放課後 君と。[影日]

初小説投稿。
ハイキューの影日となっています。

ハイキューの影日小説。

烏野高校排球部。

「お疲れ様でしたーっ!」
今日も放課後の部活が終わった。
「じゃあ片付け始めろよー!」
キャプテンである澤村大地の声で、全員が片付けを始める。
その時、日向が澤村のところへと来た。
彼も部活で疲れているのか、汗がたくさん出ていた。
その姿を見るだけで、こちらも暑くなりそうなくらいだ。
「すいません!ちょっと水飲んできます!!」
そう言って水道へ向かって走っていく。
外はもう、少し暗くなっていて、その暗闇へと向かう日向がどんどん小さくなっていった。

**Hinata side**
外の風が気持ちよく感じる。
体育館は少し蒸し暑くて、いつもだが汗が多く出てきてしまう。
でも、大好きなバレーをやっている時はそんなことは気にならない。

水道の蛇口を捻ろうとする。
だが、蛇口の少し上にある物を置く場所にスポーツドリンクを見つけた。
どうやらまだ、開けてはなさそうだ。
「…まあ、飲んじゃってもいいよね!」
そんな軽い気持ちで、キャップを開けて飲んだ。
「ーっ!?」
突然視界がぐにゃりと眩む。
(苦………しっ…)
体もどんどん熱くなっていくのがわかる。
そして、俺はその場で眠りについてしまった。

**taiikukan**
ネットも片付け終わり、モップももう かけ終わる。
だが、日向は体育館へ戻ってこない。
日向が体育館を出てから、10分以上は経っている。
「影山!!日向を見てきてくれないか?」
心配に思ったのか、澤村は影山に声をかけた。
「わかりました。水道ですよね?」
「ああ、悪いな」
影山は、水道へ向かって走っていった。


**Kageyama side**
「あのボゲ日向は何してんだよ」
小声でボソリと呟く。

水道に着く前には、日向の姿が見えた。
「おっ…おい!日向!?」
彼は倒れている。
俺が必死に日向の体を揺さぶっていると、日向の目が開いた。
だが、日向は何故か赤い顔をしてボーッとしている。
「日向ー?」

**taiikukan**
「遅いなーあの二人。」
澤村はずっと心配している。
「じゃあちょっと様子見に行こう」
菅原も心配しているのか、にっと笑い、声をかけてきてくれた。
こうして、菅原の提案で全員で水道に行くことになったのだった。

**Kageyama side**
大勢で走ってくる音が聞こえる。
「影山!日向はー…?」
菅原が大声で尋ねた。
「あっ…あのー……」
俺はこの状況をどうやって説明しようかと考えるのに必死だった。
そして全員の視線が、座りながら俺に抱きついている日向へと向く。
「…えーっと………」
俺を含めた日向以外の全員はこの状況を理解できていない。
「影山は俺のもんだあっ!!」
突然大声で叫びだした日向。
しかも言ってることが…めちゃくちゃだ。
「プププ…w ついに君たちデキちゃったの?プププ…」
月島が笑い出す。
「ちげぇーよ!おれだって…よくわかんねぇし」
俺は表情を曇らせた。
しばらく沈黙が続く。
「あっ!影山の家に日向を泊まらせればいいんじゃない!?」
沈黙を破った菅原のアドバイス。
(……この人は天然なのか…?)
なぜ菅原の思考がそこにいくのかわからない。
でも、日向は俺から離れようとしないから、もしかしたらそれが一番良い方法なのかもしれなかった。
しばらく悩んだ。
だが、その案以外見つからない。
俺が、こいつから離れようとすると、ぎゅっと強く抱き締められ、「行っちゃダメ!俺は影山とずっと一緒にいたいの!」とか意味のわからないことを言い出すからである。
「……じゃあ、そうします…」
俺は渋々、そう答えておいた。
「影山の家行けるの?嬉しい!」
そして、何故か笑顔で喜んでいる日向。
今後のことを考えた俺は、大きく溜め息をついた。

「じゃあ気をつけろよー!」
「なんかあったら連絡して!」
先輩たちの暖かい言葉で少しは気持ちが和らいだ気がする。
「はい、ありがとうございます」
そこで、先輩や他のメンバーとも別れ、完全に日向と二人きりになった。
「…お前、親さんに連絡しとけよ?」
「はぁーい!」
さっきからずっと笑顔の日向を見てると胸に何か違和感を感じていた。
だが、そんなのは無視する。
日向は携帯を鞄から取り出すと、親に送るであろう文章を打ち込んでいた。
「あっ、そう言えば…」
今日は、両親が仕事の都合で家にいない。
(コンビニでも寄るか…)

