田舎の駅

 電車を待っている。
 向かいのホームには、少女が二人、何か話している。
 踏切がなって、電車がくる。
 とたんに景色が隠されて、
 その間に、こっそりと、
 彼女たちを連れて行ってしまった。
 また、誰もいなくなる。
 どこかで、犬が吠えている。
 暖かな陽に照らされて、
 マスクをした壮年が、
 あるともない、ごみを拾っている。
 電車は、まだ、来ない。

田舎の駅

田舎の駅

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-10-20

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