愛し君へ

GReeeeNの愛し君へをモチーフに書きました。
今回は1番、2番、ラストの各サビをイメージして書きました!
ぜひ曲を聴きながら読んでください( ´ ▽ ` )ノ

今日で光(ひかる)莉子(りこ)が付き合い始めてから3年と半年が過ぎた。

光も莉子も同じ大学に通う大学2年生。
大学生活にも慣れてきて、今は同棲している。
知り合った時からお互いに惹かれ合い、光からの告白で付き合うことになった。

喧嘩をすることもあったし、倦怠期と呼ばれる時期もあった。
それでも別れの危機にも陥らずに、良好な関係のまま日々を過ごしてきた。

お互いが隣にいることが当たり前の日々。


―――――――――


「ねぇ、なんで光は私を選んだの〜?」

休日のリビング、のんびりとした時間の中で何気なく呟いた莉子のひとこと。
まさかそんなことを考えたこともない光は思わず莉子をジッと見てしまう。
「?どうかした?」
莉子は自分が言ったことの意味を考えてない。

(そういえば、俺はなんで莉子なんだろう?
そりゃ莉子よりも顔が可愛い子はいるし、莉子より大人しくて女の子らしい子もいる。
それでも俺は莉子が好きなんだよなぁ)

光が返事に迷っていると、
「まぁいいや〜」
莉子は軽くそう言って自分の部屋に入っていった。

『愛』って何かわからなかった


莉子がリビングを出ていってから、光は初デートの時のことを思い出していた。

―――――――――

付き合ってから初めてのデート、俺は緊張して眠れず、翌朝寝坊するという大失態を犯した。
『ごめん莉子!寝坊したから遅刻する!すぐ行くからちょっと待ってて!』
「...うん分かった、ベンチで座って待ってるね。」
急いで莉子に電話して聞こえてきたのは、莉子のあきれた笑い声。

莉子は少しも怒らずに、光のことをすんなり許してくれた。
なのに。

光はその後のデート中もぼーっとしっぱなしで、せっかくの映画では寝て過ごした。
当然さすがの莉子も怒った。
「ねぇ、私といるのつまんない?」
「え、なんで」
「だってさっきからずっとぼーっとしてるし、楽しみにしてた映画だってずっと寝てるし。」
莉子は怒ったような、でも少し悲しそうな顔だった。
「そんなことないけど。
眠いんだからしょーがないじゃん。」

なんでこの時の俺はこんな返答をしたんだろう。
ふと顔を上げると、目の前には今にも泣き出しそうな莉子の顔。
(あ、やばい)
そう思った時にはもう遅くて、莉子はボロボロと涙をこぼしはじめた。


その瞬間、眠気なんて吹っ飛んだ。
好きな人を泣かせてしまうなんて...
どうしてやればいいのか分からなくて、俺は直感的に莉子を抱きしめた。
そしてただ、謝るしかできなかった。

「ごめんな、」
「!?ど、どうしたの急に」
「俺サイテーだよな、好きな人泣かせるなんて。」
「...ううん、いいよ。いきなり泣いてごめんね。」

泣いた莉子を抱きしめたときに、胸がギュッと苦しくなった。
でも、すぐに分かった。
(ああ、これが『愛しい』ってやつだな。)

それで、莉子の泣き顔を見たとき、(コイツを絶対幸せにしてやろう)って、そう誓った。


―――――――――

そんなことがあったから、俺は今、莉子の幸せのために生きている。
莉子が笑顔でいられるように、そう思って、毎日を生きている。

好きって何だ

それから光は、莉子と出会った時のことを思い出した。

―――――――――

初めて莉子と会ったのは高1の春。
入学したての新学期、莉子とは席が隣だった。
第一印象は『おとなしそう』。
あの頃の俺とはあんまり気が合いそうなタイプじゃなかった。

でも、関わっていくうちに、だんだん芯のある強い子だなって思うようになっていった。
好き嫌いがはっきりしてる、ダメなものはダメって言う、でもおとなしいし生き物に優しい。
気づけば好きになっていた。

好きって気持ちはどんどんあふれていって、ある日、いっぱいになった。
ほんとはその日に言うつもりなんてなかった。
でも、放課後、あんなに優しい顔でクラスの花に水をやっていて。
それで、それを見てた俺にもあんなに優しい顔で笑って。

もう、なにがなんでも伝えようと思った。
『好き』って言葉じゃ言い表せないくらい想いがあふれていて、
ただただ自分の想いを伝えてったら、やっぱり『好き』って言葉にたどり着いたけど。

勢いで告白してしまった俺に、莉子は少し驚いた表情をしてたけど、そのあと笑って頷いてくれて。

そうして、俺たちの思い出が始まっていった。

心から愛し君へ


莉子との今までの思い出を振り返って、光は改めて莉子を大切に想った。
光にとって莉子は、これから先、何年、何十年と一緒に過ごしたい。色んなことを共有したい。そう思える存在だった。

一緒に泣いて、笑って、同じ時間を過ごしてきた。
だから、これから先もまた一緒に泣いて笑って生きていきたい。

そう思って、光は一人、心に誓う。

『これからもずっとずっと、心から愛し君へ。』

愛し君へ

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ここまで読んでくださってありがとうございました!

愛し君へ

GReeeeNの愛し君へをモチーフに書きました!

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-11-08

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work
  1. 1
  2. 『愛』って何かわからなかった
  3. 好きって何だ
  4. 心から愛し君へ