抜けていなかった。 そのせいか女友達には逃げられ友達は僕を含む5人ほどに減った。

安達には彼女も出来ず飢えていた。 そしていつも言う。

「お前は良いよな学校のプリンセスが彼女でよ~」

そんな彼にも春が来た。

エロの帝王と言う事を知っていても奴の事が好きな女の子がいたため 奴は春が来た。

その女の子はまあまあ可愛い子だがエロには興味が無いらしい。


そんな中2が終わろうとしていても由紀と僕の関係は崩れなかった。

クラスが違っても夏祭りや文化祭などは一緒に行って楽しんだ。

中3になり今年は由紀と同じクラスになった。

修学旅行では東京に行った。

僕は由紀のためにお金を使いすぎて帰りし空腹で死にかけた。

夏祭り 花火を二人で一緒に見ていると神社の石段で安達がキスしているのをこっそり二人で見て楽しんだ。
後で安達に話すと怒られた。

そういや、僕と由紀はキスをしていない そのことで、無性に不安になってきた。

体育大会では元陸上部の安達のせいでリレーはビリになった。安達は自分の彼女に良い所を見せようとしてこけたのだ。笑いが止まらない。

文化祭 僕と由紀は二人で校内めぐりをした。

僕達のクラスは安達がお化け屋敷がしたいと言い出したのでお化け屋敷となったが僕と由紀は準備係だったので今日はフリーなのである。

ためしに入ってみるといつもの教室がとんでもないオーラを出していた。由紀は相変わらず僕より背が高いのしがみ付いてくるのでそっちの方が恐かった。

そんな 楽しい中3も後数ヶ月と迫った時由紀は突然僕にいった。

その時は何がなんだか分からなかったが家に帰ると理解ができた。

彼女は僕に約束が守れないと急に言い出したのである。訳を聞くと、彼女の体は後3ヶ月しか持たないと医者に言われたらしい。

僕は嘘だと相手にしなかったが彼女は泣きながら僕に言ってきた。

その時僕は気づいた。 彼女は修学旅行に来なかったし体育大会も出ていない。文化祭の時もなぜか2年前の入学当時のような元気がなかった。

なぜなら 彼女は生まれたときから持病を持っていた。 中学2年生までは普通の生活を送れていたが今年の新学年が始まる頃に病気が悪化したという。

その晩、眠ることができなかった。 それから 由紀は学校を休むようになった。

ある日彼女は家の中で倒れた。

救急車で運ばれ入院することになった。

彼女は推薦で高校に行ける事が決定していた。

僕は入試前の大事な時期でもあり電話でしか会話ができなかった。


そして 入試も終わり 僕は彼女と同じ高校に行く事になった。


その頃彼女の病状も安定していたため 激しい運動をしなければ学校生活を送れるようになっていた。

そして2年連続で彼女とは同じクラスで席が隣になった。

ある日の帰り道僕は思い切って彼女を僕の家に招待した。

親は出かけており家の中には2人しかいない状況、ここで 安達なら想像の範囲内の事をするが彼女はそんな状況では無い。

僕はソファーに腰掛けてボーっとTVを見ているといきなり目の前が真っ暗になった。

気がつくと由紀はいつものように後ろから回りこんできて僕にキスをしたのだ。これは僕にとっても彼女にとってもファーストキスであった。

数秒間だけ思考が停止した。 気が付くと彼女は僕の隣に座っていた。 あの時みたいに心臓がバクバクしていた。

何も話さず時間だけが過ぎて行った。

すると 由紀が、

「あのさあ、デートに行かない週末? 遊園地でもショッピングでもそして最後に私と真人君が始めて出会った場所に行きたい」

僕は、ただ首を縦に振ることしかできなかった。

「約束は守れそうにないから。 まだ 1度も私からデートに誘って無いからこれが私が最後に真人君できる守れる約束」

僕は、自然と涙が出てきた。彼女はいつも僕を救ってくれた幼稚園の時も中学入学の時も高校入試の時も彼女は僕を支えてくれた。

そのことに たいして 感謝の気持ちが溢れてきた。

週末 僕の家の前集合で僕と由紀は最後の約束を守るために遊園地に行きショッピングに行き そして、あの幼稚園のブランコの上で何時間も話した。

今までの思い出の事について。 僕は改めて思う 彼女が由紀が居なかったら僕は生きていけなっかった。

そして 今度は僕は由紀とまた約束した。

例え、何が起きても僕は由紀の旦那さん、君は僕のお嫁さんになることを。

そして 1週間後由紀の病状が悪化し入院した。

3日後、4月25日 由紀と付き合いだしてちょうど3年目が終了し4年と少しの時間

由紀は僕との最初の約束は守れなかったが最後の約束は守ってから天国に旅立って行った。

由紀は僕より何事も勝っていた。身長も勉強も足の速さも全て勝っていた。

でも 僕より先に死ぬことはなかったんだ。

由紀の親から由紀の葬儀の日 封筒を手渡された。

中には、あの時と同じように手紙が一枚入っていた。

真人君へ

私はまた真人君の前からいなくなるけど悲しまないで。
最初の約束は守れなかった事はゆるして。
私は真人君と会えてよかった。
たくさんの思い出ができたし、最初の友達が真人君でうれしかった。 最初で最後の彼氏が真人君で本当に私は幸せだと思っています。
私は真人君に支えられてここまで生きてこれました。感謝を言うのは私の方です。
最後に約束してください。
真人君は私の分まで人生を楽しんでください。

4月24日 井上由紀

その手紙はあの頃とは違って綺麗で堂々としていた。

由紀に言いたいことがある。

「僕のお嫁さんになってくれてありあとう」

君は僕のお嫁さん

頑張って書いてみました。

あまり途中は深く書いていませんが、そこはあえて書いていません。

皆さんの過去に当てはめて読んでいただければ嬉しいです。

君は僕のお嫁さん

初の恋愛物を書いてみました。 想像力をはたらかし読んでみると面白いです。 自分自身書きながら泣いた作品です。 ぜひ 読んでください

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2012-02-20

CC BY-ND
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