オレンジ/前編
GReeeeNのオレンジをモチーフに書きました( ´ ▽ ` )ノ
今回は長くなりそうなので前後の2部作になります。
まずは前編から!
私、入山 菜月(いりやま なつき)、17歳。
ただいま、絶賛片思い中です。
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初めて会ったのは、去年ってか今年?の3月。
冬が過ぎて、だんだん暖かくなってきた頃。
ある日の学校の帰り道で、同じ制服を着た男子が私の前を歩いてた。
私と同じ帰り道の人はいなかったはずだから、すごく不思議だった。
まあきっと、私が知らなかっただけなんだろうな〜って思ってた。
でもそれから毎日、ずっと同じタイミングで帰ってる。
で、それにも慣れたある日のこと。
いつもは私もオレンジ君(私命名)もただただ帰るだけ、って感じだったんだ。
でも、その日はちょっと違った。
黙々と歩いてたオレンジ君が、急に立ち止まって、振り返った。
その視線の先には私がいた訳で、、、
目が合った。
今までずっと私の存在に気づいてなかったらしくて、びっくりした表情をした。
でもそのあと、急に、クシャっとした笑顔になって私に笑いかけた。
もう、一瞬で恋に落ちた。
顔を見たのは初めてで、でもそんなこと関係ないくらいドキドキした。
自分でも顔が赤くなってるのが分かって、すごく焦った。
でもそんなことどうしようもなくて、ただ緊張でひきつった笑顔を向けておいた。
そしたらオレンジ君は笑顔のまま前を向いて、また帰り道を歩き始めた。
私はまだドキドキしてて、しばらく歩き出せなかった。
それから家に帰って、オレンジ君はどんな人なんだろう、どんな声なんだろう、なんて名前なんだろう、、、って想像しはじめた。
明日また会えたら、名前を聞いてみよう。そういえば、うちの学校なのかな?何年生だろう。同い年だといいな。
明日またオレンジ君に会えることを期待して、私は眠りについた。
でも、その日の帰り、オレンジ君はいなかった。
その次の日もまたその次の日も、いっこうにオレンジ君は現れなかった。
ショックだったけど、そのうち、私はオレンジ君のことを忘れていった。
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で、話は今に戻る。
現在私の隣の席には、あのオレンジ君が座ってる。
『転校してきた神崎 秀(かんざき しゅう)です。よろしくお願いします。』
2年に進級した新学期。
そう言ってオレンジ君こと神崎秀は教室に入ってきた。
噂で転校生が来ることは聞いてた。
でもまさかそれがあのオレンジ君だとは。
新学期の席順は出席番号順だから、神崎くんとは隣な訳ですよ。
いくら存在を忘れていようとも、一目惚れした相手な訳ですよ。
もう心臓がドキドキでしたよ。
神崎くんは私のことを覚えてたみたいで、私に気づいた瞬間嬉しそうな顔をした。
もうそれがかっこよくてかわいすぎて。
また一目惚れしなおしてしまった。
「んーと...入山...さん?よろしく!
俺、一回会ったことあるよね?」
「神崎秀くんだよね?よろしく〜
前会ったことあるね!懐かしいなぁ」
この時点で私の心臓は死ぬんじゃないかっていうくらいドキドキしてました。
「あ、やっぱりあの時の!俺ずっと話してみたかったんだよね〜」
「ほ、ほんと偶然だね〜」
私は今、自然な受け答えができているんでしょうか。
緊張しすぎて普段の話し方を忘れてしまった。
「あ、俺のことは秀って呼んで!俺名字で呼ばれんのあんま好きじゃなくて...」
「ん、じゃあ秀くんでいい?」
「うん...うん、おっけー」
なんとなく、今、間があった気がした。まあいいや。
「あ、そういえばさ、入山さんって俺んちと方向一緒だよね!」
「あーそうだね」
「良かったらさ、一緒に帰んない?」
...ん?待て。今、え?なんて言った?
一緒に?帰んない??ん?あれ?
「...入山さん?聞いてる?」
思わずフリーズしてしまった。え、まさか一緒に帰れるとか。嬉しすぎるでしょうこれは。
「う、うん!聞いてるよ!
帰り、帰りね!そうだね!一緒に帰ろっか!?」
なんだか無駄に元気をつけて返してしまった気がする。
ってかオレンジ君...秀くん、よく喋るなぁ。
楽しいからいいけど。
その後も世間話をして過ごした。
「あ、あー...」
「?なんかあった?」
「私今日掃除だった...秀くん先に帰ってていいよ!」
「...わかった、」
残念だなあ。掃除なんてなければ一緒に帰ったのに。
まあ仕方が無いから、さっと掃除を終わらせた。
一日中降ってた雨が上がって、さっぱりとした夕焼け、オレンジ色の中。
ふと窓の外の校庭を見てみたら、
少しウロウロしてる秀くんの後ろ姿があって。
私のこと、待っててくれたんだ!
とても嬉しくなって、急いで校庭の秀くんのところへ駆け出した。
オレンジ/前編
読んでくださってありがとうございましたm(_ _)m
後編もそのうち投稿します。
遅くなってしまうかもしれませんがご了承ください。