羽休め

一人で生きていけるように育てたんでしょう?
私もそのつもりで生きてきたし
誰が死のうと私と弟が生きていければそれでいいと思って
両家との仲は未だ保ってはいるし
一つ家は手に入ったし私のやることはもう十分終わったじゃない
もう一つの家も手に入りそうだけれどね?
ほら十分じゃないか

縋りたくても縋るものさえなくって
私はあの時 覚悟はできてたんだ
一人でも生きていく覚悟
母親がいつ死んだって気丈に弟を引っ張っていく覚悟も

縋るものさえなかった私は何処かでおかしくなってしまって
感情の欠如が未だある
私はやっぱりどこかおかしい
いつだって必要に迫られれば切り離せるように境界線はしっかりある

そういう人付き合いだって自分で生きて学んだ

いまも簡単に人との関係を終わらせることができる

そうしたのはあなたたちでしょう?
いったい何が不満なの?

弟は優しい?
でも僕はそう思わないよ
優しい?違うね
甘いんだ
ただの甘ちゃん
でも甘ちゃんだからこそ周りが助けてくれるだろうよ

それでいい
汚いものはゆっくりみて学べばいい
周りの汚いものは私がしっかり始末した
何年と時間がかかったけど
思い通り駒を進めた


でも僕の自由はどこなの?
いったいいつ誰が僕に自由をくれるの?

働きすぎて疲れた僕はどこで羽を休めればいいの?
僕は母親さえも信用してない
病と精神的に追い詰められて幻覚にまで悩まされた僕を救ってはくれなかった

僕はいったいどこで羽を休めればいい?

いまも縋るものさえないんだ
いくつもある仮面はどこで外して捨てられる?


捨てるつもりもない
縋りたくない
今更だ


そう
僕は一人でも生きていけるよ
経済力さえあればね

だから願う
自由をください

羽休め

羽休め

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-26

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