癖

癖ってのはやっかいだ。


「癖ってのは厄介だ。」

そう言った、くさみ顔のおっさんは
この街で一番売れているタバコのけむりを吐いた。

「癖ってのは厄介なんだよ」

―――、それはさっき聞いたよ。

「あー?・・・いいかボウズ。おまえは―――」

―――なあ、・・・

「チッ、ったく、てめえは話を聞かねえ」

―――、ごめん

「・・・あまり、」

たばこをいつもより強く吸って
たくさんのけむりを吐いた

「あまり、・・・謝るんじゃねえ。それが癖になっちまう」

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-04-22

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