向日葵
向日葵:私はあなただけを見つめる・愛慕・崇拝
「葵ちゃん、おはよう。朝はやいねぇ」
「おはよう。水やりしてたの」
ジョウロを上にくいっとあげてみせた。
「葵ちゃんに毎日面倒さみてもらって、向日葵もたいそううれしいだろねぇ」
おばあちゃんは縁側でお茶をすすり、さっきまで私がいた向日葵畑をみすえた。
この家で私はおばあちゃんと二人で暮らしていた。
近所(といっても数十メートル離れた先の家)には男の子が一人住んでいて、いつも私と仲良くしてくれていた。
「おい、葵。水やり終わったらはやくいくぞ」
「はーい」
彼とは特になにをするでもなく、ただこの村を散歩するのが日課だった。
その中でする会話が、私は愛おしくてたまらなかった。
「ねえカンちゃん。」
「ん? どした?」
「カンちゃんはさ…好きな子とかいるの…?」
「……どうだろうな。お前にはいえねえよ」
彼の返事にいつも惑わされてばかりだった。
暑い暑い夏の日に、いつも会いに来てくれる彼。
私は彼が好きだ――。
向日葵
冬が来る前に夏の花を…と思い向日葵に。
私が好きな花でもあります。
向日葵の彼女にはかなしい話はいやだと思い、明るく幸せそうな話をと思い、片想い現在進行形にしました。