奇妙な悪魔物語

奇妙な悪魔物語

第六話 ライフル②

奇妙な悪魔物語 第六話 ライフル②



ここで一回状況を説明しよう。

ベルゼブブに呼ばれて来た親衛隊。ルキフグスとサタナキア。そのうちのルキフグスが63世から依頼を受けてきた。その依頼が生活費調達である。その生活費はシナ海、那覇よりの島。悪石島のビロウ山の頂上に埋めてあるそうだ。そこに行きそこにいる管理人と一緒に掘り返せとのことだ。だが、その情報が何者かに感ずかれてしまい。金を狙う奴。ムーロロ、ライフル。が現れる。ムーロロは倒したものの残るライフルはこちらがムーロロを殺したと思い込み。大激怒。こちらはライフルを殺さずに捕まえ、情報を誰からてにいれたのかを掴まなくては行けなかった。


............................。


そうこうしている間にボートは確実に島に近づいていた。恐らくあと30分もあればつくだろう。

だが、30分は以外にも長く、その間はルキフグスは一人なのだ。それに彼はライフルがこちらを狙っている事にきずいていないのだ。

そんな状況の中サタナキアが何かひらめいたような顔をした。そして口を開いた

[まって下さい........無線機ですよ。無線機!あいつ無線機を持っていきましたよね!それでこの状況を知らせましょうよ!]


するとベルゼブブがなるほど、と言う顔をし、うなずいて無線機を使うように指示をする。それに応じてサタナキアは無線機のスイッチを入れた。

[おい!ルキフグス!?話がある、大事な話だッ!]


[................................]


いくら待っても無線機からは反応がなかった。


[おい!聞こえているのかッ!?ルキフグス!時間がないぞ!早くでろ!]


[................................]

いくらサタナキアが呼び掛けても、無線機からは何の反応がなかった。

その頃、ルキフグスは既に悪石島に到着していた。一応そのことを報告しておくために無線機を入れた懐に手を伸ばした。だが、そこには無線機は無く、変わりに小石が入っていた。ルキフグスは服のいたるところを探す、が無線機はどこにもなかった。

[あれ?........来る途中に落としちまったかな?........まぁいいや]と言い、生命探知を始めた。


その頃、悪石島の少し外れの海からつきだした岩の上に一人の男が座っていた。その男は双眼鏡を覗き、ルキフグスを見ていた。

その男のすぐ横にはルキフグスの持っていた無線機が転がっていて、サタナキアの声が響いていた。[おいッ!どうして返事をしないッ!?なにかあったのか!?]


そのうるさい声に男は〃はぁ〃とため息をつき無線機を睨み付ける。そしてめんどくさそうに[うるせーなぁ、ほんとにうるせーわ]と言い、双眼鏡をベルゼブブの乗っているボートに向けた。そして無線機に向かって叫んでるサタナキアを見る

[叫んでるのは確かぁ....えぇと....サタナキアだ。能力はこっから見ただけじゃよくわかんなかったがよ。とりあえず黙れよバカ]と言いすぐ近くに置いてあった小石を手に握りしめる。そして手で完全に包み込んだ。そして次に手を開くとそこには小石ではなく、無線機が現れた。

[これでよし]と満足げに呟いた。


それと同じ瞬間、サタナキアの手から無線機の変わりに小石が現れた。サタナキアは少しの間、小石に叫び続けたが異変にきずき黙った。何が起きたか理解できていないでいる。ベルゼブブ、姫子も同じ表情を浮かべた。その姿を遠くから双眼鏡で見ていた男はその場で爆笑した。そして笑い終わると再びボートに双眼鏡を向けた。

三人は戸惑っていた。

[....................!]


サタナキアは突然の出来事に辺りを見渡した。だが、ボートから肉眼で男を確認することはできない。サタナキアが顔色をかえてオロオロしている。だが、急に空気が変わったのを感じとりベルゼブブに視線を合わす。するとベルゼブブは目を閉じていて、何かに集中しているようだった。姫子にはベルゼブブが何をやっているのかわからなかったが、サタナキアにはすぐにわかった。それは〃ハエの目〃と言う能力を使っていということ。この技はこの世に存在するハエに命令を下し、なおかつその目からあらゆる物を見ることができるのだ。ベルゼブブはゆっくり神経を研ぎ澄ました。

岩場にいる男の前を偶然ハエが通過した。男はハエを気に止める様子もなく、双眼鏡を覗いている。だが、ハエは男の姿を見た。その光景はベルゼブブの目にも映る。

瞬間、男の背筋に〃ぞくっ〃という感覚が走った。誰かに見られた感覚がしたのだ。俺は回りを必要以上に見渡した。だが、回りには何もなく、ただ、波の音が静に聞こえる。俺は〃ふぅ〃と流れた汗を拭いて[気のせいか....]と言った。

そして再びボートに双眼鏡を向けた。瞬間、男の顔色が悪くなり、額からは大量の汗が流れる。双眼鏡ごしにベルゼブブと目があったのだ。男はバカな、と思ったがベルゼブブは確実にこちらをにらんでいた。

実際、ベルゼブブは男を見つけていた。そしてベルゼブブは立ち上がりボートの操縦室に入り進行方向を悪石島から、男の向きに変えた。その行為に姫子が驚いて口出しをしようとした。その直前に、サタナキアが姫子の口をふさいだ。そして[ベルゼ様の行動に〃無意味〃は存在しない。我々が口出しをしてはいけない。きっとライフルより強力な、いや....ライフルらに情報を漏らした奴を見つけたのだと思う]


