そして誰もいなくなってみたはいいが、いつも通りまた朝日がやってくる。

そして誰もいなくなってみたはいいが、いつも通りまた朝日がやってくる。

とある島へ招待される一週間前のことだ。

これは、その時に届いた封筒に入っていたボイスレコーダー
に記録されていたものだ。

ザザ、・・・ザッザ、ザザザザ
しばらく続いたノイズの後に「声」は語りだした。

まずは匿名であることを謝罪しよう。
しかし、ここでこれ以上そのことに触れることはやめておこう。

早速だが、本題に入ろう。とある人物の話だ。
彼は、・・・いや、もしかすると彼女かもしれない。
君たちにとってはこれから、あるいは過去の話であるかもしれないが
前者の君たちのためにも、私はこれから彼(あるいは彼女)をU.N.オーエンと
呼ぶことにしよう。

U.N.オーエンとはとある狂った人物の名だ。

しかも、嫉妬や憤怒といった負の感情にではなく、だ。

それは正義だ。

正義に見初められ、そして正義へと堕ちていった。

U.N.オーエンは島に10人の男女を招いた。

彼らはみな罪があったそうだ。


そしてU.N.オーエンは一人ずつ、
そしてまた一人と罪を償わせていた。

物語は進み、結局はみな死に

だれもいなくなった

U.N.オーエンの思惑通りだ
しかし、果たしてそうだろうか?

確かにU.N.オーエン氏は正義の名のもとに彼ら、彼女らを裁いてはいたが
結局、朝日はまた来るのだ。

つまり、なにが言いたいかというと、
この償いは個人にしか影響せず、
さらには事態の収束はつかず、個より全体の根本たる
原因にはまったく触れてはいなかったのだ。

ここまで比喩表現をしてきた。
私は命が惜しいのでね。

さて、前(さき)にも述べたが
これから不幸へと先立つ哀れな諸君らよ。

君たちにアドバイスだ。

unknown

覚えておきたまえ。

察しの付くものはもう気づくだろうが

U.N.オーエンという名に起因している。

いいか、彼(あるいは彼女)は正体不明だ。

おそらく君たち『招待客』ではこの謎を解明することはできまい。

だから、教えよう。手助けだ。
勘違いをするな、私はこの狂った世界をどうにかしたいだけだ。

いいか、よく聞いておけ

正体不明であって、輪の外とは限らない。
疑うべきはまず自分である。

これ以上は言えない。
あとは君にかかっている。

健闘をいのる。


ザッザザザザ・・・。

ノイズの後にドアがノックされる音が聞こえた。
そして発砲音が鳴り響き

ボイスレコーダーはそこで止まった。

その手紙に私は困惑した。
果てしてこの旅、・・・。

いや、やめておこう。
せっかく退職したのだ。

頭を悩ませるのは現役の時だけで十分だ。

さて、一眠りでもするかな。

私はボイスレコーダーを封筒へと戻し

ゴミ箱へと投げ捨てたのだ。

そして誰もいなくなってみたはいいが、いつも通りまた朝日がやってくる。

さて、みなさん。犯人はお分かりですか?

みなさんのご健闘をお祈り致します。

そして誰もいなくなってみたはいいが、いつも通りまた朝日がやってくる。

  • 小説
  • 掌編
  • 冒険
  • サスペンス
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-09-11

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