トワイライトゾーン

異世界でのほんのひとときの話しです。

トワイライトゾーン



もう冬に入りだそうとするこの季節


この地 オークニーではめずらしい灰色のオオカミが

のんびりと草を食べている羊に少しずつ近づいていく。



『オオカミが羊を襲おうとしている!!』



カスピアンはそれを見たとき

昨日おそわったばかりの魔法を使ってみたくなった。


右うでを伸ばし人差し指をオオカミと羊の間の地面に向けた。


「この地に住まう火の精霊よ

イフリートとの契約の名のもと

新たな主 カスピアンのもと

我が指さきに集いきたれ!


アグロン、テトラグラム、ヴァイケオン・・・・・・」



何もないはずのカスピアンの指さきの空間が輝きだし、

瞬く間に小さな光球となる。


「ヴァンアロー...」


カスピアンが小さくつぶやくと

指さきの小さな光球は一瞬の間に

オオカミと羊の間の地面にめり込み

小さな爆発を引き起こした。



オオカミと羊は何ごとが起こったか

理解するまもなく

それぞれ反対側に逃げ出し消えさった。



カスピアンは昨日 習ったばかりの魔法を十分使えたこと、

また羊を逃がすことができた結果にとても満足だった。


もう一度復習のため魔法を使おうと右うでを伸ばしたとき

何の前ぶれもなく

北風が吹いた。


北風にのってマスターの声が聞こえる。


「カスピアン.........カスピアン.........」



気がつくと白樺の影が不自然なフォークの先のように長くなっている。


『ヤバイ、陽が沈む前に帰らなくちゃ。
町へ遊びに行かしてもらえなくなる』



マスターと住んでいるハイランドへと

カスピアンは駆けだした。


『こんな時 ルーラが使えたらな・・・』


失われた世界で有名だったゲームの呪文が頭をよぎる。


『このたそがれ色のせいかな。
もう、戻れない世界の事を考えるなんて......

町での出来事。魔法で羊を救ったこと

今日はいろいろあったな...


私はこの先どうなるんだろう?』



そんな事を考えるカスピアンを引き連れて世界はつかのまの

トワイライトのメイクを楽しみ始めだしていた。


山も川も渓谷も、そして青い空も全てトワイライト色に染め出す。


『明日の悩みは、今日はしない』


不意にマスターの口ぐせが頭をよぎる。



とりあえず今を楽しもう!!



カスピアンは走るのをやめ、つかのまのトワイライトゾーンを味わい楽しむ事にした。



そして、この世界を楽しみながら生きる事を自分に誓った。

トワイライトゾーン

初めて創った作品です。

これからも創っていきたいので一言でもいいので感想もらえるととても嬉しいです。

こうした方がいいとかのアドバイスなどあれば遠慮なく忌憚の無い意見をお待ちしています。

よろしくお願いいたします。

トワイライトゾーン

カスピアンは久しぶりの町へ出かけた帰りオオカミが羊を襲おうとしているのを見つけた。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-09-22

CC BY-NC-ND
原著作者の表示・非営利・改変禁止の条件で、作品の利用を許可します。

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