その言葉に姫子は不思議そうな顔をした。

[どうしてわかるのよ?そいつが情報を漏らした犯人だって?どうしてそう思ったのよ?]と聞き返す。


すると、サタナキアが坦々と話し始めた。

[ベルゼ様の考はきっとこう考えた。何故、敵はムーロロ、ライフルに情報を漏らしたんだ?と。情報を漏らさなければ金は自分の物になるのに。さっきの会話からすれば、ムーロロたちはそいつと深い関わりが無いのがわかる。何故なら、そいつの事を一言も喋らなかった。つまりライフル達はそいつから情報を獲て本当に金だけが目当てだった。ムーロロをやられて金の事は〃どうでもいい〃と言ったのが何よりの証拠だ。そいつから依頼を受けた訳じゃないんだ。]


[ちょっと待って?だとしてどうして今追ってる奴が情報を漏らしたと二人は考えてるの?]


[それは奴の目的がベルゼ様の命だからだよ]


[え?]


[前にも言ったけど僕らはベルゼ様の親衛隊。親衛隊が必要って事は命を狙われるって事なんだよ。奴は何らかの能力で僕から無線機を奪った。つまり何処かから僕らを見ているんだよ。双眼鏡でね♪]


[つまり....?]


[うん、、情報をムーロロらに漏らすことで僕らと戦わせたんだ。ベルゼ様に近づくためにはまず僕らを始末しなきゃならないからね。遠くから見て能力やら色々観察していたのだろうね。で、うまく行けば弱ったところを襲うつもりなんだろうね♪でも、奴は相当に間抜けだよ。能力を僕らに使ったのだから]


実際にベルゼブブも同じ事を考えていた。そしてその考えは的中していた。数々の敵からベルゼブブを守ってきた親衛隊には〃その手〃の考えを見抜くのにとても冴えているのだ。それは数々の経験のおかげだった。


よくわからなかった人の為の簡単説明。

[現在の状況説明]

奴→ベルゼブブの命を奪うためにまずは親衛隊を潰す。→ムーロロ、ライフルに金の情報を漏らすことで戦わせて親衛隊の能力などを研究して勝ちやすくする。うまく行き、みんな弱れば一気に畳み掛けるつもりでいる。


ムーロロ、ライフル→奴に金の情報を聞き、金を強奪するために現れた上級悪魔。ムーロロを殺されたと思いライフルが金そっちのけで襲ってくる→今


男は双眼鏡でボートを見ていた。そして〃はっ〃とした。ベルゼブブのボートが自分の方に進路を変えたのだ。それにきずき男は急いでその場を離れようと、海に飛び込み泳いだ。俺はそうとう焦っているのか、後ろを全く振り向こうとしない。


その頃、ルキフグスは生命探知で悪石島の人通りの多いところに着いた。そして考えた。いかにしてライフルを見つけ出し不意打ちを食らわせるか。しばらく歩きながら考えた。だが、人混みを歩いていたルキフグスの足が突如止まった。その顔には〃何故だ?〃と言っているようだった。その目線の先には、金髪の、おでこに丸い傷跡をもった男がルキフグスを睨んでいた。瞬間、ルキフグスにはこいつが悪魔だとわかった。と同時にこいつがライフルだともわかった。その目に怒りを燃やしていた。

探知能力をもたない悪魔でも、目をみれば同種と見分けられるのだ。

(何故、奴が俺の事を見ている!何故奴のが俺を先に見つけられたんだ!?まさか、ムーロロを倒したのがバレたのか!?]と焦りの気持ちがいっぱいだった。


ルキフグスはその場に止まり男を睨み返している。ライフルも同じだ。だが、どうゆうわけか突然、ライフルがルキフグスから背を向けた。その行動にルキフグスは〃何ッ!〃と戸惑いの表情を隠せなかった。

ライフルはそのまま、ルキフグスとは別方向に歩いた。逃げるような様子はなく、ただ、歩いた。呆然とするものの、すぐにそのあとを、同じスピードで追った。


そしてしばらく歩くと人の数が減ってきた。ライフルとルキフグスの距離はおよそ5メートルだ。その距離をたもち、ついに森の中に入った。そこでルキフグスが行動に出た。手のひらに半径5㎝ほどの氷の塊を作り出し、それをいきよいよくライフルに投げつけた。するとライフルはその場に立ち止まった。避ける様子もなく、ただ、その場に立ち止まった。ルキフグスはさらに困惑する。

そして氷がライフルの頭にぶつかる。だが、その氷はいきよいよく地面に跳ね返って割れた。当たったはずのライフルは微動だにしない。そしてゆっくりとライフルは振り向いた。

[よぉう........ルキフグス]

その顔は余裕ともいえる涼しい顔をしていた。が、その目は、確実に燃えていた。


ルキフグスには何が起きたかわからなかった。いや、それよりライフルの行動が理解できていなかった。何故、自ら姿を表したのか。そして何故自ら人気のつかない場所に移動したのか。そして、何故自分の氷の球をまともに受けて涼しい顔でいられるのか、全てが理解ができていなかった。


 【←To BeCont`onued】

奇妙な悪魔物語

次回

謎の威圧...静かに確実にボロボロにされる...

奇妙な悪魔物語

こちらの作戦がライフルに聞かれてしまった。そして、こちらを見つめる謎の男......ベルゼブブは、謎の男を追う

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • アクション
  • コメディ
  • 青年向け
更新日
登録日
2014-05-04

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted