一人ぼっちの東京

大都会東京・・・。何千万の人々が暮らしている、街角に出れば、多くの人とすれ違う。しかし 僕は一人ぼっちだった。まだ、29才だが希望とか夢の持てない社会に生まれて、まして、家族も友人まいない現実。この先ろくに良い事はないと思うが、取り合えず生きている。ただ生きている。ただ探している。ただ求めている。 見えない答えを求めて・・・・・。 ただひたすら・・・。歩き続ける。

ネットカフェ難民

 僕は、今 薄暗い部屋見たいな所で、仰向けで寝ている。 コンクリ-トの黒い天井に、薄っすら紫の蛍光色が輝いているのを、何も考えず ただ ただ 見つづけていた。 うす暗い闇が支配する所 行き場を失った人達が集まる場所 そう ここは、東京のネットカフェの店内だ。 僕は、ここを利用して もう、 一ヶ月が過ぎようとしている。僕の、名前は中田鉄平 29才 独身 家なし 彼女なし 家族なし 金なし ・・・。なしが多すぎです。 両親は、生きていると思うけど、 僕が、3才の時施設に預けて それっきり音信不通である。18才で、施設を出て 派遣の寮を転々とし 半年前 急に派遣会社の担当から 「中田君、今週いっぱいで仕事終わりだから」と言われ 仕事が無くなり 派遣の寮を出ることになった。今は、コンビニの商品を発送する倉庫で、日払いのバイトで働いている。 そう 世間では ネットカフェ難民と言うらしい? まあ どう呼ばれても いいんだけど。 利用者の立場で言わしてもらうと そうだな? ネットカフェ長期利用者なんてどうだろう?結構同じ店を利用すると、店員が、あからさまに一般の客と差別する。例えばこの前、夜11時過ぎナイトパックを利用しようとしたら、店員は、いきなり変な目でにらみながら 無言だった。僕は、「ナイトパックでお願いします。」と言うと、店員は 「カ-ド」とぶっきらぼうに言った。僕は、あわててジ-パンのポケットから財布を取り出そうとした時、ちょうど24、25才の小奇麗なOLの女性が、受付に来た。すると 男の店員は、満面の笑顔で接客し 最後に大きな声で「ありがとうございました」と言った。 その後 僕は会員カ-ドを、受付のテ-ブルに置いた。

差別

すると さっきの店員はカ-ドを受け取り、また ぶっきらぼうに「どこですか? 席? 」 僕は、言った。「38番で。」 お互いに無言だった。店員は、手続きが終わると 僕のカ-ドを、投げて渡した。スルスルと受付のテ-ブルをカ-ドが滑り そして、僕の足元に、カ-ドが落ちた。 僕は、とっさに足元に落ちているカ-ドを拾い上げ足早に個室に入り、薄い扉を閉めた。 何というみじめさ 何という悔しさ 何という悲しさ・・・。 無性に心が締め付けられ そして、自分のこころがバラバラになりそうだった。 僕は、そのまま崩れるように床に体を横たえ そして、胎児のように体を縮め 両手の拳を固く握り締め そして、隣の部屋に聞こえぬように 泣いた。その後そのまま浅い眠りに入り、朝を向かえ店を出てJR池袋駅構内にあるコインロッカ-から、青色のリュックを取り出し高島平のバイト先へ向かった。こうゆう日がいつまで続くのか解らないけど、確かなことは、夢もなく希望もない多分最後には、生きる意味もないように考えると思う。人は、ただ食べて寝て、その日の生きていく金を貰う為に好きでもない仕事を死ねまでやるんだろうか? まして、バイト先では、名前ではなく派遣先の会社名やひどいときは、着ている服の色でよばれるありさまで・・・。本当に、自分が嫌で嫌でたまらない。よくテレビの番組で、派遣の話がでるけど難しい事は解らないけど、だれが悪いとか 本人が悪いとか言っているけどそんなこと言わずに、みんなが笑えるような、生きていて少しだけでもいいので希望とか夢が見れる社会になったらいいじゃん。 そう、単純に思う。本当 単純に。

毎日毎日、ネットカフェとバイトの往復で、先の見えない日が続いた。いや違う本当に僅かだけど、この生活から抜け出す為、僕は毎日僅かだが、手元に千円か二千円を残してきた。今は約十万円ちょとある。しかし、これぽっちだとアパ-トなんて借りれる訳がない。せめて五十万位なけらば・・・。やっぱり金だよなぁ-・・・・・。 次の日 バイト先の帰りに、池袋の吉野家に行った。オレンジのストライブ柄のエプロンをした。二十歳位の若い中国人男性が注文を取りに来た。「何に、しますか?」「牛すき 並で」しばらくして 熱々の牛すき丼が目の前に来た。 一口食べた。「うまい」口の中全体に肉汁が広がった。この一口の為に、今日が存在しているように思えた。五分程で丼をたいらげ、さっきの店員に金を払い店を後にした。外に出ると体の中が暑く、うっすら額に汗がにじんできた。そう 派遣先を出て、もう六ヶ月が過ぎ季節は六月末にさしかかっていた。ネットカフェのナイトパックには、まだ時間があるので豊島区役所裏にある公園で時間を潰した。 ちなみにナイトパックとは、夜11時から翌朝5時迄のセットで安い料金に設定されています。 「おい!お前!」大声で後ろから声がかかった、僕は、木のベンチに座ったまま顔だけ後ろに振り向けた。大柄な相撲取り風の目の細い警察官が一人、僕のすぐ後ろに仁王立ちしながらこう言った。「この公園から、今すぐ出て行きなさい。」なぜ?そんな事言われなければいけないのだろうと強く思い。僕は言った。「ただ、公園で休んでいるだけです。」すると大柄な男は、「出てけ!!」「虫けら!!」と警棒を抜いた。僕は、慌てて公園を後にした。さっきの公園に蟻が何匹も地面を這っていた。僕は蟻以下の存在のような気がした。蟻が良くて人間は、なぜダメなんだろう?素朴にそう思った。でも、しかたがない、これが僕の生きている世界なんだから。そう自分に言い聞かせながら池袋の街をあてもなくさまよい歩き続けた僕が、そこに、居た。

一人ぼっちの東京

続く。

一人ぼっちの東京

たった一人孤独と刹那に生きる、中田鉄平29才。派遣切りで地方から大都会東京に出てきたが、東京での暮らしは、冬の夜に冷え込んだ。コンクリ-トの冷たさのようだった。彼の将来は、まさに太平洋のただ中に、小さなボ-トでただ一人彷徨うように、流されている・・・。 ただひたすら夜空を見上げながら、輝く星を探す彼だった。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2010-11-14

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  1. ネットカフェ難民
  2. 差別