蟲喰ひ

姑息で、拙速な逃げ方ばかりして失敗していた自分を形容した。
結果とはわずかなパラメータによって与えられドミノ倒しのように収束するものだ。

手が蟲に喰はれたのだらう。
痒かつたので乱暴に掻き毟つたら手が知らぬ間に壊死してしまつた。

眼にごみが入つた。
片手しかないためごみが上手くとれない。もどかしかったので無理矢理に眼玉を抉りとつてしまつた。

追われていたので逃げていたら脚をつかまれた。
脚から追手を離すべく今度は脚を切り落とす嵌めとなつた。

つひにまた何かが追いかけてきた。逃げたいのに、視界も悪いし逃げる足
も腕もない。
そうか、逃げたいという気持ち、苦しいと感じる心が要らぬのだ。しかし僕は、幸か不幸か心の切り離し方を知らなかった。

蟲喰ひ

#誤って作品を消してしまったので再掲載 
#作成日時 2012/09/27

蟲喰ひ

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-02-28

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