区境界戦争

このおはなしは、私が高校授業の古典で先生が、昔は死ぬっていうのはうつる病気みたいなものと思われてたと言う話を聞いてかきはじめたものです。

個人で好き嫌いすごく別れると思ってます。
昔は宮中で誰かの死期がちかづくと、ほかの場所にうつしたそうです。
そのくらいあれなんですね……。死はおそれられてたんだね……。

舞台は東京都犬童市。9つの区に別れたこのまちで、少年少女は死と戦っていた。

プロローグ

一年目 2月16日

高校生になった今も、私は、小学生の頃にみたあのドキュメンタリー番組が忘れられない。
その番組は、ライオンに食べられるシマウマ、その残骸を貪るハイエナ、などのサバンナにおける『生』や『弱肉強食の世界』、そして『死』を取り上げて私達に伝えていた。

しかし、私は「内容がグロテスクだった。」とか「動物が可哀想だった。」などという理由でこの番組が忘れられないのではなかった。
ただ、私達人間の間で『百獣の王』とよばれているあのライオンでさえも、いつかは死がやってきてしまう。それが分かった時に、あの画面を通して感じた逃れられぬ死への恐怖。それが自分の首をきつくしめているかのような息苦しさ。あの感覚がいまでも首にべっとりとまとわりついている。


しかし、その感覚をより鮮明に感じるようになったのはつい最近の話。

区境界戦争

区境界戦争

「死は感染する。 これは冗談なんかじゃない。私にはみえるから、人の死を引き起こす『汚れ』が。」 東京都犬童市。 9つの区に別れたこのまちで、死の感染をくい止めようと各区にはガーディアンとよばれる少年少女がいた。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • アクション
  • 青年向け
更新日
登録日
2014-06-16

CC BY-NC-ND
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