真っ赤に染まった君の頬
 いつからだっけ?彼女がこっちを見るのは。気がついたら、僕をいつも見てるのは彼女だ。目があうと、頬を真っ赤に染めてパタパタと逃げていく。
 ……可愛い
 不覚にもときめいてしまった。
 毎日毎日、そんなことの繰り返しで、ある時、彼女はたまたま放課後残っていた僕を見つけて、声をかけてきた。たった、一言のために。だけれど、彼女はその一言を言ったきり僕の前に現れなくなった。そう、いなくなったのだ。
 いなくなったのか、僕がいないのか、よく分からないけれど、彼女は確かに僕の前から消えた。
 だから、最期にー………。
 おっと、回想はこれくらいで終わりかな?
 僕が消えたのか、彼女がいないのか、さっぱりだけれど、あの時のことはよく覚えている。放課後に残ってた僕に、勇気をだして、「すき」と伝えてくれた彼女。名前の通り、林檎みたいに頬を染めていた。
 もう感覚がなくて、どこにいるのかもあやふやなのに、やっぱり最期に思い出すのは、彼女の真っ赤に染まった頬の色だった。
真っ赤に染まった君の頬
知り合いのお題が、とっても可愛かったのでもらってきました。
10分間で書くのもお題です。