「ここが影山の家?」
キラキラと目を輝かせた日向は、扉を開けて家の中に入っていく。
「あ…影山のにおいだ…」
「そんなことどーでもいいから、さっさと飯食って風呂入って寝るぞ」

コンビニで買った夕食を食べて、お風呂にも入った。
もう、あとは寝るだけ。
「じゃあ、悪いけどお前、こっちの布団で寝ろよ」
俺は、自分の部屋に日向用の布団を敷いておいた。
自分はベッドなのに、日向は床の布団で申し訳ないかと思ったが、元々はこいつが悪いから、まあいいかと納得する。
「……………」
日向は、俺を見ながらボーッとしている。
「なんだよ」
「か…影山と同じところで寝たい…」
日向の言葉を聞いた瞬間、体に何かを感じた。
そして、強く抱き締められた。
心臓が凄くバクバクと鳴っている。
「俺、影山が好きなんだ…」
突然の告白に、自分の顔が熱くなっていくのがわかる。
それでも、いつものように冷静さを保とうとして、下を向く。
日向に抱き締められながら、少しずつベッドへと移動した。
ベッドまでたどり着くと、そのまま二人で倒れこんだ。
始めに軽くキスをする。
(こいつの唇柔らけぇ…)
日向は、目をギュッと瞑っていて、そんな姿が可愛く感じた。
日向の指と指の間に自分の指を絡める。
同時にまたキスをした。
今度は、日向の口に自分の舌を絡める。
そして、お互いの唾液が行き来していく。
「ぁ…ん…」
日向が甘い声を漏らす。
唇を離し、今度は首筋にキスをすると日向の体が小さくピクンと震えた。
「ひぁっ!?」
そしてまた、唇を重ねて舌を絡める。
「ん…ん…」
長い長いキス。
「………ん…はぁ…はぁ」
呼吸が止まってしまうくらい長かったからか、呼吸を乱している。
「か…げ……やま………もっと…」
いつも聞きなれているこいつの俺を呼ぶ声が、特別に感じた。
もうきっと自分では、理性を止められない。
日向の着ている服の下から手を入れようとする。
ーが、日向の携帯が変な着信音を鳴らしているのに気づいた。
「…………誰だよ…」
勝手に携帯を見ると、菅原から‘大丈夫か?’と短いがLINEがきている。
俺は適当に‘大丈夫です!心配かけてすいません‘と返信しておいた。
「おい、日向。お前やっぱあっちの布団いけよ」
(…これ以上はー…)
ところが日向からの返事はなく、すーすーと寝息をたてている。
俺は静かに布団に入った。
(―もし、あのままだったらどうなったんだろうか…)

**Hinata side**
よく眠れた気がする。
(…あれ?隣に誰かいる?)
そっと目を開けると、そこにいたのは…。
「ーーーーっっ!?なんで、影山がいんの!?」
俺の大声目覚めてしまったのか、すごく不機嫌そうな影山。
「朝からうるさいな。っていうか、お前昨日のこと覚えてねぇの!?」
「昨日……?」
必死に考えても何も思い出せない。
でも、影山の顔を覗くとほんの少しだけ顔が赤い気がする。
「いつか昨日のこと話してやるよ」
「いっ…いつかじゃなくて今!」
「なんだとぉ!ボゲ日向!!」
** ** ** **

今日は、影山のトスとすごく合う気がする。
それはなんでだろう、と考えると昨日、何かがあったんだとしか考えられなかった。
先輩や他のメンバーに聞いても苦笑いされたり、大笑いされてしまうから昨日のことは結局よくわからないままだ。
「影山!来い!!」
でも、俺が影山とこれからもバレーをすること、最強の囮としてもっともっと強くなることは、かわらないー。
俺は誰にも気づかれないように小さく微笑んだ。

**Kageyama side**
今日のトスはいつも以上に気持ちよくできた。
日向もアタックをたくさん打てて満足そうだ。

ふと、昨日の夜を思い出した。
お前が、昨日のこと覚えてなくても、俺はちゃんと覚えてるから。
いつかちゃんと、気持ちも伝えるから。
俺は誰にも気づかれないように小さく微笑んだ。

『放課後 君と。』
~終~

放課後 君と。[影日]

放課後 君と。[影日]

ハイキューの影日小説。 結構設定適当なので大目に見てやってくださいw

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-07-26

Derivative work
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