ロンドン版「シヨーシャンクの空に」

ロンドン版「シヨーシャンクの空に」

    ロンドン版「ショウシャンクの空に」の感想

2015年1月14日 広島アステールプラザ

原作=ステイーヴン・キング(「刑務所のリタ・ヘイワース」)
演出=白井 晃

キャスト
アンディ=佐々木蔵之介
レッド =国村 隼
トミー =三浦涼介
ブルックス=小林勝也
スタマス=板尾創路

会場に入ると舞台には幕はなく天井から床まで舞台いっぱいに鉄格子がびっしり・・・。
やがてその中に人が現れ何か金属のようなもの(スプーン?)でその鉄格子を叩き始める。
始めはバラバラに、やがてその音が集まりリズムになっていく。
ここはアメリカ東部のメイン州にあるショウシャンク刑務所、恐怖と暴力、そして絶望が支配する場所。
そこへ新しい囚人3人が連行されて来た。その中の一人、銀行家として若くから成功を収めながらも、妻とその浮気相手であるゴルフ選手を殺した罪で、終身刑を言い渡されたアンディ・デュフレーン、とプログラムには書いてあるのだが、舞台ではずーーーっとアンディ・リフレインに聞こえていて・・・(笑)

この入所するシーンが凄かった(笑)
新入り3人が舞台の奥から連れ出されてきて横一列に並んだのだが・・・。
なんと全員が舞台の真ん中で客席に向かって服を脱ぎ始め全裸になった!!!
勿論急所は両手で隠しているが・・・、客席からもオオッと声が上がった(*^o^)

そして私が驚いたのは佐々木さんの体が、すごく筋肉質でとても逞しく立派だった事!
役者さんて何時裸にならねばならないからそれに備えて鍛えているのかな、と感心しきり。
他の二人まぁ普通なので、蔵ちゃんの立派さが余計に目立ったo(^-^)o
裸になった3人は後ろ向きになり真っ白な消毒薬を全身に降りかけられる。

誰とも口をきかず、奇異の目で見られていたアンディが初めて話しかけたのが、塀の外からあらゆる物を調達してくる「調達屋」のレッド(国村隼)だった。
「鉱物収集の趣味を復活させる為のロックハンマーを調達してほしい」いぶかしがるレッドに「自分は無罪だ」と語るアンディ。他の囚人とは明らかに異彩を放つ新入りにレッドは何かを感じるのだった――――。
このロックハンマーが後にある事に使われるのだが・・・。
この時から計画してた・・・?


永遠にも思えるような獄中での日々の中、アンディは、ボグス(谷田歩)ら暴力で刑務所内を支配する囚人グループから凄絶な暴行を受けながらも決して屈する事はなかった。さらにアンディは地獄のショーシャンクで少しでも人間らしく生きるため、途方もない時間をかけて静かに戦い続ける。が、冷酷な刑務所長スタマス(板尾創路)は、その掴みかけた希望を悉く打ち砕いていくのだった。

レッドはアンディの揺ぎ無い信念に触れ閉ざされていた自分の心に変化が起きるのを感じる。それは期待なのか?恐怖なのか?戸惑うレッドをよそにアンディの行動は徐々に実を結び始める。それは老年の囚人ブルックシー(小林勝也)、若い囚人トミー(三浦涼介)等を巻き込み・・・・、やがてショーシャンクには希望の光が射し始めていく。
しかし、このショウーシャンクにおいて、希望は毒ともなる。
抱き続けた希望の果てにアンディがとった行動とは―――。

以上の大半はプログラムより引用。

獄中の凄絶な暴行とはレイプのことである。この時は裸ではなく服を着たままではあったけど
鉄格子に顔を押し付けられたアンデイがレイプされるシーンはとても生々しく思わず目をそむけたくなった。
だがそんな事にも耐えて看守に相続税を軽くする手段を教え、その礼にと囚人たちにビールをご馳走するアンディ。
この事が所長にも知れアンディは所長の脱税に手を貸し所長に重宝されて、次第に獄中で優遇されアンディが希望することが叶えられ、老囚人が管理していたワゴン車のお粗末な図書館も立派なものになる。

だがこの老囚人ブルックシーは仮釈放になりたくないと・・・、35年も刑務所にいて外の世界には自分の居場所は無いと懇願する。ここに居れば図書館長だけど、外に出れば前科者は図書館にも入れないんだと嘆いていたが仮釈放になって、やがて彼の消息も途絶えた。この言葉を聞いたとき、高齢者が犯罪を繰り返す今の日本にも当てはまるな、と胸が痛んだ。

だが所長の信を得た事が新たな不幸の始まりになった。
新入りのトミーが他の刑務所でアンデイの妻と浮気相手を殺した告白を聞いたと話すとアンデイを釈放したくない所長はトミーを自殺に見せかけて殺してしまう。
このままでは一生ここを出られないと悟ったアンディは密かに計画を実行に移す。

本当の仲間だと信じたレッドに謎めいた言葉を残す。
自分は多くの財産を違う名義(名前を忘れた!)でメキシコに隠してある。レッドがもしここを出られたら、と暗号のような言葉を残しアンデイは刑務所から消えた!
アンデイの部屋に張られていたリタ・ヘイワースの大きなポスターの後ろの壁にぽっかりと穴が開いていた。
レッドが調達したロックハンマーで長年かけて開けた穴が・・・。

やがて仮釈放となったレッドはアンディが残した言葉通りのものを見つけやがてアンディと再会する・・・。

アンコール3回! 
最後はスタンディングオベーション!!!
佐々木さんも嬉しそうな笑顔だったよーーー!
久々に観た舞台!  良かったよ。

この「ショーシャンクの空に」は以前映画で見た事があった。
映画といってもテレビではあるが・・・(笑)
それでこの作品がどんな舞台になるのか興味があったし佐々木さんが出るという事もあって久々に舞台を観に行く気になったのだ。
映画ではアンディが脱走する時、所長のへそくりをそっくり奪って逃げ、所長がピストル自殺をしたと記憶している。非情な所長への復讐が成った!と想った記憶があるが、舞台では色々制約もあるしカットせざるを得ない場面もあるのかな。



実は昨年、主人を亡くし未だに立ち直れないでいる状態なのだ。
でも久しぶりに舞台を観てやっぱり舞台鑑賞は良いなと思った。少しずつでも外へ出ないとね。

ロンドン版「シヨーシャンクの空に」

ロンドン版「シヨーシャンクの空に」

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-01-15

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